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【詩】慧白



遠い遠い
果てに見える
君の理想に
完膚なきまで
やられて


崩れかけた
現実は
裏腹に
忙しなく
進んで行く


仄暗い
影で償う
日々の生活に
対価は無い
あるのは


大きく積もる
感情を
冷めたふりして
払い除ける
日常


頂きの限界迄
登る昇る
知っている
その先はもうない
後ろにも誰も居ない


どんどん大きく
肥大して行く
締まりの無い
身体は限界を示す
精神すら蝕んでゆく


そんな旅途中
嶮しい闇でさえ
君の声は通り
私の記憶で
響き渡る


本の中みたいに
綻ぶ命の繋がりを
丁寧に手繰り寄せ
縫い合わせては
一つに成る物語


心を透かす
切実な想いや
潤む瞳が
訴え掛けている
超えて行く意識


あなたなら
この世の終わりと
始まりなら
どちらが
観たい


正解などない問いに
選択を誤っても
続くのを知っていた
私は迷いなく
どちらかを選ぶ


すると変わらない
そう思い込んで居た
目の前が開き
輝きで目が眩み
ただそこに立ち竦む


今どこに居るのか
わからないが
私はやっと紡ぎ出す
未来へと確実に
子供の頃と似ていた


微かに聞こえている
声を頼りに
いつもの場所から
知らない所までを
通り過ぎて行く


銀河の果てに
導かれるままに私は
変わらないままではいけないと
流れて行く様に進んで行く
あなたの声のする方へ


いつまでも続く様に
手を合わせて
願い叶う様に
心に誓った言葉達
今はそれが宝物


過ぎて行く全てのものに
見え隠れするけど
大切だと気づかない
変わらないままの時を
刻んでは進む


澄んだままの
湖の畔には
散って行った
星々がポツリ
寂しそうに


知らないまま
忘却した
記憶の欠片を
抱き抱えている
何時迄もあの頃を


もう良いのに
このまま進めば
いつか逢えるから
またいつもみたいに
そこで話そう


下らない事も
素晴らしい事も
同様に自ずと
希望に見えて来る
変わりゆく証があれば


全てが決定すると
深々と夜は更け
明日の日差しを夢に
目を閉じ眠る
私はもう知っていたのだ



















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