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GC_#03|読書の秋到来!この秋に読みたい環境をテーマにした小説・エッセイ・絵本

GTFグリーンチャレンジデーは地球環境や生物多様性を意識するためのチャレンジを応援する日として、毎年秋に新宿御苑で開催している環境イベントです。このGC(グリーンチャレンジ)シリーズでは、環境問題に対する意識を高め理解を深めるため、イベント開催に先駆けて環境に優しい取り組みやサービスをご紹介していきます。

9月に入りぐっと気温も下がり秋めいてきました。今回は環境をテーマにした小説や絵本をご紹介します。世界気象機関(WMO)の50年を対象とした調査により、1970年から気候を原因とする災害の数が5倍増加したことが明らかになりました。「環境問題」と聞くと難しく考えてしまう人もいるかもしれませんが、小説や絵本などのエンターテイメントの力を借りて学んでみませんか?秋の夜長におすすめです。

小説|シャングリ・ラ(池上永一 

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温暖化と炭素経済に支配された東京を舞台に物語が展開します。2004年に発行された本ですが、地球温暖化が加速し豪雨や超大型台風など、度重なる自然災害に見舞われている今の日本を描写したようなSF小説です。貧富格差が拡大し、為政者における利権争いなど、今も社会が抱える問題が多くテーマに盛り込まれており読み応えのある1冊です。

本作はアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』に2004年4月号から2005年5月号まで連載され、漫画化(2008年)・アニメ化(2009年)もされており、小説が苦手な方はそちらもお勧めです。

"炭素税、東京オリンピック、豪雨災害、何となく今の時代を先取りしたような単語が出てきてドキッとしました。 舞台は森と化した東京。政府は豪雨災害を避けるため高層都市アトラスを建設中。緑化した東京にはアトラスへ移住できない難民達。反政府組織に所属する女子高生、ニューハーフ等キャラの濃い人物達が奮闘する。 グロテスク・ファンタジーな部分もあり、キャラの濃さとアトラスに秘められた闇の伏線回収が見事。分厚いのに一気に読めました。(金時 2021/03/07)" from 読書メーター
"池上永一作品は初めてで長編だったが、物語の展開が速く、面白かった。 登場人物が個性的で、特に小夜子がすごかった。 炭素経済という概念も面白かった。 アニメ化もされているようで、他の作品も読みたいと思った。(Ryuji Uchiyama 2020/04/30)" from 読書メーター
"やっと読了!いやぁ、長かった。池上永一さんは〝テンペスト〟に次いで2作目。まさかこんなはちゃめちゃな物語だったとは。石油や金ではなく炭素が経済を動かすようになった未来。巨大な人工建造物に住む人々と、二酸化炭素削減のために森林化した東京に住み続ける人たち。経済戦争、超未来兵器、スーパー女子高生、マッドサイエンティスト、暴走する遺伝子改造植物、日本創世神話、そしてすべてを超越する力を持つニューハーフ。これらが津波のように次から次へと襲ってきて、玩具箱をひっくり返したようなストーリー展開。読了には体力が必要。(タルシル・ヨムノスキー 2020/03/11)" from 読書メーター

~あらすじ~

加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかし、そこに生まれたのは理想郷ではなかった!CO2を削減するために、世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を生み出すようになった。一方で、森林化により東京は難民が続出。政府に対する不満が噴き出していた。少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、格差社会の打破のために立ち上がった。

作者:池上永一
出版社:角川書店
発行年:2005/09/22
定価: 1,995円(税込/単行本)|968円(税込/文庫本1冊あたり)
ISBN:9784048736404
作品詳細:シャングリ・ラ(外部ページ)

小説|恐怖の存在(マイケル・クライトン)

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『ジュラシック・パーク』の原作者で有名なマイケル・クライトンの小説。地球温暖化をテーマに「何が本当に正しいのか、本当の恐怖の存在は何か」を問いてきます。2004年に執筆された小説なので地球温暖化に関する資料は古いですが、環境問題を考える上で一度違った視点から考えることも大切かもしれません。

"医学博士でもあった作者が、「地球温暖化」について本書中に取り上げたたくさんの資料。それがもし事実だとしたら、主人公同様、私の中にあった地球温暖化における「常識」が全て覆されることになる。その常識というのは、ただ単にマスコミなどの情報を丸呑みにしていただけだった。自分自身のうかつさと同時に、世界の二重三重の仕組みにもぞっとする。何が真実で何が嘘なのか。世界の重大な問題提示をエンターテイメントに持って行く作者の手腕にも脱帽。とても興味深く面白いのだけれど、後半を読むのが怖い気もします。" (白のヒメ 2015/02/20) from 読書メーター
"書店で平置きしてあるのを見つけて迷わず購入しました。2年前に話題になった時に読み損なっていた、クライトンの著作。今読むと、尚の事“地球温暖化?”というテーマの着眼点は、見事だと思います。
少々強引なストーリー展開は、エンタテイメントとして軽く流しつつ、“恐怖の存在”がどこにあるのかを、現実世界で考えてみるのが、この著作の楽しみ方なのかもしれません。下巻269ページまでたどり着くと、思わずぞっと・・・する方も多いのでは。この時節柄、SFやミステリーファンならずともお勧めの作品です。" (きょうパパ 2008/09/08) from Amazon Review

~あらすじ~
平均海抜1メートルの島嶼国家ヴァヌーツは、水位の上昇によって居住地が失われることを恐れ、地球温暖化の元凶として、最大の二酸化炭素排出国アメリカを提訴すると発表した。これを受け、環境保護団体NERFは提訴の支援を表明する。それから数カ月後、世界各地で怪しげな男たちが暗躍し始めた。さらに、訴訟の費用を全額負担する富豪モートンが突然失踪し、顧問弁護士エヴァンズの周囲で不審な事件が続発するが…。

作者:マイケル・クライトン
出版社:早川書房
発行年:2004
ISBN:978-4-15-041146-6

エッセイ|アファンの森の物語(C・Wニコル)

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1962年、著者のC・Wニコルさんは空手修行のために初来日します。日本で出会った美しい自然と、自然と共に生きる人々の暮らしに憧れ、1980年に長野県の黒姫に移住、86年から荒れ果てた里山を購入し、「アファンの森」と名付けて森の再生活動を始めました。この本にはC・Wニコルさんがアファンの森とこれまで歩んだ軌跡が綴られています。

”森の大切さを 改めて認識しました。 ニコルさんの 日本の自然に対する深い愛情。 頭の下がる思いです。 私たち日本人は 何か 大事なものを
失くしてしまっている、そんなことに気づかされます。”(2014/03/25)from 楽天ブックス
"先日C.Wニコルさんのお話を聞く機会がありました。とても良かったのでもう少し知りたいと思い探していたところこの本に出合いました。稀有な存在です。
もっと自然や森や海や地球全体を大切にしないといけませんね。そこから人類は生まれてきたのですから。(ひつじ日和  2019/05/27 )" from Amazon Review

~あらすじ~
日本来て初めて、
古代からのブナの森に
足を踏み入れた著者は、
感動のあまり涙を流す。
以来50年、
彼は日本の自然を守るために戦い、
理想の森「アファン」をつくり上げた。
これは、C・Wニコルから日本人への
「心の贈り物」の物語である。

作者:C・Wニコル
出版社:アートデイズ
発行年:2013/02
定価: 1,540円(税込)
ISBN:9784861192081
作品詳細:アファンの森の物語(外部ページ)

絵本|ペンギンかぞくのおひっこし(刀根里衣)

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小さな子どもにもわかる環境を考える絵本

イタリア在住で、世界で活躍する刀根里衣さんの新刊絵本。地球温暖化をテーマに住処を追われたペンギン家族が次の住処を求めて旅する物語です。物語に登場する84羽のペンギンは、1997年に開かれた地球環境を考える国際会議で採択された京都議定書に署名した84か国を象徴しています。

小さな子どもたちにも理解できる言葉で環境問題について語りかけます。

"親子で感じて考えていきたい話。
温暖化や温室効果ガスの問題を,小さい子でも何か感じられるようなお話になっていました。地球には人間以外にもたくさんの生き物がいて,人間の生活が及ぼす数々の問題がそれらの生き物達が住みにくい地球を作ってしまっている,改めて感じました。イラストは大人が見ても素敵なイラストで,ぜひ親子だ読んで色々感じて考えたい絵本に思いました。(まゆみんみんさん 30代  兵庫県 女の子6歳)" from EhonNavi
"絵が訴えてきます
ペンギンたちが、住めなくなってきた北極から素敵な場所を求めてお引越しをします。西へ行っても東へ行っても荒れ果てた森に工場の煙に覆われた場所。とても悲しくなりました。絵がとてもきれいで、言葉以上に伝わってくるものがありました。ペンギンに、「この地球には、ぼくたちの住める場所はもうなくなってしまったのかな」なんて言わせない、美しい地球を守っていきたいな。って思える、素敵な絵本でした。(みっとーさん 30代 滋賀県 男の子5歳、女の子4歳)" from EhonNavi

~あらすじ~
ペンギンの家族は、住んでいる氷が狭くなってきたので、もっとすてきな場所を探してお引っ越しすることにしました。
「南の方にきれいな海があるって聞いたよ!」
「よおし、いってみよう」
ところが、そこには、真っ黒な海しかありません。
「北の方に・・・・・」
どこに行っても、すてきな場所は、どこにもありません。

さあ、ペンギンの家族は、どうするのでしょうか?
住むのにぴったりなすてきな場所を見つけることができるのでしょうか?

作者:刀根里衣
出版社:小学館
発行年:2017/3/2
定価:1430円(税込)
ISBN:9784097266303
作品詳細:ペンギンかぞくのおひっこし(外部ページ)

絵本|プラスチックのうみ(ミシェル・ロード)

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プラスチックごみの海洋汚染を考える絵本いろいろな形の製品を安く作ることができて便利なプラスチックは、1950年代ごろから、わたしたちの生活の中に急速に普及してきました。しかし、このプラスチック、微生物に分解されて自然に還るものではなく、半永久的に存在するので、ごみになったときに大きな問題を生んでいます。
 世界中で毎年800万トンものプラスチックがごみとして海に流れ込み、海にすむ生き物たちを傷つけたり、命をうばったりしています。そしてこのままだと、2050年には、海に漂うプラスチックごみの重さは、海にすむ魚の重さよりも重くなると言われています。
 
 この絵本では、人間が出したプラスチックごみが、どのように海を汚し、海に暮らす生き物に影響を及ぼしているのか、そしてきれいな海を取り戻すにはどうしたらいいのかを、美しいイラストと分かりやすい言葉で伝えます。
 さらに巻末では、様々な角度から、プラスチック海洋汚染について解説し、今すぐわたしたちができることを、一緒に考えていきます。翻訳は当時小学5年生だった川上拓土くんが担当しています。 

"分かりやすく海洋汚染について書いてあり読みやすかったです。子どもと一緒に今後の過ごし方について話し合う良いきっかけになりました。(40代 女性 10歳男の子2021.8.27)" from 小学館HP
我が子に英語を身に付けさせたい…と考える中で、川上拓土くんに興味をもちました。また、小学校教諭をしているため、SDGSを校内で広めることはできないかと考えていたところに、拓土くん家の英語メソッドでこの本のことを知り、購入させていただきました。 拓土くんの訳というのも驚きですが、こどもたちに海のプラスチックごみについて考えさせ、SDGSに興味をもってもらう良いきっかけになると感じました。(30代女性 3歳男の子2021.8.9)from 小学館HP
作者:ミシェル・ロード
作画:ジュリア・ブラットマン
翻訳:川上拓土
出版社:小学館
発行年:2020/6/5
定価:1650円(税込)
ISBN:9784097250579
作品詳細:プラスチックのうみ(外部ページ)

(おまけ)小説|日本沈没(小松左京)

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環境問題がテーマではありませんが、「自然と共存すること」をテーマにした一冊を紹介します。日本沈没は1973年(昭和48年)に刊行された小松左京による日本のSF小説です。これまでに何度も映画化やドラマ化されていますが、2021年10月よりTBS「日曜劇場」で再ドラマ化されることも決定しています。

太平洋にあった無人島が一晩で沈む。深海潜水艇での調査で海底の異変に気づいた研究者たちがタイトルのような結論に至り、日本列島は地震や噴火などの災害に次々見舞われていく。そんななかでも多くの人はそれに慣れてしまう。逐一細かく描かれることで、東日本大震災はもちろん、数々の台風や豪雨による災害、そして現在のコロナ禍を思わずにはいれない。とくに、大災害を経験した人々が用心のために始めたものの光景は、マスク姿の人々が歩く今の様子を重ねずにはいられない。色々難しいところもあったけど何とか読み切った感じ。早速下巻へ。(れみ 2021/08/30 )from  読書メーター
47年前に書かれたにも関わらず、すごく身近に感じながら読めたことに感動。 ただ前半の、「日本沈没」というワードを恐ろしくて口にできない「名前を言ってはいけないあの人」的なヴォルデモート状態の時は、読んでも読み進んでる気がしなかった、、、 中盤以降は日本の行方がどうなるのか気になって、どんどん読めた。 当たり前だと思ってる日々の暮らしを大切にしないといけないと考えさせられた。(キュウ 2020/05/29) from 読書メーター

~あらすじ~

伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。

作者:小松左京
出版社:光文社 カッパ・ノベルス
発行年:1973年(昭和48年)
定価: 628円(税込/小学館文庫/上下巻各1冊あたり)
ISBN: 4094080651
作品詳細:日本沈没(外部ページ)

【イベント情報】GTFグリーンチャレンジデー2021 in 新宿御苑

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地球環境や生物多様性を意識するためのチャレンジを応援する日として、毎年秋に新宿御苑で開催している環境イベント。今年は新型コロナウイルス感染症予防の観点から、11月6日・7日の2日間オンラインで開催いたします。

イベント期間中、新宿御苑中央休憩所・イベントスペース「MuSuBu」@白金台にポップアップ会場をオープンします。ポスター展や物販など環境に優しい企画をたくさんご用意してお待ちしております。お近くに来た際にはぜひお立ち寄りください。

イベント詳細
日程:2021年11月6日(土)・7日(日) 10:00~16:00 両日とも
参加:無料
会場:①
オンライン(メイン会場)
   ②新宿御苑中央休憩所(ポップアップ会場)
   ③ポップアップ型ショールーム「MuSuBu」@白金台
参加:無料 
URL:https://www.gtfweb.com/gcd2021/

文責:イリオモテヤマネコ

「祭り」の伝統を次世代に繋ぐため、裏方として活躍するヒトやモノのストーリーを発信していきます。頂いたご支援は祭りの伝統を繋ぐ人たちへの取材費とさせていただきます。