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歌舞伎町に来る人はどこで働いてる? 来訪者の”勤務地”ランキング調べてみた(東京23区編)

こんにちは。アライアンスビジネス営業部の池畑です。

先日当社のユーザー様限定セミナーにて、

【自主調査】来訪者の勤務地を探れ!
ーー歌舞伎町に来ている人は、どこで働いている人が多いのか?(東京23区編)

と題して分析例をご紹介したところ、有難いことにご好評をいただきました。

せっかくなので、今回はその内容をベースにしつつ、ブログ用に少しバージョンアップしてご紹介できればと思います。

*GPS位置情報分析システム「KDDI Location Analyzer」を使い自主調査を行いました。

*後ほど詳述しますが、本稿で指す「勤務地」とは、必ずしも実際の勤務地とは限らず、平日日中に多く滞在している場所を指しますのでご注意ください。



1.【前提】分析場所と条件

今回分析対象としたのは、下図赤枠内を訪れた人の、勤務地別、居住地別の人数(日ユニーク)です。

対象エリアは歌舞伎町一帯。南北は靖国通り~職安通り、東西は明治通り~西武新宿駅の手前まで広く囲って分析しました。

対象期間は2023年の丸1年間。平日夕方~夜間帯に訪れた人数を、勤務地ごと、居住地ごとに集計しています。
(千代田区に勤務地がある人が〇〇人、中央区に勤務地がある人が△△人…という感じです)

KDDI Location Analyzer での集計範囲設定画面

集計条件の詳細は以下の通りです。

<集計条件>
分析地:歌舞伎町(範囲は上図赤枠の通り)
集計方法:全人口推計値(日ユニーク)
データ期間:2023/1/1 ~ 2023/12/31(1年間)
日にち区分:平日
時間帯:17:00〜24:00
滞在時間:15分~300分
年代:20歳以上

※本稿で示す「勤務地」「居住地」の定義について
・勤務地:直近1ヵ月の平日昼間(8~19時)の最頻滞在地
・居住地:直近1ヵ月の夜間(22~29時)の最頻滞在地

→必ずしも実際の勤務地、居住地を示すとは限らず、あくまでGPS位置情報に基づいて上記基準で判定した推定勤務地、推定居住地となります。特に長期出張、在宅勤務などの場合は、勤務先ではなく、直近1か月でどこに最もよくいた場所が「勤務地」となりますのでご注意ください。

2.【結果①】「どこで働いてる?」勤務地ランキング

それでは早速、集計結果を見ていきましょう。

やはり足元の新宿区がダントツTOP。
2~4位は渋谷区、千代田区、港区が同水準で並び、5位に中央区がランクインしています。

やはり、オフィス街性の高いエリアが上位にランクインしているようです。

しかしこれだけですと、「単に人口が多かったり、距離が近いところが入っているだけではないのか?」という疑問も浮かんできますので、来訪者の居住地についても調べてみました。

*それぞれの地域のオフィス街性、すなわち勤務者総数については、国勢調査のデータから確認可能なので、また次回以降でご紹介できればと思います。

3.【結果②】「どこに住んでる?」居住地ランキング

来訪者の”居住地”についても同様に調べてみました。

居住地別でみると、新宿の1位は変わらないものの、2位以下は中野区、杉並区、世田谷区、練馬区・・・と先ほどの”勤務地”別とは全く異なる結果となっています。

比較的距離が近く、夜間人口(居住者の人口)が多いエリア、つまりベッドタウン性の高い場所が上位にランクインしているようです。

*勤務者数同様に、居住者総数、すなわち夜間人口についても国勢調査のデータから確認できますので、こちらもまた次回以降ご紹介できればと思います。

4.【考察】傾向とビジネスへの応用

両者を見ることで、歌舞伎町を訪れる人の動線がより立体的になりました。

夜間は中野区・杉並区・練馬区などの住宅街に暮らし、
平日日中は渋谷区、千代田区、港区などのオフィスで働き、
仕事終わりに歌舞伎町へ立ち寄る…

そんな人の流れが浮かび上がってきます。

歌舞伎町で店舗を営業したりサービスを提供する側の目線で考えると、単に居住地を知るだけでは分からなかった来訪者へのタッチポイントも見えてきました。

この動線上にジオターゲティング広告、交通広告などを設置・投下することで、来訪の可能性が高い人に向かって効果的に訴求ができます。

特に居酒屋、リラクゼーションなど仕事帰りの利用が多い業種では非常に有用なデータとなるのではないでしょうか。


以上、今回はGPS位置情報を活用して、来訪者がどこから来ているのか、勤務地・居住地別に分析してみましたが、いかがでしたでしょうか?

更にこのような来訪者居住地、勤務地データに加えて、各種公的統計データ、セグメントデータ、アンケートデータ等を組み合わせることで、来訪者への解像度を高めていくことも可能です。

今後、更なる深掘りや応用についても、別途ご紹介していければと思います。

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また、テーマや「こんなこと、こんな場所を分析してみてほしい」などご要望ございましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。可能な限りお応えしていければと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

それではまた次回もよろしくお願いします。


<今回使用したGIS>
KDDI Location Analyzer(GPS位置情報分析ツール)

*今回の分析例のように、調べたいエリアや施設をピンポイントに設定して、日本全国どこでも人流や来訪者居住地を調べることが可能です。

*無料トライアルも受け付けておりますので、会社等で人流分析ツール導入をご検討の際はぜひご活用いただけますと幸いです。


<執筆者プロフィール>
池畑 索季(いけはた・もとき)
営業歴10年、ではあるが、異業種から転職してきて日が浅く、地図情報システム、商圏分析については日々勉強中。世界史とSFとパデルと登山が好き。一周遅れてサウナにハマっている(「技研サウナ同好会」なるものにも所属)。


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