「Send-Mets」・・・怪談。秘め事を共有するアプリ。
Send-Mets(センメッツ)というアプリを
部長に紹介した。
「夜の営みの時の互いの活動量を数値化して共有するのよ。
昨夜どれだけ部長が頑張ってくれたか分かるの。ウフフ」
大人のための身体活動量・運動量を共有するために開発された、という風に説明すると、部長は素直にこのアダルトアプリをインストールした。
趣味の悪いアプリだったが、荻村部長は気に入ったらしい。
出社するなり、勤務時間にもかまわず、おじさん構文でメールを送って来た。
『純ちゃん💗、オギオギだよ~ん。昨夜は😍なんと、1300Send-Mets❗😚だったよん。サイコー❗💕お疲れ様〜٩(ˊᗜˋ*)و🎵今日の仕事に影響が出ていないかな❓😘僕は、すごく心配だヨ(._.)😱💦😰今夜もオイシイ
ディナー🍗🤤と一緒に純チャン💗も、食べちゃいたいナ〜😍💕(笑)✋ナンチャッテ😆』
余りのアホメールに腹が立った、と同時に笑いがこみ上げてきた。
そんな私の様子を見て、好きなように受け止めて、いい気になっているのだろう。部長は嬉しそうにこちらを見ている。
勘違いすんなよ。あんたとは、一度っきりの我慢エッチ。
あんたは愛人にでもしたつもりだろうけど、
あんたはもう終わりだよ。
私は、Send-Metsアプリを立ち上げ、「元から削除」のボタンを押した。
「エイッ!」
アプリに登録されている荻村部長のアイコンが消えると同時に、
部長は口から泡を吹いて倒れた。
取り巻きの部下連中が慌てて救急車を呼んでいるが、
痙攣している部長の顔色があっという間に灰色に変わり、
もう動かなくなった。
この一件は、ここでお終い。
最後に一つ付け加えておくと、このすぐ後、
会社中の少なくない女子社員の間で以下のようなメールが行き交った。
『オギオギ殲滅完了! Send-Mets最高❗💕』
おわり
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