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ぐん税ニュースレター vol.33 page01 -ご挨拶-

 皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 4月号に引き続き、シドニー旅行で気づいたことを書きます。UBERが発達していてタクシーやレンタカーが少ないことのほかに、自動車に関してはもう一つビックリしたことがあります。なんと高速(有料)道路の料金所がないのです。有料道路は多くはないのですがシドニーなどの都市部のトンネルや橋、環状線など、便利な道路は有料道路とか高速道路になっています。料金所がないので「無料なの?」って一瞬思いましたが、実は高速(有料)道路を通過した際、監視カメラにて車のナンバープレートが確認され、そこから車両の所有者を特定して所有者に対して請求が来ます。料金所を意識せずに普通に道路を走行できますので、料金所での渋滞はありません。TOLLと書いてあるそうですが、僕はどこからが有料道路なのか全然わかりませんでした(汗)。
 料金の支払いはネットで支払う(Linktが簡単)方法とe-TAGで支払う方法があり、ネットで支払うにはアプリに車のナンバーとクレジットカードを登録するだけです。e-TAGは日本のETCと同じシステムで車に送受信機を搭載して自動で課金されるシステムです。レンタカーには設置されていますので車両返却後にクレジットカードにチャージされます。e-TAGの方が通行料金が安いようでこちらが主流のようですが、都市部に住んでいない人は有料道路を使わないのでe-TAGを設置していない車両も多く、そういう人はネットで支払うことになります。利用から3日以内に支払わないと督促状が来て多額の手数料(延滞金)を納めないとなりません。
 これを聞いて、なんで日本ではできないのって思いませんか?オーストラリアだけでなくシンガポールでも料金所は一切ありません。アメリカでも料金所はどんどん撤廃しているようです。練馬の料金所の渋滞なんとかならないの?とか、なんでETCレーンにはバーがあってETCカードが入っていないとバーが開かないので20キロ以下で走行しなければいけないの?とか。(そもそもなぜETCカードなんて奇妙なものが必要なのか、クレジットカードではダメなのか意味不明。ETCカードの統括機関は一般財団法人ITSサービス高度化機構です。国土交通省の天下り団体です。そう利権ですね。)。ETCを普及させるために補助金を使ったので現在ではETCの装備率は9割だそうです。日本のETCは最新型のものであれば180キロで走行しても機能するそうです。それなのにETCバーが必要なのは次のような理由が考えられます。

  1. NEXCOの余剰人員対策(料金所の雇用維持)

  2. 料金不払い車両への徴収の手間がかかる(個人情報漏洩反対と立憲民主党などの左翼が大騒ぎするので、車両ナンバーから所有者情報を入手することが難しい、所有者と運転者が違う可能性もあり、自動的に所有者に請求ができないなど)

  3. 料金所撤去のための工事費

  4. ETCを持っていない一般車両への気遣い

どれもくだらない理由だと思いますが、これらの理由でETCレーンにバーが出来て、バーが開かないと事故が起きて、それが理由で20キロ制限、それで料金所渋滞が年中起きるという悪の循環が続いています。
 道路公団もNEXCOに民営化したのですから、NEXCOは自分の利用者の利便性を優先しなければならないのですがNEXCO自身の利益しか考えていません。一方で道路行政は政治家が頑張らなければなりませんが、道路を作ることには熱心でもこのようなETCの高度利用化は利権にならない(むしろ利権が減る)ため、動きは鈍いです。有権者が政治家を賢く選ばないとこういった不効率な経済慣行は温存され、既得権益を持っている人がおいしい思いが末永くできることになります。

 ちなみに、オーストラリアではスピード違反の罰金徴収も自動化でした。運転をしてくれた友人のところに、警察からメールで突然640ドルの罰金通知が来たそうです。どこでオーバーしたのかよくわからないし、10キロオーバーで640ドル(約55000円は高いって嘆いてました。料金不払い車両にもメールで督促をして強制的に支払わせることができれば料金所なんか不要ですね。ナンバーから所有者を割り出して通行料も罰金も払わせればいいという、オーストラリア方式を採用すればいいのにと思いました。

 日本の政治は全体効率よりも少数意見を重視しすぎだと思います。少数意見を尊重しろとヒステリックに叫ぶのは立憲民主党など旧社会党系の左翼です。個人情報保護法やスパイ防止法などの立法化には必ず左翼が邪魔をして国益を害することばかりしています。また総背番号制や住基カードに反対してきた左翼勢力については呆れるばかりです。総背番号制がないためにどれだけ不効率な行政になっているか。生活保護や医療保険の不正受給が後を絶たないのは、個人番号による一元管理ができてないからです。総背番号制は昭和50年代からあったようですが、朝日新聞をはじめとする左翼メディアが個人情報を政府が一元的に管理することになるとか言って、猛反対をしてきました。ところが、消えた年金問題が発生すると管理が不十分だとの大合唱。左翼陣営って呆れるほど馬鹿としか言いようがありません。
 この左翼のバカな少数意見を尊重するという主張に乗っかって利権を貪る政治家や企業があることも事実です。道路公団はNEXCOになりましたが、まだまだ道路公団ファミリーは健在です。SAも良くなりましたが、テナントは限られた企業かファミリー企業だけです。料金所で雇用をすることで労働組合とか左翼政党にいい顔をしたいという大人の事情もあるでしょう。ETCを持っていない一般車両への配慮というのは、持たない権利もあると主張する左翼勢力への遠慮かもしれません。結局、渋滞の原因となった料金所を維持して、雇用を確保しても高速料金に上乗せすればいいので、道路公団には料金所を撤廃する理由がありません。
 少数の左翼と既得権益によって、大多数の国民が不便を強いられているというのが、日本の経済停滞の原因の一つではないかと痛感しました。

ぐんま税理士法人
代表社員 小林浩一

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