【5分要約】Vol.10_「死」とは何か
こんにちは、GOMIE(ゴミー)です。
今回取り上げる本は、名門イェール大学で20年以上続く人気講義を書籍にした「死とは何か」です。「死」という重くて普段なかなか考えないテーマですが、実はちゃんと向き合うことが大事だということを本書は教えてくれます。今回も5分で読めるように要約していきます。
■著者情報
シェリー・ケーガン(イェール大学哲学教授)
・ピッツバーグ大学、イリノイ大学を経て、1995年からイエール大学で教鞭を執る。2016年、アメリカ芸術科学アカデミーに選出。
・道徳・哲学・倫理の専門家として知られ、「死」をテーマにしたイエール大学での授業は、17年連続で「最高の講義」に選ばれている。また、本授業は2007年にオンラインで無料提供され、大好評を博した。
◆なぜ「死」を考える必要があるのか
何事もゴールから逆算して、今やることを考えていくことは大切ですよね。人生のゴールは人それぞれな訳ですが、全人類共通のゴール、それが「死」であり、だからこそ「死」について考えることは誰にとっても重要なのです。
私もあなたもいつか必ず死にます。みんな直面する課題なのに、しっかり考えている人はあまりいません。なぜでしょうか?
それは、シンプルに「怖い」からです。
怖いのが普通の感覚なので大丈夫です。ただ、松下幸之助や孫正義など、偉大な成功者の多くが死に近い経験をしていることを考えると、「死」を考えることは大きなパワーを秘めているのかもしれません。そんな「死」に向き合うことで得られるヒントが詰め込まれている本書を、今回は少し覗いてみましょう。
◆死は怖くない
まず1つ目のポイントは「死」なんてそんな怖いもんじゃないんだよということです。とは言っても、めっちゃ怖いと思います(笑)それって「死」がよく分からない未知のものだからですよね。
ただ、シェリー先生はこう言います。「死なんて全然未知のものじゃない」と。
「結論、死後の世界なんてほぼ何も変わらない。仮に君が死んでも世界はほんの少しの違和感を残しながら回っていく」と。
…。。いやいや、世界とかの話はいいけど、自分の魂とかはどうなっちゃうんだと思いますよね。これに対してもシェリー先生は断言します。
「まず魂とかはない。人格も思考も”無”になるだけ。寝てる時とほぼ同じ感じで、そんなの未知でも何でもなくて君たち毎日経験してるだろ」と。
さらに、「お母さんのお腹にいた時とか別に人格もないけど、怖くも苦しくもなかっただろう?地球上の歴史で言えば、人格が存在してない方がデフォルトなんだし全然怖くないんだよ」と言うのが結論なんです。
…。。いやいや、そんな事言われてもやっぱ怖いですよね(笑)そこで、「剥奪説」という話が出てきます。
◆怖さの本当の原因は剥奪説にある
「死」が未知のものではないと分かってもなぜ怖いのか。それは「剥奪説」であれば説明できると語られています。
なんだかんだ「死」が怖いと思ってしまうのは、死ななかったらもっといい人生があったはずなのに、その未来が奪われると思うからです。これからまだやりたい事がたくさんあると、奪われる物が多くて死が恐ろしく感じるということです。
大好きな恋人に振られそうな時と同じ感覚です。自分は明るい未来を描いていたのに、それを奪われそうになると人間は恐れを感じる生き物なのです。
◆生きていればキツイ時は必ず来る
この剥奪説から言える事がもう一つあります。これからの人生が楽しみだともっと生きたくなる。一方で、未来がずっと悪くなり続けると思うとどうなるか。
そう、人間は死にたくなるのです。
なので、本書では自殺というデリケートなテーマにも触れられており、さらにシェリー先生は「自殺が常に許されないとは言い切れない」と主張しています。世の中には、残念ながら人生が悪くなり続ける人もいます。例えば、末期の病気で全く治る見込みがなく、痛みに耐えるためだけに生きる人もいるのが現実です。
「そういう人に道徳的にとかルールだからといって生きることを強要する、死ぬことを選択させない方が悪ではないか。」と。
ただ、ここが大事です。「だからこそ、世界で起きている大半の自殺はおかしい」とシェリー先生は言います。例えば、受験に失敗したとかリストラされたとか、たしかにショックは大きいですが、それだけで人生がずっと悪くなり続けることはありません。
ただ、誰でもこういう状況に追い込まれた直後は、グッと視野が狭くなって人生がずっと悪くなり続けると勘違いしてしまいます。この勘違いによって失われるべきでない命が消え続けているのです。
生きていると誰でもキツイ時が必ず来ます。そんな時、今はめちゃくちゃ辛いかもしれないけれど、未来は分からないよって自分に問いかけてあげることが大事ですし、誰かに相談された場合はそう慰めてあげて下さい。
◆最後に
最後に補足ですが、やろうと思っていても締め切りを忘れて、つい後回しにしちゃうことってありますよね。まあ多くの場合は、正直なんとかなりますが(笑)
でも、人生でやっておきたいという”人生の宿題”が仮に終わらなかったら、死ぬ直前に猛烈に後悔するだろうし、何歳になっても死が怖いままになってしまうと思います。
なので、「死」を怖がるのではなく、締め切りとして意識することで原動力にうまく変えていきましょう。そんなポジティブな感じで「死」をも捉えることができるようになれば、明日からの人生が少し楽しく、そして前向きになれると思いませんか?
今回は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
今後も仕事や人生に役立つ情報をどんどんアップしていきますので、覗きにきてください。
ではまた!