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週刊小売業界ニュース|2024/1/15週
2024/1/15週(1/13-1/19)にピックアップした小売業界ニュースをお届けします。今週のおさらいにぜひどうぞ!
サムスン「AIバーチャルヒューマン」開発で、米小売市場に攻め込む - Asia Today
サムスン電子は、同社が開発したAIバーチャルヒューマン(仮想人間)を、米国小売市場に披露。この仮想人間は、米国の小売店を訪問する消費者と直接対話し、製品を推薦して取引まで一貫対応する対話型AIだ。
バーチャルヒューマンとは、コンピューター・グラフィックスで作られた仮想人物のことを意味します。
人間と見分けがつかないほどの高精度なグラフィックスや、バーチャルヒューマンを動かす頭脳である人工知能(AI)の進歩により、その実用性が飛躍的に向上しています。
もともとバーチャルヒューマンは、次世代のAIチャットボットのような、「コミュニケーションインターフェイス」として開発されてきました。
近年では、デジタルネイティブ世代の若者を消費者とする企業が、バーチャルヒューマンを活用してマーケティングを行う例が増えています。
しかし、アイドルグループやVTuber等ではなく、企業があえてバーチャルヒューマンを活用することのメリットとは何なのでしょうか。
バーチャルヒューマンが、実在の人間と結びついていないという点に着眼すると、次のメリットが挙げられます。
起用モデルの私生活リスクの解消:起用したモデル等が私生活においてスキャンダルを起こしたことによる、キャンペーンの中断やブランド価値の棄損リスクについて、懸念する必要性が低減します
使用者にとって都合の良い人物像を創り上げられる:販促活動のイメージやコンセプトに合うモデルを探すことは容易ではありません。一方で、バーチャルヒューマンであればイメージ・コンセプト通りのスタイルや趣味などを持つ人物像を作り出すことができます
バーチャルヒューマン先進国である韓国では、早くも2023年1月、バーチャルヒューマンをメンバーとしたガールズグループ「MAVE:(メイブ)」がメタバース空間でデビュー。
同グループが出演するCMを見る日も、近いかもしれません。
短い時間で最高に味わえることで有名な「Fruit Stripe Gum」が製造中止に - The New York Times
半世紀以上にわたり愛されてきた縞模様のチューインガム「Fruit Stripe」の販売中止が発表され、SNS上で懐かしむ声が多数集まっている。シカゴに本拠を置く本製品の製造メーカー、フェラーラは「この決定に至る前に、消費者の好み、購入パターン、そしてブランド全体の傾向など、多くの要素を検討しました」との声明を発表した。
「ガムが最近売れなくなっている」とよく聞きますが、日本よりガムがもっと身近なお菓子であるアメリカでも、ガム市場に後退の兆候が確認されているようです。
日本市場では、昨年2023年3月に明治のロングセラー、「キシリッシュ」「プチガム」が販売取りやめとなったニュースを覚えている方もいるでしょう。
日本チューインガム協会のデータによると、日本のガム市場は2004年のピーク以降、右肩下がりに減少しており、2004~21年の17年間で市場規模が6割にまで縮小しているとのこと。
市場縮小の要因として、多くの専門家が指摘するのは、スマートフォンによる隙間時間の占有です。
空いた時間にガムをかむ習慣や、コンビニなどでレジに並ぶ際にスマホ画面に集中して、レジ周辺に陳列されることが多いガムを買わなくなったのではないか
スマホ操作には手が空いていることが重要で、ガムを最後に紙に包んで捨てることが煩わしかったり、チョコフレークで手がべたつくのは不利だ
これに加え、近年では今までにない向かい風も。
聞き間違いかと思いましたが、ガムを『硬い』と感じる若者が少なからずいて衝撃でした。我々が考える以上に、若者や子どもの噛む力が弱っている。噛むことへの意識が変わってきたのではないでしょうか
ロッテは新たに「噛むこと研究室」というプロジェクトを立ち上げ、噛んで得られる健康の追求と普及を強化する動きを見せています。
ガム市場はどのような逆襲の一手を見せるのか、注目です。
低所得者層を狙う中国発格安EC「Temu」、アマゾンでもSHEINでもない真の競合とは | 36Kr Japan
中国の拼多多が運営する格安ECアプリ「Temu」が、米国で価格競争を激化させている。2022年9月の米国進出後、迅速に市場を拡大し、世界47カ国へ進出。米国の1ドルショップ、特にダラー・ゼネラルとダラー・ツリーがTemuの主な競合となっている。これらの店舗は米国の地方都市に焦点を当て、低所得者層の需要を掘り起こしてきた。Temuの登場により、これらの店舗の市場シェアや株価に影響が出始めている
日本では、昨年2023年7月にサービスを開始したECサイト「Temu」。
まだ日が浅いため、日本では大きなニュースになっていませんが、アメリカでは2023年に最もダウンロードされたスマホアプリとなるなど、今最も成長しているサービスと言っても過言ではありません。
Temuの基本情報について、おさらいしましょう。
中国発のECプラットフォームで、2022年9月にアメリカでサービスを開始したのが始まり
運営会社はPinduoduo Inc.(上海)で、同社は中国国内でECサイト「拼多多」を運営
現在は日本を含め、47か国に進出(2023年11月時点)
拼多多は中国国内がターゲット市場だが、Temuは製品を中国から輸出する越境ECプラットフォーム
Temuの名前の由来は「Team Up, Price Down(一緒に買うと安くなる)」で、友達を招待して一緒に買い物をすることで割引や特典が得られるシステムがある
「Shop Like a Billionaire(富豪のようにお買い物)」をスローガンに、驚きの低価格で販売
Temuの低価格モデルは、工場直販と自社の物流ネットワークによる、中間業者を排除したインフラに支えられています。
Temuは、加盟店である中国の生産工場と直接取引を行っています。加えて、類似商品については入札システムを採用し、加盟店の価格引き下げを促しています。
また、Pinduoduoが各国・地域に持つ物流センターを通して配送を行い、エンドユーザーである消費者まで直接商品を届けられるネットワークを構築しているのです。
低価格モデルというと、最近話題のSHEINと競合するのか、と思われる方がいるかもしれません。
SHEIN はファッション・アパレルアイテムを扱う小売業者であるのに対し、Temuはアパレルに限らず、家電やキッチン用品まで250以上のカテゴリに渡る日用品を販売する、ECプラットフォームであるという、そもそもの違いがあります。
低価格×オンライン販売という点で両社は似通っていますが、顧客の利用ニーズという点では、特集記事が指摘するように、実店舗の100円ショップの方がより直接的に影響を受けるという分析がなされています。
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