記事一覧
「PTA問題」の背景
「PTA問題」に関する取材を続けているジャーナリストの大塚玲子氏は、多くのPTAの現状を
「正直言って、今のPTAにはあまりかかわりたくない」というのが,多くの人の本音でしょう。
大塚玲子『PTAをけっこうラクにたのしくする本』2014, 太郎次郎社エディタス p.2
と指摘して、多くのPTAが抱えている問題の背景にある、以下の5つのポイントを挙げています。
○「義務なのにやらない人はズ
PTAの三つの適正化
これからのPTA PTAはいま岐路に立っています。
「世帯数の減少」と「専業主婦の減少」による「担い手不足」が深刻化することで、負担感・強制感は大きくなっています(「PTA問題」の背景)。また、ネットやマスコミの情報で「PTA問題」(「強制のないPTA」とは?)が取り上げられたことで、任意に入退会自由の団体であることは広く知られるようになりました。さらに、個人情報保護法の改正により、PTAも個人
「強制のないPTA」とは?
PTAが内包する問題は、その設立が推進された70年以上前から様々なものが指摘されてきました。しかし2000年代以降に多くの声が上がっている、いわゆる「PTA問題」とはPTAの運営・活動における「強制」の問題に尽きるといえるでしょう。
5つのPTA問題 近年のいわゆる「PTA問題」として指摘されているものは、具体的には以下の5つに整理できると考えています。
○入退会にまつわる問題
①子の入学
PTAの「強制」をなくし、さらに「強制『感』」を減らすために
近年取り上げられているいわゆる「PTA問題」とは、「強制加入」・「強制参加」という「強制」・「強制『感』」の問題であり、「強制加入」の問題の解消のためには手続きの整備を行うこと、「強制参加」の問題は「活動エントリー制」の導入で解消できることは以前に整理しました(「強制のないPTA」とは?)。
しかし、それでもゼロにはならない「強制『感』」を減らすためにはどのような工夫が考えられるでしょうか。
「強制ベース」から「賛同ベース」・「イヤイヤベース」から「やりがいベース」への転換
日本のPTAは発足以来70年以上にわたって「学校に当たり前にある団体」として存在してきました。しかし現在、PTAは「社会問題」として取り上げられています。近年取り上げられているいわゆる「PTA問題」とは、「強制加入」・「強制参加」という「強制」・「強制感」の問題であることは以前に整理しました(「強制のないPTA」とは?)。また、「PTAなんて必要ない」「そもそもPTAは必要か?」というようないわ
もっとみるPTAのアップデート
これからのPTAは「これまで通り」のやり方を変えて、アップデートしていく必要があります。それは、PTAが社会の変化に対応する必要があるからです。
PTAのアップデートが必要な理由 PTAのアップデートが必要となっている理由には、例えば以下の三つが考えられます
A) PTAの担い手の減少
B) 個人情報保護法改正
C) 「PTAは入退会自由」が広く周知・認知されてきた
A) 「活動の担い手」の
PTA「未加入世帯」をどう捉え、どう対応するか
マスコミなどで、PTAが「PTA問題」=「社会問題」として取り上げられる機会が増えてきています。PTAが「PTA問題」として取り上げられるのは、そのほとんどは「強制加入」と「強制参加」の問題に整理することができます。(「強制のないPTA」とは?)そして、マスコミで取り上げられる時には、「そもそもPTAは入退会自由の団体」という説明が大前提として広く周知・認知されてきています。
そのような中で、
PTAの活動をエントリー制にしませんか?
○ PTAの活動エントリー制ってなに? PTAの委員の選出をせず委員会を廃止し、これまで委員で担ってきた活動を全て募集で活動する運営方法で、活動参加への強制をなくすための方法の一つ。
ボランティア制・サポーター制・この指とまれ方式など
とも呼ばれています。
○ PTA を活動エントリー制にするには?⓪. メールシステムを導入する
①. PTAの全ての活動を一覧にして以下の二つに分ける
(1)
PTAで「活動エントリー制」を導入する意味
「PTA問題」とはPTAの運営・活動における「強制」の問題と考えられます。その「PTA問題」の解決のためには、「運営の適正化」「活動参加の適正化」「目的と活動の適正化」の「PTAの三つの適正化」が必要だと考えてきました。
「PTAの三つの適正化」の「活動参加の適正化」を進めるための方法の一つとして、参加したい活動に選んで参加する「活動エントリー制」があります。
「参加したい活動に参加する」
名古屋市立吹上小学校PTAの運営方法変更の経緯
2016年度まで● 入会手続きなし・個人情報同意なし・会費引落同意あり
● 1子1回学級委員ルール
○クラス児童名簿(ランダム化学校提供)で投票し、上位2名が選出される
○引き受けられない場合は、教頭に次点の家庭の電話番号を教えてもらい、自ら電話をかけて交渉しなければならない
○ 新1年生は入学式後に投票しその場で決める
2015年度:負担軽減● 全委員会の廃止・常任委員会の削減
○総会
「P・T・A」か「ぴーてぃーえー」か
PTAとは?
一般的にPTAがどのように認識されているのか想像してみます。
例えば、学校の先生が
「PTAのお母さんがたには日頃からお世話になり、学校は大変助かっています」
というようなことを言われるのを聞いたことがあります。
ここから想像される「PTAとは?」
その学校に通う子どもを持つ保護者(ほとんど母親)の団体
といったところなのかも知れません。
また、例えば
「PTAは
PTAは保護者の義務なのか
近年取り上げられているいわゆる「PTA問題」とは、「強制加入」・「強制参加」という「強制」・「強制『感』」の問題と整理してきました。(「強制のないPTA」とは?)
「強制加入」・「強制参加」をベースに「PTAの活動はイヤイヤでもやらなければならない」という「イヤイヤベース」の活動になっていることで悪循環が生まれています。この悪循環の背景には、多くの人が「PTAは保護者の義務」と、なんとなく信じ
PTA創成期の目的とは
『父母と先生の会——教育民主化の手引』から 日本の小中学校にPTAが作られたのは戦後間もない1947年のことです。前年に来日したCIE(アメリカ教育使節団)がGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に提出した報告書に基づいて、文部省がパンフレット『父母と先生の会——教育民主化の手引』を作成。それが1947年3月に全国に配布されたことをきっかけとして一斉に結成が進みました。
この『父母と先生の会——教
「PTA問題」・「PTA不要論」の変化
「PTA問題」・「PTA不要論」という言葉が使われています。このどちらもそれほど新しい言葉ではなく、かなり以前からPTAのあり方への批判の言葉として使われています。しかし、その使われ方は近年のものと以前のものとでは違いがあるようです。
「PTA問題」 近年取り上げられているいわゆる「PTA問題」とは、「強制加入」・「強制参加」という「強制」・「強制感」の問題であることは以前に整理しました(「強