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コロナウイルス連作短編

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2021年5月の記事一覧

コロナウイルス連作短編その86「モザンビーク、ギニアビサウ」

 家庭教師として穂堂武瑠は、教え子の1人である堂崎ミウの勉学へのやる気のなさに呆れ果てて…

コロナウイルス連作短編その85「良心なき世代」

 前田圭は食器棚から1枚の皿を取り出す。それは大分県で作られた小鹿田焼の大皿で、半年前に…

コロナウイルス連作短編その84「キルギスの兄弟」

 夕食を摂取した後、小山田箔は眠るまでの5時間延々と、永遠とガムを噛み続ける。彼はクロー…

コロナウイルス連作短編その83「ずっと前から知ってたんだよ」

 朝、窓辺で掠れた陽光を浴びるプロリフィカ錦の美しさに、正角浅葱は見惚れる。その柔らかに…

コロナウイルス連作短編その82「エリー・ヴェルベーケ、或いはその防衛本能」

 エリー・ヴェルベーケが適当にネットニュースを読んでいると、ある記事を見つけた。Primaver…

コロナウイルス連作短編その81「フィンランド語のタトゥー」

 18分、それが日々のなかで川常賢が必要なものだった。川常帽子、未だ1歳にも満たない最愛の…

コロナウイルス連作短編その80「深く、愛おしく思う」

 恋人である須坂士が、加藤三花のヴァギナに射精をする。内部の細胞が圧死させられるのを感じる。士はぺニスを引き抜いた後、ウェットティッシュでテキパキとそれを綺麗にし、再び三花の肉体に戻る。丁寧に愛撫をし、それに満足感を抱いて三花が合図としてひときわ大きな喘ぎ声を出した時、セックスが終る。射精をセックスの終りとしていないところが、他の男性よりマシだと三花には思える。  トイレに行き、ヴァギナを洗う。それから排尿を行う。卵黄色の尿と同時に体熱も排泄される感覚に襲われ、身体が震える。

コロナウイルス連作短編その79「厄災の感覚」

「うわあ、虐殺虐殺ぅ」  コロンビア各都市で起こるデモ抗議、そこで20名以上の死傷者が出た…

コロナウイルス連作短編その78「健やかなる肛門日光浴」

 生ぬるい朝に目覚めた時、水野辻は横に恋人である初河安西が居ないことに、いつものように気…