「幼少期のスポーツ」のあり方
みなさんこんにちは。
ちょっと間隔が開いての投稿になってしまいました。この理由とかお話はまた次回させていただきます。
大学2年生の大杉と申します。
今日は、私の「スポーツ」の側面で実現したい「自分の好きなスポーツが形成され、選べる環境作り」のための、「幼少期のスポーツ」のあり方について考えてみようと思います。
幼少期にスポーツを行う意義
ということで、まずはそもそもなぜ幼少期からスポーツをするのか、しているのかというところから考えてみます。
私は、生涯スポーツの視点から見た幼少期のスポーツの意義について、
運動神経の発達、その先の運動能力の基盤形成
スポーツに対するモチベーション増加、内発的動機の形成
体を動かす楽しさを味わう
これらが挙げられると考えています。
運動神経の発達、その先の運動能力の基盤形成
1については、以下に記したスキャモンの発育曲線に関係しています。
これは、成熟期の状態を100%とした時、それまでにどの時期で、どのくらいの割合が各部位で発達するかを示した図となっています。
中でもスポーツに特に関係するのは「神経型」であり、これはいわゆる「運動神経」にも関わってきます。
この図を見ると、それが12歳の時点でほぼ成熟期と同値になっていることがわかるでしょうか。
つまり、それまでのいわゆるプレゴールデンエイジ、ゴールデンエイジ期ににいかに多くの運動を経験し、各部位の器用さやリズム感を習得できるかによって、その先の運動能力に大きく影響してくると言っても過言ではないのです。
スポーツに対するモチベーション増加、内発的動機、自己肯定感の形成
これが私の一番大事にしていることです。
幼少期にスポーツの中で、
「楽しい!」
「できた!」
を経験することは、スポーツへの内発的な動機を形成するだけでなく、自己肯定感を高めることにも繋がります。
スポーツの面から見ると、幼少期に多様なスポーツに触れ、「できた」体験を通して承認されることで、スポーツに対して、「もっとやってみたい」「楽しい」といったポジティブなイメージが形成されます。
そこから、生涯にわたってのスポーツに積極的に取り組むようになったり、その先のチャンピオンスポーツにも挑戦したいという内発的な意欲、関心につなげることができます。
ただここで大切なのは、その対象である子どもたちを承認し、褒めてあげることです。
これは自己肯定感というところにも関係してきます。
近年では少なくなってきましたが、叱るだけの指導(もはや「怒っている」だけかもしれませんが)をスポーツ少年団などで行なってしまうと、燃える子もいるかもしれませんが、逆に怖くて縮こまったプレーをするようになってしまったり、大人の機嫌を伺って自信なさげにプレーするようになってしまったりする子も出てきます。
そうなってしまうと、スポーツが嫌いになってその後の中学や高校での部活動、その先のスポーツ参加すらもしなくなってしまうことはもちろん、自分に自信をなくしてしまってスポーツ以外のところでも消極的になってしまうことすら考えられます。
どんな小さなステップでも、まずは「できた」ところを見つけて認めてあげて、どんどん次のチャレンジをさせてあげることで、自己肯定感とスポーツへの意欲を高めることができます。
また、上地らの研究(上地,島崎,竹中:2017)では、幼少期の運動、スポーツの継続が自身の成長と努力による成果を実感させ、情熱(この研究ではGRITの中の一要素として表された)を高めているという結論を示しており、幼少期のスポーツは人間形成にも大きく関係していると言うことができます。
体を動かす楽しさを味わう
最後の意義はこちらです。と言っても、これは文部科学省にも示されているもので、これは私の過去の記事にもさらっと書いてあるので興味がある方は是非ご覧ください。
他にも
少し触れましたが、当然生涯スポーツの視点からの幼少期のスポーツは非常に重要です。
心身の健康保持、増進のためであり、怪我予防のためでもあると中村、長野の研究(2011)では述べられています。
幼少期のスポーツ形態はどうあるべきか
それでは、こう言った意義がある中での幼少期のスポーツは、どういった形態で行われるべきなのでしょうか。
私の考え
先に私の意見を述べさせていただくと、私は、
単一種目に限らず、多様な種目を選択、または週や月替わりで体験できる環境が良いと考えています。
多様な種目を体験することで、偏った運動能力ではなく様々な能力を身につけることができ、さらに自身で好きなスポーツを選択、または自身の能力に適したスポーツを見つけることができると私は考えています。
加えて、その環境をとにかく楽しみ、認められる環境とすることで、生涯スポーツへの入り口としての幼少期のスポーツという位置付けにすることができます。
種目でくくることが間違い!?
と、私はずっと思っていました。今も思っています。
ですが最近、とある体育セミナーを通して、その考えだけではない新しい考えが私の中に出てきました。
それは、
種目に絞らずに様々な運動を楽しみながら身につけることです。
「何かの種目」をするわけではなく、こういった動作、こういった運動、という括りで、総合的に運動能力を高めていくという形態です。
これのメリットとしては、目的を「運動を楽しみながら上達する」というところに絞っていることがあると思います。
どういうことかというと、スポーツを多様化させ、それぞれを実施していく中では、どうしても好き嫌いが生じてしまいます。
もちろん好きなスポーツを選択し、その先楽しんでいくことは生涯スポーツとしてとても重要ではありますが、例えば体育でたまたま嫌いな種目を長時間行うことになったり、そういった環境でやらされたりする際に、それが原因で運動が嫌いになることもあります。
ここで幼少期に「運動能力全般」を高めるように種目を絞らず運動すると、運動自体への苦手意識はなくなることがないと思います。
ただこれはあくまでソースがあるわけではない私の想像なので、実際どうなるかはわかりません。
もう一つ考えられるメリットとして、応用が効かせやすいという点があります。
何かのスポーツのための動作、という捉え方ではなく、運動の中の一動作として捉えて身につけていくことで、特定の種目を行う際にもより多くの部位を連動させてより柔軟に、多彩に運動ができるようになります。
また他にも、スポーツにおいてだけではなく、実際の生活時や緊急時などにも、自分の体の動かし方を知っていることで対処できるようになります。
しかし、実際の競技として触れていない分、部活動などでいざスポーツをやろうとした時、今度はそのスポーツに慣れなければいけません。
とはいっても、これらは感覚的な話です。全く根拠はありません。
どちらがいいのかはわからない!!!
というわけで二つを見てみたのですが、実際のところ私にはどっちがいいのかわかりません。
加えて、単一種目を行うことにも肯定的な方はたくさんおられると思います。
それぞれにメリットがあって、デメリットもあります。
幼少期にどうなることを目的として、どういった形態で行うのか。
私自身まだまだ考えなければならないなと感じました。
これからの幼少期スポーツ
現在では、日本はドイツのスポルトフェライン(Sportverein)を見習い、総合型地域スポーツクラブの普及が行われています。
その波に乗り、これからスポーツはもっと多様に、もっと多世代に向けて展開されていくは私は信じています。
ただ、そのスポーツがただ提供されるだけになっていないか、それぞれのライフステージに適したものになっているかなど、特にこれからを担う幼少期の子どもたちに最適なスポーツ環境を提供するために、考えなければいけないことはたくさんあります。
将来のスポーツ社会を担う一員として、これからも自身の思考をアップデートし、経験も積んでいきたいと考えています。
皆さんの考えも是非聞かせていただきたいです。よろしくお願いいたします。
それではまたお会いしましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
・HAPPY CHILDREN 2015 年スポーツ障害予防号 尼崎市立小田北中学校 ほけんだより 丑田 幸子 最終閲覧:2024.2.28 01:54
・幼少期における運動・スポーツの継続が GRIT に及ぼす影響
上地広昭,島崎崇史,竹中晃二:2017 日本健康心理学会大会発表論文集
・幼少年期の運動経験の持ち越しに関する研究
中村和彦,長野康平:2011 山梨大学教育人間科学部紀要
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