(株)グリーン・パイロラント

花火を作る会社です。社長の松永猛裕が花火にまつわる科学について解説します。 松永猛裕:…

(株)グリーン・パイロラント

花火を作る会社です。社長の松永猛裕が花火にまつわる科学について解説します。 松永猛裕:1960年、静岡県浜松市生まれ。東京大学卒業。工学博士。1988年、現在の国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門に入所。火薬と爆発性物質の安全研究に携わる。国内で数少ない専門家。

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    花火の原理がわかる手持ち花火Ⅰ色火剤【送料全国一律850円】【3個以上で送料無料】

    花火を楽しみながら、花火の原理についても学べる手持ち花火です。シリーズ第一弾は花火の色について学ぶことができます。 お手持ちのスマホに付属の分光シートを貼って、花火を撮影するだけで分解された花火の光が観察できます。花火は光の色を観察しやすいように特別に配合したものです。セット内容・基本、赤、橙、緑、青、紫、ピンクの7色の花火、各2本・分光シート・解説書燃焼時間:20~30秒程度(個体差あり)花火1本の長さ:32cm対象年齢5歳以上※大人と一緒に遊びましょう!自由研究や科学実験に最適の国産花火です。製造元:井上玩具煙火(株)
    ¥2,980
    グリーン・パイロラント 公式オンラインストア

記事一覧

花火に使われる可燃剤(燃えるもの)

燃焼には酸化剤と共に、燃えるもの、すなわち、可燃剤が必要です。 最も古くから使用されている可燃剤はイオウと木炭です。特に、木炭は種類により、燃え方が異なるため、…

花火に使われる酸化剤(燃やすもの)

花火は酸素がない雰囲気でも燃え続けます。 また、燃焼途中で水中に沈めても(注意深く、静かに行う)燃え続けることができます。これは、花火が酸化剤を含むためであり、…

ローソクと花火の違い

花火は燃えます。ローソクも燃えます。 でも、この2つには化学的な視点で決定的な違いがあります。それは、花火は空気中の酸素がなくても燃え続けますが、ローソクは空気…

周期律表からわかる花火の原理

周期律表とは 周期律表(周期表ともいう)は、 物質を構成する基本単位である元素を、それぞれが持つ物理的または化学的性質が似たもの同士が並ぶように決められた規則(…

スペクトル研究の歴史

ここでは炎色反応に見られるようなスペクトル研究の歴史を紹介します。 これにはわかりやすい解説があるので、これを紹介する形で進めます。 ※下記のリンクからダウンロ…

分光器で計測したスペクトル

花火が赤や緑に光るのは、炎色反応です。 赤色を出すにはストロンチウム化合物が入っているためです。また、バリウム化合物を入れると緑色に光ります。 炎色反応はなぜ起こ…

花火に使われる可燃剤(燃えるもの)

燃焼には酸化剤と共に、燃えるもの、すなわち、可燃剤が必要です。

最も古くから使用されている可燃剤はイオウと木炭です。特に、木炭は種類により、燃え方が異なるため、花火職人がこだわる原料です。現在、麻、松、および、桐から作られる木炭が良く用いられます。

花火の世界では、「助燃剤」と呼ぶ可燃剤を使うことがあります。意味合いとしては燃える物というよりも、燃えやすくする物といえるでしょう。木粉(セロシン

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花火に使われる酸化剤(燃やすもの)

花火は酸素がない雰囲気でも燃え続けます。

また、燃焼途中で水中に沈めても(注意深く、静かに行う)燃え続けることができます。これは、花火が酸化剤を含むためであり、固体成分中に燃やすための酸素が含まれています。酸化剤は花火の最も重要な原料です。

現在、用いられている酸化剤は主に硝酸カリウム、過塩素酸カリウム、および過塩素酸アンモニウムの3種類です。

硝酸カリウム(KNO3)は最も古くから用いられ

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ローソクと花火の違い

花火は燃えます。ローソクも燃えます。

でも、この2つには化学的な視点で決定的な違いがあります。それは、花火は空気中の酸素がなくても燃え続けますが、ローソクは空気中の酸素がないと消えてしまいます。

この違いはなんでしょう?

ローソクの芯に火を点けるとロウの部分が暖められることで、空気中の酸素で燃やせることができる気体を発生します。この気体の発生は空気中の酸素の供給が止まらない限り、長い時間、続

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周期律表からわかる花火の原理

周期律表からわかる花火の原理

周期律表とは

周期律表(周期表ともいう)は、
物質を構成する基本単位である元素を、それぞれが持つ物理的または化学的性質が似たもの同士が並ぶように決められた規則(周期律)に従って配列した表です。

ここでは、周期律表を見てわかる花火の原理について説明します。

周期律表と炎色反応表1に周期律表を示します。
表中、炎色反応が知られている元素を黄色で塗りつぶしました。

1族アルカリ金属

まず一番わ

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スペクトル研究の歴史

スペクトル研究の歴史

ここでは炎色反応に見られるようなスペクトル研究の歴史を紹介します。

これにはわかりやすい解説があるので、これを紹介する形で進めます。
※下記のリンクからダウンロード可能です。

参考資料:
HORIBA Technical Reports Readout  株式会社堀場製作所(1992年7月)
特集「分光分析の発達と元素の発見」
清水榮 京都大学

スペクトル研究の始まり

これによるとスペ

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分光器で計測したスペクトル

分光器で計測したスペクトル

花火が赤や緑に光るのは、炎色反応です。
赤色を出すにはストロンチウム化合物が入っているためです。また、バリウム化合物を入れると緑色に光ります。
炎色反応はなぜ起こるのでしょう?難しい話ですが説明します。

まず光とは何か?
「光は粒子でもあり波でもある。粒子と波の両方の性質を併せ持つ、量子というものである」と言われています。
波という以上、波長という特徴的な数字を持っています。人間が見ることができ

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