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コロナウイルス連作短編

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2021年10月の記事一覧

コロナウイルス連作短編その126「彼、彼女、ユ」

 尾灯マアヤは恋人のマルギタ・グロゼヴァと共にくら寿司に行く。久しぶりに来たが、いつの間…

コロナウイルス連作短編その125「白人がきらい」

 踏楷アイリスと勝田仰木は最近、最寄り駅の近くにできたフィッシュ&チップス店へと赴く。テ…

コロナウイルス連作短編その124「小堺α、小堺β」

 鍋潟民城はぼーっとカフェの席に座っている。彼女は客ではなく、アルバイトの高校生である。…

コロナウイルス連作短編その123「あのね」

 フアンは小学校の友だちである千百合といっしょに帰る。さいきんは、ほかの友だちもまじえて…

コロナウイルス連作短編その122「神に感謝したい」

 小夜川まぐなは、久しぶりに最寄り駅近くの肉バルへと赴く。緊急事態宣言が明け、やっとここ…

コロナウイルス連作短編その121「東という世界」

 瀬賀宮雄は地下鉄で家へと向かう、Tinderを通じて会った大学生に中出しをした帰りだった。夜…

コロナウイルス連作短編その120「図書室の先生が死んじゃった」

 抱えているのはバスケットボール、目の前にいるのは私の母さん。アパートの前、無造作におかれて、いつだってかすかに揺れているゴールポスト。こんな状況でのおあそび1on1だって、母さんはいつだって真剣そのものだ。彼女は、ほんとう、運動神経というやつがバツグンである。昔は陸上の短距離ランナーとして並みいる速度の女たちを、突風さながら薙ぎはらっていったらしい。野球、サッカー、ラクロス、新体操。興味あったスポーツにはひととおり挑戦して、プロですら圧倒する活躍をみせたとか、みせてないとか

コロナウイルス連作短編その119「高射砲台の男」

 マルクス・晃弘・ニッツェルは帰り道を急ぐ。早く家に着きたいわけでなく、何者かに追跡され…

コロナウイルス連作短編その118「かわいらしい象」

 繰り返される揺れに、パトリシオ・モスコーソは目覚めざるをえない。鋼の眠気で重みを増した…