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ダイヤモンドにまつわるダークな話
長いことジュエリー関係の仕事に従事していた私。
ダイヤモンドのバイヤーとして働いていた時期もあり、ジュエリー業界・ダイヤモンド業界の裏をみてきました。
今回は、美しいダイヤモンドにまつわるダークな話をしていきます。
◆ダイヤモンドの独占企業デビアスとは?
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デビアスとはイギリスに本社を置く会社で、ダイヤモンドの採掘、加工、流通(販売)を一元管理する会社です。
かつてダイヤモンドは、インドやブラジルで発掘されていました。
それが、イギリスの植民地であった南アフリカでダイヤモンドの大鉱脈が発見されました。
それにいち早く目を付けたのが、デビアスの創業者のセシル・ローズ。
ユダヤ人銀行家ロスチャイルド家から多額の融資を受け、1881年にデビアス社を設立。
南アフリカのダイヤモンド鉱山を買収します。
さらにアフリカ各地のダイヤモンド鉱山を買収し、ピーク時には世界で産出されるダイヤモンドの9割以上を抑えていたといわれています。
そして「サイト」と呼ばれる販売システムを設け、採掘されたダイヤモンドを世界中に販売していきます。
ダイヤモンドの取引価格もデビアスの言いなりで、立派な独占なわけです。
採掘→販売を独占することで、ダイヤモンドの取引価格も、市場に出回るダイヤモンドの量も、デビアス社がコントロールしていました。
現在もアフリカの多くのダイヤモンド鉱山はデビアス資本のため、これらのダイヤモンド鉱山をデビアス系鉱山などと呼びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1693534496096-ahvDJv2WHz.png?width=1200)
◆新たな巨大ダイヤモンド鉱山の登場
このようにアフリカの多くのダイヤモンド鉱山を押さえ、ダイヤモンドを独占してきたデビアスですが、その独占も永遠には続きませんでした。
20世紀後半から、アフリカ以外の国々で巨大なダイヤモンド鉱山が発見されます。
ロシア・オーストラリア・カナダで巨大ダイヤモンド鉱山が発見・操業されます。
これらの鉱山はデビアス傘下ではないため、独立系鉱山などと呼びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1693535023745-JpeZlj6UEr.png?width=1200)
独立系鉱山の登場によりデビアスはシェアを落とし、現在は世界に流通するダイヤモンドの4割ほどのシェアといわれています。
独占体制が崩れたとはいえ、4割のシェアを持つデビアス。
ダイヤモンドの取引価格には、依然としてデビアスの強い意向が働きます。
そしてこれら独立系鉱山も、ダイヤモンドを自由に販売して取引価格が暴落するより、デビアスの提示した取引価格に乗っ取って販売しているほうがリスクが低いわけです。
これら独立系鉱山も、陰に陽にデビアスの流通システムを利用して販売しています。
それなので、未だに自由で透明性のある開かれた市場とはいえないのが、ダイヤモンド市場なわけであります。
◆ダイヤモンドとロシア
![](https://assets.st-note.com/img/1693556134576-KIaTU4SczZ.png?width=1200)
現在、ダイヤモンドを最も多く産出している国はロシアになります。
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