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グリム童話を読む配信。『いばら姫』〈9〉

ドイツ語の復習のために、グリム童話を原文で読み配信する試みをしています。

今は、ディズニー映画『眠れる森の美女』でおなじみの『いばら姫』を13回に分けて読んでいます。今回はその9回目です。

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百年の眠りについたお姫様とともに、お城全体が深い眠りに落ちていきましたが、お城を囲む垣根のいばらだけは、年々、伸びていき、ついにはお城を覆い尽くすほどになりました。というのが、前回の配信の内容。そのことから、悲しい出来事も起きてしまったのですが、詳しくは、ひとつ前の記事にて。

それでは、『いばら姫』9回目の配信で読んだ部分を見ていきます。まずは原文を引用します。その下にある日本語は拙訳です。

◇ グリム兄弟の童話集|Dornröschen(9/13)

Nach langen langen Jahren kam wieder einmal ein Königssohn in das Land und hörte, wie ein alter Mann von der Dornenhecke erzählte. Es solle ein Schloß dahinter stehen, in dem eine wunderschöne Königstochter, Dornröschen genannt, schon seit hundert Jahren schlafe, und mit ihr schliefen der König und die Königin und der ganze Hofstaat. Der Alte wußte auch von seinem Großvater, daß schon viele Königssöhne gekommen wären und versucht hätten, durch die Dornenhecke zu dringen, aber sie wären darin hängengeblieben und eines traurigen Todes gestorben.
長い長い年月が過ぎたころ、またひとり王子様がやってきて、あるおじいさんから垣根のいばらの言い伝えを聞きました。そのおじいさんの言うことには、垣根の奥にはお城があり、そこではいばら姫と呼ばれるとても美しいお姫様が、もう百年は眠っていて、その姫とともに、王様や王妃様や家臣たちも皆、眠っているのだそうです。そして、おじいさんのそのまたおじいさんの言うことには、王子様の前にもすでに何人もの若者がやってきて、お城に忍び込むのにその垣根を通り抜けようとしましたが、彼らは皆、いばらの茂みに引っかかって身動きがとれなくなり、悲しい最期を遂げたのだそうです。(意訳)

今回読んだところでは、王子様がいばら姫の伝承をおじいさんから伝え聞くというかたちで、8回目の配信とほぼ同じ内容が繰り返し示されています。読み手の子ども達に、物語の時間の経過をより印象づけていると感じます。

◇ ◇ ◇

ということで、このセクションでは不明な単語はありませんでした。が、表現が気になる単語をひとつ見ていきます。

hängenbleiben|動詞
① a.(…に)付着したままである、くっついて離れない b.(…に)引っかかって動きがとれない〈先へ進めない〉 c.(…に居座って)いつまでもぐずぐずしている
② 留年する、進級できない

◇ ◇ ◇

9回目の配信にようやく王子様が現れました。この物語もそろそろ大詰めです。

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ということで、今回もよい復習になりました。次回も励みます。

*参考*
アプリ版『独和大辞典 第2版』(小学館)
池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』(講談社)

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