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【第5回だいありートーク】『劇場』

らいまる(以下R):今回は訳あってらいまる&ぐっさんの2人でお届けします!ちょっと、繁忙期に入ってしまってね…。今回は2人でお届けします!
ぐっさん(以下G):はい、ということで。今回の課題映画は『劇場』です。なんで、この映画にしたかというと、この作品が新しく公開されるということは知っていたのですが、まさかアマゾンプライムで同時に公開されるということで目についたのがきっかけ。
R:それは結構びっくりだったよね。映画自体も、大きいところというよりもミニシアターみたいなところが中心に公開されているみたいだよ。この作品のコンセプトである「劇場空間」を楽しむために、というコンセプトみたい。
G:なるほど。この映画のタイトルがなぜ「劇場」なのか、というところに繋がるね。
R:あの一つの家、部屋が彼らだけの「劇場」だったということ。だから、あのようなラストシーンに繋げたんじゃないかな。

■共感、こその反感?

G:では、早速。率直に観てみてどうだった?
R:そうだね、率直に自分の感想を言うと「興味深かったけど、面白くはなかった」って感じかな。
G:お、その心は?
R:作品の作りとか、俳優さんの演技とか、題材とか、すごく引き込まれるところはあったんだけど…。個人的にはあのキャラクターたちを全体的に自分自身が正当化したくない、というところが強くて面白いと最終的に言えなかったかな。
G:そうだね、そこは僕も似ているかもしれない。山崎賢人くんが演じた永田くんは、僕は友達にいたら嫌いになっていたタイプの人間だと思う(笑)
R:なるほどね。
G:自分のクズさ加減を、それを才能として押し付けようとする、というところというか。「自分には努力したいものとか才能があるから、こういった部分を許してくれ」という部分というか…。松岡茉優さんが演じた沙希ちゃんもそれが分かっていて受け入れちゃう。最後にその理由が語られていたけど、結局お互いが傷を舐め合っているだけ、なんだなーって。
R:そうだね。
G:でも、なんで嫌いかって、「自分もこういうところあるよなー」っていう、自分の嫌なところが永田くんと重なるからだと思う。だから見ていてちょっと辛かった。
R:うんうん。思ったのは、普通のサラリーマンみたいな安定した仕事をした人たちが観たら面白いのかな、って。全く自分たちとは違う世界の世界観だから。どっちかと言うと、自分はこの永田くんみたいな人たちに近い世界にいるというか。こういう知り合いがいっぱい周りにいて、その人たちがうまくいった試しがないから共感できない(笑)。うまくいっていない知り合いをいっぱい知っているから、それを「美しい恋愛」みたいには思えなかった。
G:なるほど。確かに、らいまるがさっき言ったみたいに、永田くんみたいな人を正当化するみたいなところには僕もちょっと違和感があって。こういったストーリーを「才能溢れる又吉さん」っていう人が書いて注目されて、名作だって言われて、どんどん永田くんみたいな人が正当化されちゃうのかーって思うと違和感があるかな。結局、最後は「一途に思い続けること」とか、「夢を追い続けること」とかが正当化されただけというか。現実はもっと厳しい、汚い世界だから。幻想だな、と思いますよね。
R:そうだね、永田くんの生き方じゃ、生きていけないもんね。
G:でも、永田くんは、自分に才能がないっていうのをどこかでわかっていたのかも。それでも「自分には才能がある」と思いたくて、惰性かもしれないけど誰かには認めてもらいたくて、そこにすがり続けるという。その人間の弱さ、というか葛藤というか。そういう姿はすごくうまく表現されていたよね。
R:それは共感できるよね。自分に才能があるかどうかなんてわからないから。だからこそ、永田くんみたいにはならないように、って思う。

■ラブストーリーとして

R :あと、個人的には恋愛物語にしなければ面白かったのかな、って。
G:え、でもそこはこの物語の根幹では?
R:そこをサブにして、永田くんがこう言う状況からどうやって夢を叶えていくのか。この作品は二人の関係性だけを追った、真っ直ぐなラブストーリーに仕上がっていたけど、こんなに何も頑張れない永田くんをずっと好きでいられるこの子(沙希ちゃん)はなんでなんだろう、って疑問に思っちゃった。魅力が薄れてしまったかな、と。それは恋愛に振り切りすぎたからだと思って。途中からは「早く別れろよ」って思っちゃったもん(笑)
G:確かに!
G:行定監督が描く下北の雰囲気も良かったよね。作品の雰囲気は好きだった。
R:さっきの話の続きだけど、純粋な恋愛映画なんだよね。それをキスシーンとかもなく描いたという。
G;確かに、そういうシーン一切なかったね。
R:そうそう。変にそういうったいやらしいシーンとかを無くして彼らの純粋にお互いを想う気持ちを描きたかったんだな、って。
G:なるほど。
R:まあ、でも、ウイイレを朝4時までやるやつなんて、「マジないな」って感じだけど(笑)
G:友達としては嫌いな部類(笑)
R:俺はね、そういう友達は好きではないけど、嫌いじゃない。むしろたまにご飯とか行って喋りたい(笑)
G:僕は多分、一緒にいるとある意味「羨ましい、ずるいな」って思っちゃうんだと思う。自分にはああいう生き方ができないから。だから一緒にいたくない。僕もできることならこうやって生きてみたいと思うし。だけど、自分の生き方はそうじゃないから、一緒にいると嫌だって思う。
R:なるほど。むしろ俺はそういう人と一緒にいると楽しいと思う。変わってるから(笑)ご飯に行って、「お前ほんと馬鹿だなー」って直接言う(笑)

■松岡茉優という才能。配役の印象は?

G:声を大にして言いたいのは、ラストシーンは最高だった!松岡茉優さんの演技には引き込まれましたね。最後の最後に沙希ちゃん側の想いを吐き出した。自分も女優に憧れて東京に出てきて。自分も蔑ろにされているのもわかってるんだけど、ずっと自分の夢を諦めきれなかったから、自分の夢を永田くんに重ねながら、自分を押し殺していたんだな、って言うのがすごく伝わるラストシーンだった。
R:確かに、松岡茉優さんの演技は凄かったね。環境とか、人との出会いで成長していくと言うのがすごくうまく表現していたよね。お酒に飲まれていくシーンとかね。
G:完全にヒモ男を作り出してしまう女性というか。でも、ああいう女性って知り合いにもいますよね(笑)
R:いるね(笑)
G:ちなみに、配役についてはどうだった?気になる人いた?というのも、僕は永田くんの同級生がいい味出してるなーと思って調べたら、寛一郎くんっていう、佐藤浩市さんの息子さんだった。
R:へー、そうなんだ!俺は、一緒に劇団をやっていて、後々ライターをしていた女性が気になった。
G:あー、伊藤沙莉さん。こう言う人いるなーって感じだったよね。
R:そうそう、すごい「こういう人いるいる!」って、いい味出してたと思う。
G:この人、『全裸監督』にも出てくるよね。そのイメージが強くて(笑)
R:最近CMでもよく見るね。
G:井口さんはちょっとなかったかな(笑)

■下北沢

G:最後に、下北ユーザーとして、このように馴染みの街が舞台となっている映画はどう?
R:いいよね、やっぱり。「あ、今のはあそこだ」みたいな。同じく下北に住んでいる知り合いにこの映画を紹介して、盛り上がったよ。
G:こういう題材の作品で下北って場所を選ぶあたり、また下北沢っていう街のイメージを作り上げてるよね。
R:そうだね。
G:でも、こういう雰囲気って、「若かったなー」で終わっておきたいっていうのもあるなー。
R:確かに、そうかも。

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■編集後記

意外にも?お互いマイナスな印象が強めだった今作。
ただ、後出しジャンケンにはなるけど、見ておいて損はない作品だと思います。
「あれ観た?」「観たみた」って言ってマウント取れるような作品であることは間違いないはず…(笑)

最近、映画にさける時間がますます減ってきてしまったなー…。

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