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VERBE〜動詞的な日常

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「動詞としての文化」とは何かの考察
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2023年2月の記事一覧

僕らは結局弱みを克服できない

日曜は簡単に。

長田での疲れをゆっくりと癒しながら、会議や他のイベント事を調整していた。見逃していたバラエティや土日のスポーツ中継を流しながらなので、かなり不真面目に、それでも必要なことをこなしていった。

仕事(研究・教育)の中にはどうしようもない弱点がある。遊びになると不真面目に望むので、自分の良いところしか見えない。

土曜日のリーグワンではライナーズがまた悲惨なことになり、J1ではセレッ

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「際」に集い、創造をする

久しぶりに動けないほどの疲労感で、今日の予定をすべて調整し直すことにした。疲労の元は二日間行われた「未来の学びと持続可能な開発・発展研究会(以下:みがく研)」の年次大会である。

年次大会が神戸市長田区で開催されたのでオンサイト(対面)で参加したのだが、家庭の事情もあり、子供を同伴することになった。初日の長田のフィールドワークを子連れで行い、二日目は単独での参加が可能となったので研究発表を行ったの

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名詞=数字を超越する動詞

お久しぶりですヨドコウ桜スタジアム。

毎回、日常のエンジンが定まるまで開幕数試合はリモート応援なのだが、今回は時間も取れそうだったので、セレッソ大阪対アルビレックス新潟の開幕戦に行ってきた。

今季のセレッソはジョルディ・クルークスやレオ・セアラといった充実の補強の一方で、ジェアン・パトリッキを失っている。その状況で香川真司の復帰が告げられた。大阪に来てからセレッソを応援した僕は、香川のセレッソ

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神秘の対象の過剰性

今日は研究会で来月末に出る論文を題材に発表をした。プルーストとボードレールを巡る論考であり、博士課程まで取り組んでいた課題を国際文化学に流し込んだものだ。

ボードレールの詩の中でひときわ有名な作品が「通りすがりの女(ひと)に」である。今引用をネット検索したら、過去の自分の論文がヒットしたのでリンクを貼っておく。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ellf

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文化と文化の衝突、そしてその背後に潜む普遍性

プロレスリングNOAH大阪大会でGHC王座を防衛した清宮海斗をオカダ・カズチカが急襲した。

1月のNOAH×新日本プロレスの対抗戦で、清宮の顔面蹴りを受けたオカダが激怒し、リング下で乱闘を繰り広げ、二人の対戦が決定する。しかしオカダは清宮を格下扱いする態度を変えず、試合のボイコットを公言した。このオカダの行動に、プロレスファンたちは今後の展開を想像することになる。その中で目立ったのは「清宮が新日

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地域からウェブに繋がる

日曜は軽めに。

帰省のあいだは雪遊びをし、郷土文学館に行き、子供と弘前市民会館にコンサートを聴きに行った。

弘前市民会館は音響が良い。弘前大学在学中にカウント・ベイシー楽団を聴きにいって以来だろうか。

家族と弘前で時間を過ごしながら、ネットで仕事をしていた。実家にはWi-Fiがないが、携帯電話とテザリングで科研プロジェクトや学内業務を進めていく。Wi-Fiがない環境であっても、ぎりぎりの仕事

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久しぶりに雪に触れる

故郷の記憶は幻想が入り混じるが、その一方で自分の生きてきた時間は確実に存在する。その時間をありありと甦らせたときに、僕は過去をもう一度生き直すことができる。

まさにプルーストの命題のように、我々は肌に触れる感覚によって過去を取り戻す。

雪が降り、空に目を向ける。そういえば過去にもこのように雪に顔を晒した。雪の感覚は過去を甦らせる。そして自分が過去を取り戻すときに、今の記憶を紡ぎながら雪で遊ぶ子

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郷土の詩と象徴性

弘前の郷土文学館に行ってきた。

事前に話を通していたおかげで、職員の方に津軽の文人の系譜をご説明いただいた。陸羯南から福士幸次郎へと受け継がれた文学は、そこから様々な郷土の作家との交流につながる。その過程で方言詩が生まれた。高木恭造や一戸謙三はその代表格だ。

さてその詩作品だが、実際にゆっくり読んで見て大きな違和感を覚えた。

我々が「標準語」と呼ぶのは「共通語」のことであり、明治期に「各地方

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自分の身体の処理を巡る社会的問題

オゾンの新作が梅田に来ていたので鑑賞してきた。

脳卒中で身体に麻痺が残った老父がスイスで安楽死することを希望し、ソフィー・マルソー演じる娘がその望みを叶えるために奔走する。

安楽死に関する是非には立ち入るつもりはないが、映画を通じて「身体を持った人間が死を選ぶことの困難さ」を実感せざるを得なかった。老父の「奔放さ」が通用するのはその身体が及ぶ範囲であり、満足に動かない状態では家族がその行動を肩

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おそらく他者は真似のできない角度で

日曜は軽めに。

今日も近鉄ライナーズは負けた。

リーグワンのトップであるDivision 1はAとBの二つのカンファレンスに分かれている。パリーグとセリーグのようなものだ。ライナーズはBの最下位だが、現在の交流戦でAの最下位である静岡ブルーレヴズと試合をし、今日も負けた。

2022シーズン6月、FC大阪が花園ラグビー場第1スタジアムを使用したところ、一部ラグビーファンから批判の声が出た。それ

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ビッグデータの類型を逃れる

学内業務と学会の仕事が束になってやってきて、さすがに目の前が暗くなった。一日かけて仕事を整理し、なんとか道筋を作る。仕事を生かすも殺すも自分でしかない。

人間の能力に差異がない以上、「代わりはいる」のが真理である。SNSを開くと、僕の履歴が特定の宣伝を表示させる。宣伝がオーダーメイドであり得るわけがないゆえに、僕と似たような履歴を持つ人間が同じ宣伝に晒される。ウェブに集積するビッグデータは僕の類

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メディアとしての記憶

飲み会をしたり仕事をしたりしていたら三日くらい更新を忘れていた。義務は自分の中に作るものであり、誰も気づきはしないのだから、自分が思い出すしかない。継続の切断は「待っているのが自分」という真理を教えてくれた。

さて、話題の作品を鑑賞してきた。

この映画で気になったのは「メディア」である。

そういえばこの作品は上映時間の関係で「あべのアポロシネマ」で鑑賞したのだが、ここに来るのは『君の名は。』

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