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Roger Scruton

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#大学

【翻訳】私が保守主義者になった理由/ロジャー・スクルートン

【翻訳】私が保守主義者になった理由/ロジャー・スクルートン

 私が育った時代は、国政選挙で英国民の半数が保守党に投票し、英知識人のほとんどが「保守主義」という言葉を罵倒語とみなしていた時代であった。
 保守主義とは、若さと対立する年寄り、未来に抗う過去、革新に反動する権威、自発性や生活に反する「構造」の側に位置するものだと言われていた。
 このことを理解した上で、自由な発想を持つ知識人としては、保守主義を否定する以外に選択肢がないことを認識すれば良いとされ

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【翻訳】"大学の終焉" / Roger Scruton

【翻訳】"大学の終焉" / Roger Scruton

1.『大学と人文学の歴史と意義』

 大学は、私たちの生活に必要な知識・技術・文化を学生に提供すると同時に、私たちの知的資本を高めるために存在しているが、明らかに、この二つの目的はそれぞれ異なるものである。
 一つは個人の成長と関係しているが、もう一つは知識を求めるという、人間に共通の欲求に起因している。

 しかし、これらは相互に絡み合っているので、一方の目的に害を与えると他方の目的にも害を与え

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【翻訳】大学による事実に仇なす戦争/Roger Scruton

【翻訳】大学による事実に仇なす戦争/Roger Scruton

 最近の若い人たちは、何かが確実であると決めつけることに非常に消極的で、その消極性は彼らの言葉に表れている。
 意見の相違がありそうな場合には、文末にクエスチョンマークを付けたり、中立的な立場を強調するために「like」をはじめとする免責事項としての言葉を挿入する。
 あなたは地球が"球体である"と断言することだろう。しかし、若者たちは代わりに地球が「球体のようなもの?」と表現するだろう。

 こ

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【翻訳】"大学を完全に廃止しよう": Sir Roger Scruton/Human Events

【翻訳】"大学を完全に廃止しよう": Sir Roger Scruton/Human Events

 「まるで大学は完全にコントロールできなくなったかのようだ 」と、保守主義の哲学者であるロジャー・スクルートン卿は、今日、ロンドンで開かれたクロスロード会議で欧州人らを前に語った。
 ロジャー卿 --最近、本物の保守主義者である罪で英国の保守党主導の政府から解雇された --は、同誌の日曜夜の会員制Discordチャットで、ヒューマン・イベントのウィル・チェンバレンが行ったコメントとほぼ同じ内容のコ

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【翻訳】"言論の自由と大学"/Roger Scruton

【翻訳】"言論の自由と大学"/Roger Scruton

 大学での言論の自由とは、議会や国会での言論の自由、報道の自由、街頭での言論の自由とは全く異なるものである。
 それぞれの環境にはそれぞれの慣習や伝統があり、それぞれがそれぞれの目的と特定の利益のために、自由を守らなければならない。

 日常会話にて、質問のすべての側面を公然と議論するのは原則として望ましいことではなく、名誉毀損、公序良俗、扇動などの法律が、人々を傷つける言葉や挑発的な言葉から保護

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