山本ひかる

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2023振り返り

今年1年、イラストの仕事のお声がけをしてくださった皆様、本当にありがとうござました。すてきなお仕事にたくさん巡り合うことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。 2023年のお仕事を振り返ってみました! 本の挿絵も担当させていただきました 去年に引き続き、珈琲屋台のマンガの連載も。 今年は、アニメーション制作に挑戦した1年で、これまで沈黙していたイラストたちが突如動き出し、表現の幅・創意工夫の余地が何倍にも広がりました。アニメーション、いろいろ活かせるシーンがある気がする…

    • 私の居住考現学③

      いつも心は、天高気清。 都会の喧騒に隠れた古民家で狸も一緒にチルアウト中! (東京都・新高円寺 2019.3 - 2020.9) ▼古着屋や飲み屋が軒を連ね、連日多くの若者で賑わう繁華街・高円寺の近くにありながら、新高円寺では、寺町らしい穏やかな時間が流れている。そんな街の家々が密集する旗竿地にある、一軒の古い木造二階建ての民家。この家も、新卒で働いた会社が運営するシェアハウスのひとつだ。ここでは男女8人が共に暮らしている。家全体によく日が当たり、朝は小鳥のさえずりが聞

      • 私の居住考現学②

        憧れの平屋暮らし。 壁を壊し、理想と現実の狭間に住まう。 (神奈川県・横須賀 2016.5 - 2019.2) ▼横須賀は坂の町だ。大通りから一歩脇道へ逸れれば、角が削れた石段が、迷路のようにクネクネと続き、そこにへばりつくように古い民家が軒を連ねている。蔦が絡まり、雑草が生い茂り、住むことも壊すことも放棄されたような空き家が数多くみられた。▼リノベの現場で働きはじめて1年、私はすっか古い家の魅力に取り憑かれていた。横須賀に引越しをすることが決まり、新居として、古い一軒

        • 私の居住考現学①

          扉を開けば、そこは異国! 一つ屋根の下、男女12人で食卓を囲む。 (東京・南千住 2014.4 - 2015.5) ▼上野や浅草からもほど近い、東京の下町・南千住。駅から5分ほど歩いた、野良猫が屯する砂利道の奥に、この家はあった。ここだけ時が止まってしまったかのような寂寥感溢れる外観に怯みながらも、燻んだピンク色の玄関扉が、何やらここが単に古いアパートでないことを物語っている。レトロなドアノブに手をかけ、扉を開けるとそこには、とても南千住とは思えない、エキゾチックな空間

        2023振り返り

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        • 居住考現学
          4本
        • 長野
          6本
        • 真鶴
          2本
        • 小値賀
          5本

        記事

          松本 | 菊の湯通信〈きくびより〉

          今年の10月から湯屋チーフとしてはたらいている松本の銭湯の壁新聞 脱衣場にどーんと貼っています。

          松本 | 菊の湯通信〈きくびより〉

          昭和町 | 昭和な町の未来地図

          生まれ育ったまちの未来  私の地元である、大阪市阿倍野区昭和町の〈未来地図〉をかきました。昭和町では建築や不動産など街に関わる仕事を生業とするプロたちが“ビーローカルパートナーズ”というユニットを組み、まちのよき商いを守り、育む『バイロール運動』に7年前から取り組んでいます。未来地図のことのはじまりは、7年前に父とつくった地元のマチオモイ帖。そのときは地元のおすすめスポットをまとめた小冊子をつくったのですが、その在庫がなくなり、今回は新たに〈未来地図〉というテーマで作り

          昭和町 | 昭和な町の未来地図

          長野 |松本デザイントラベル

          信州大学のとある研究企画に参加することになり、学生に向けて、アイスブレイクとして、私が大学時代に学んだ生活デザインについて、あれこれは話したときに用意したレジュメ。

          長野 |松本デザイントラベル

          真鶴 | いわみち新聞

          真鶴出版でお手伝いをさせていただきたときにつくった新聞。真鶴出版の川口さんが兼ねてからつくりたいと考えていた、地元の人に向けた『ハイパーローカルメディア』!「いわみち」は、真鶴駅と岩海岸を結ぶ一本道のことで、この道には不思議と魅力的なお店が集まっている。表は、リニューアルオープンした〈パン屋秋日和〉の特集。裏面には、真鶴在住の料理家・なつこさんから教えてもらったレシピや、おすすめの本など。〈真鶴出版〉も、〈パン屋秋日和〉も、なつこさんも、みんな「いわみち」在住。印刷は、神

          真鶴 | いわみち新聞

          私の居住考現学

          映画の台所編 ・リトルフォレスト ・クローズド・ノート ・深夜食堂

          私の居住考現学

          阿佐ヶ谷 | 東奔西走

          東へ西へてんてこまい  南阿佐ヶ谷にオープンした、昼はうどん屋・夜は出汁酒場のお店〈東奔西走〉にまつわるイラスト・デザイン等を担当させてもらいました。 〈東奔西走〉は、高円寺で長年愛されていたうどん屋〈てんてこ〉が今年の夏に移転したお店で、シェアメイトたみさんが働くお店です。コロナ自粛期間のときに、てんてこ応援活動の一環として、うどんマガジン〈うどんのとも〉をつくって以来、通販のフライヤーつくらせてもらったり、一緒に楽しくてんてこまいさせてもらったのですが、この度、新

          阿佐ヶ谷 | 東奔西走

          真鶴 | 絵日記

          小さく、やさしく。  1年前の冬。これから何をやっていきたいのかと将来に対する漠然とした焦りを感じていたときに、雑誌で目にした“泊まれる出版社”というフレーズに魅かれ、〈真鶴出版〉を訪れた。〈真鶴出版〉は、神奈川県の西の端っこの真鶴というの港町にあり、1日1組限定の宿を営みながら、真鶴にまつわる出版業を行っている。  箱根と熱海という国内屈指のリゾート観光地に挟まれながら、真鶴は昔ながらのまちなみがそのまま残っている。背戸道といわれる、細いクネクネとした石垣の道に、み

          真鶴 | 絵日記

          野毛 | フタレノゲストハウス

          みらいの横の、古きよき飲み屋街  観覧車や赤レンガ倉庫。キラキラ眩しいみなとみらいの駅の向こうに、昭和の香りがプンプン漂うディープな飲み屋街があるなんて知らなかった。  JR桜木町駅の南西に、戦後に闇市として栄えた野毛というまちがある。ノスタルジックな小路に大小さまざまな居酒屋がズラリとひしめき、提灯の明かりがほろよいの人々をランランと照らしている。そんな野毛のまちの路地裏に健太さんと未奈さんが営むフタレノゲストハウスがある。数年前、いっくん(前ページ参照)が親方の元

          野毛 | フタレノゲストハウス

          小値賀 | 日記

          初めての小値賀  九州西部に位置する長崎県五島列島。ユネスコ文化世界遺産に登録された潜伏キリシタンの教会郡があり、美しい海があるということは知っていたけれど、都会で生まれ育った私にとって、離島は異国も同然。そんな五島列島のなかでも、一番人口が少ないという小値賀島に、学生時代に働いていたアルバイト先の先輩、みぞさんが移住した。SNS越しに見るみぞさんの暮らしは、色鮮やかでなんだか楽しそう。私のなかで小値賀への興味がムクムクと膨み、去年の梅雨の時期にはじめて小値賀を訪れた。

          小値賀 | 日記

          横須賀 | 紡工務店

            左官もイラストも  私が新卒で入社したのは、古い建物を飲食店やシェアハウスにリノベーションし、施工から管理、運営まで全て自分たちで行う会社だった。古民家リノベといえば、お洒落でイマドキな暮らしをイメージするかもしれないが、施工現場はまさに土木作業で、毎日ツナギで現場へ通勤し、泥と汗にまみれた。空き家の解体から木工事、左官、生コン流し、タイル張り、溶鉄、ペンキ塗り、ときに山でチェーンソーを片手に材木を切り出したり、建物にまつわる様々なものづくりを経験した。力仕事ばかりで

          横須賀 | 紡工務店

          長野 | 絵日記

          いつか長野県内すべてのまちの地図を書くぜ!

          長野 | 絵日記

          小値賀 | LIFE IS SPICY

          みぞさんのパラダイス  岸和田生まれのダンジリガール・みぞさん。小値賀へは、地域おこし協力隊として移住した。もともと好きだったスパイス料理に、小値賀の名産であるピーナッツを活かして『小値賀ピーナッツカレー』を考案。鍋と大きなシャモジを背負って、全国行脚を行っていた。みぞさんほど自分の気持ちにストレートな人を私はみたことがない。「最高やん!」が口癖で、「これがすき!」「これはすごい!!」と、いつでもド直球。みぞさんを前にすると、老若男女、人も動物も関係ない。“小値賀の元気

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