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鹿島アントラーズトレーニング【コーチングログ#17】

先日、鹿島アントラーズのトップチームの練習を見学してきた。プロの選手たちが、J1のクラブがどんな練習をしているのかあまり公にならないことが多いが、今回は練習公開日ということもあり練習を見学することができたので、今回は練習内容についてまとめていく。

10:00〜練習スタート。チームミーティングを簡単に5分くらい行ったあとから練習が始まった。

チームミーティング

低強度のダイナミックからスタートして、間に動的ストレッチを挟んで、高強度ダイナミックでウォーミングアップは終了。約15分程度。

最初のトレーニングはスプリント系の練習。この日はMD-3(マッチデイから3日前)ということで全体的にフィジカル系の要素が強い練習となった。

スプリント系のトレーニングでは4列に選手たちが並び、レース形式で行われた。

・スプリントからミニゴールへシュート
・スラロームからミニゴールへシュート
・奥のコーン→手前のコーン→シュート

というようなシンプルなスプリントメニューが約5本行われた。

スプリントTR

MD-3ということでコンディションを上げることと試合で高強度のパフォーマンスを出すためのトレーニングといったところか。

次に行われたのは3人1組になってコンビネーションの形を確認するようなトレーニング。

3人組コンビネーション

・パスを出したらオーバーラップ
・パスを出したらアンダーラップ
・スローイン→レイオフ→即興コンビネーション

この3人組のトレーニングが約15分。

3人目の動きを感覚的に理解していくのには良い練習だと感じた。また、ハーフコートを高強度のランニングでカバーするので、戦術的フィジカルトレーニングとして良いメニューだと思う。例えば、この流れからクロス→シュートといった練習に変化させることもできるので、アレンジ次第で様々な意図を持ったメニューになると思う。

次にSSG。
ピッチの反面を使い、横幅はPAの大きさ。

SSG

・9対9+2
・GKはミニゴールの間でプレー
・3チームで1チームは休憩
・2つどちらかのミニゴールへシュート
・ワイドにいる選手(黒)はフリーマン

コンディション
・タッチ制限
・GKがミニゴールを守ることができる

9vs9+2

鹿島のプレースタイルが伺えるトレーニング。中央で数的優位や密集を作りながら、スペースのあるサイドへ展開してゴールを狙う。そのため、両サイドにいる選手はフリーマンとしてプレーすることで、中央で作ってサイドへ展開し、シュートへ繋げる流れが意識することができる。

4分×6セットをこなしてSSGは終了。次にフルピッチを使ったゴールキック練習へと移行。

ゴールキック練習は約10分。
・2チーム(11人/チーム)
・ゴールキックからスタート
・始めの5分はロングキックからプレーがスタート、ボールが落ち着いたところでリセットして、再びゴールキックからスタート
・残りの5分はロングキックスタートの縛りがなく、ショートパスもあり

ゴールキック練習は興味深い内容だった。近年ゴールキックのルールが変わり、PA内に味方の選手が立てるようになった影響でゴールキックの重要度が高まっている。その中で、どのようにゴールキックを上手く利用して攻めることができるか、またどのように相手のゴールキックを防ぐことができるかを向上させるような取り組みが見えた。特に選手の立ち位置は意識していて、1stコンタクトで優位になるような立ち位置であったり、セカンドボールを拾いやすくなるような選手の配置となっていた。

そして、最後に紅白戦。
・8分×2本
・試合を想定したメンバー選考(スタメンvs控え)

やはり、主力の選手たちの技術レベルは高いと感じた一方で、控えや普段出場機会のない選手たちも高いモチベーションでプレーしているように見えた。普段試合では見れないような選手たちのプレーなども見ることができて面白かった。ちなみにこの日の紅白戦はエレケの決勝点で控え組が勝利していた。


全体練習は紅白戦を最後に終了。その後、シュート練習やクロスからの攻撃/守備といったユニット練習を行うメンバーや、ジョギングなどでコンディション調整するメンバーがいた。練習後の自主練はコーチ主導と選手主導の両方があるみたいだった。

練習中のコーチングなどを見ていると背後を取って深さを出すことや、3人目がサポートに入るような意識を強調していた。また、幅をとる選手を使ってサイドを攻略してからクロスという攻撃を1つの軸としている印象があり、9vs9+2もワイドの選手をいかに上手く使ってミニゴールへ迫れるかというオーガナイズになっていた。

普段なかなか見ることのできないプロの練習だったが、練習公開日ということもあって平日の午前中にも関わらず多くのサポーターが足を運んで観に来ていた。現場はポジティブな声掛けが多く、良い雰囲気で練習は進んでいってるように見えた。

実際に足を運んでプロの現場を肌で感じることには大きな意味があると思う。臨場感や指導者と選手とのコミュニケーションの取り方、練習中のチームの雰囲気など、媒体を通じてでは伝わらないものがあるからだ。今回は指導者としてだけでなく、1サッカーファンとして充実した鹿島遠征となった。

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Gyo Kimura
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