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「おんにこにこ その4」・・・東京の蕎麦に対して、上方は・・・。


もう一つ。そばに因んだ噺を紹介します。
この噺、東京では「そば清(そばせい)」。
「蕎麦の羽織」「羽織の蕎麦」と呼ばれることもあります。

「そば清」こと、そばっ食いの清兵衛が、そばの大食いで賭けを持ちかけられる。
二十枚、三十枚と完食し、その都度掛け金をせしめるが、
金をとられた連中は「今度は五十枚だ」とさらに枚数を上げてくる。
さすがのそば清も五十枚は自信がなく、仕事があると理由を付けて信州に出かけてしまう。

そば清は信州の山道で、大蛇が猟師を一飲みにするところに遭遇。

腹が膨れすぎて苦しむ大蛇は、道端の黄色い草(赤い草の時もあり)を舐めて腹が小さくなって納まる。

これを見て、「あの草は強力な胃薬だ」と思ったそば清は、その草を摘んで帰り、そば五十枚の挑戦を受けるのだが・・・。

ほぼ同じ噺が上方では「蛇含草」というタイトルになります。
「蛇含草」では、蕎麦ではなく餅を大食いします。
餅を色々な格好で投げて食べる「餅の曲食い」と
オチの顔芸が演じどころになっています。

「蛇含草」を最初、ラジオかカセットテープで聞いた時、
オチがバカ受けしている理由が分からなくて
物凄く悔しい思いをしました。

数年後に、桂枝雀さんが「蛇含草」を演じる映像を拝見して
バカ受けの理由を知ったのですが、その時は枝雀師匠の体が
何倍にも大きくなったように感じられたのを覚えています。

おわり



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