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「美味いもの」って何だろう?

とても久しぶりの投稿です。
今回は(近況報告でもするのかと思いきや)ふと「美味いもの」って何なのだろうと思ったので、考えていたことをザーッと書きます。

なぜこの投稿をしようと思ったかというと、先日僕が運営しているコミュニティWeFarm...のイベントで、この「美味いもの」とはどういうものなのか考える機会があったからです。このイベントでは「東京野菜を食す」というコンセプトで、よくお世話になっている(お手伝いなどでお邪魔している)都内の生産者3人をお呼びして彼らの作ったお米や野菜を学生のメンバーを中心に料理し、みんなで食卓を囲いました。

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皆さんは「美味いもの」と言われると何を想像するでしょうか?
高級料亭で食べたあの料理が美味しかったという方がいれば、おばあちゃんの手料理が美味しかったという方、ラーメンが大好物である方、みかんが大好きな方など、人それぞれの答えが出てくると思います。

僕は、今回のイベントで食べた野菜を「美味い」と感じました。
これはなぜでしょう?

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答えは簡単です。
その食べ物に付随する体験を僕がたくさんしているからです。

これまでにこの野菜を作っている生産者の畑にこれまで何度も伺っていて、彼らと近い距離感で会話もしているので結構多くの情報を知っています。

例えば、どんな畑で、どこに栽培のこだわりを置いている、といった視覚的・聴覚的な情報。それだけではありません。この野菜は最初豆粒くらい小さな種だったとか、どんな人が何を考えてその土地を耕してるとか、繁忙期に睡眠をかなり削ってたとか、この前の台風は作物が心配で寝られなかったとか、比較的リアルなことも知っているんですね。

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いろいろあって、最終的に彼らが数ヶ月(長いと年を超えることも)もの歳月をかけて生み出した生産物こそがこの米や野菜だということを時間軸でも知っています。

それを知っていながら、
できた生産物を彼らや関わってきた人たちと一緒に食らう。
これが「美味い」んですね。

素材を最大限に生かす調理方法はもちろん超大事なんですが、
正直ここまで知ってしまって食うと、(変態的だとは思いつつ)極端に言うともう何でも美味いんですよね。いや、美味くないわけがないんです。

さて、ここで最初の「美味いもの」の話に戻りましょう。
なぜ皆さんがその食べ物を好きなのか、ちょっと考えてみてください。
きっと皆さんはその食べ物に関わる何らかのエピソードを過去に持っているのではないでしょうか?

幼少期に親に連れて行ってもらった観光地で食べたとか、初めて一人旅をした旅行先で食べたとか、昔大好きだった人と海を見ながら食べたとか、そんなことかもしれません。

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何が言いたいかというと、
「美味い」はその人の感情が満たされた時に感じるものなんですね。
山登りをして頂上で食べたおにぎりが美味いとか、海の家で食べるラーメンが美味いとかこれらの現象もきっと同じような状況でしょう。

するとどうでしょうか?もう、栄養素が入ってるからどうだとか、低カロリーだとか、糖度が高いとか、これが大人の味だと誰かに言われたとか、
よく言われるような話はほんの一部の側面でしかないということが分かってくるかと思います。

野菜たちからそんな気づきを得ました。
「食のエンタメ化」みたいな言葉を聞くことがありますが、本来的にはこんなことを意味するのではないでしょうか。

今回僕が得られた感覚は、東京のオフィス街を満員電車で行き来して、食材はコンビニやスーパーで買って食べるだけの生活をしていたら絶対に得られることのなかったものだと思います。この感覚を大切にしたいです。きっとこの感じ方はその人の出自や性格などによって随分異なってくることでしょう。

今回のテーマに派生して食と農の繋がり、食育とかにも興味が出てくるので、また気が向いたら書こうと思います。

※ただし!
「美味いもの」と、「本当に体にいいもの」「自然本来の味」「食に通な人」「体が必要としているもの」とかの話になるとまた別軸で議論が必要なので、勘違いしないでください。「美味いもの」が必ずしも体にいいとは限らないということです。「美味い」という感情も多様なものなんですね。

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