ローソクと花火の違い

花火は燃えます。ローソクも燃えます。

でも、この2つには化学的な視点で決定的な違いがあります。それは、花火は空気中の酸素がなくても燃え続けますが、ローソクは空気中の酸素がないと消えてしまいます。

この違いはなんでしょう?

ローソクの芯に火を点けるとロウの部分が暖められることで、空気中の酸素で燃やせることができる気体を発生します。この気体の発生は空気中の酸素の供給が止まらない限り、長い時間、続きます。だから、ローソクは燃え続けます。

一方、花火はその中に酸素を発生する粉(これを酸化剤といいます)が入っています。だから、花火は空気中の酸素がなくても燃え続きます。

花火に使われる酸化剤の組成式を以下に示します。これを見ればわかるように酸化剤の中には酸素が入っています。

   硝酸カリウム KNO3
   過塩素酸カリウム KClO4
   過塩素酸アンモニウム NH4ClO4

この状況を説明するために、花火は水中でも燃え続けるという実験があります。NHK for school 「花火が水中で燃えるのは?」を見てください。

この映像は筆者が協力して作られました。実はこの実験は結構、難しく、うまくやるためには秘密があります。それは火薬を入れる紙筒を厚めにすることです。薄いと水が火薬内に侵入してしまい、火が消えます。市販の手持ち花火でも厚めの紙筒を使ったものであれば、水中で燃え続きます。

グリーン・パイロラント社長 工学博士
松永猛裕


グリーン・パイロラントでは、「花火の原理がわかる手持ち花火Ⅰ色火剤」を販売しています。
花火の色は、元素の炎色反応の色がなるべくそのまま観察できるように火薬を配合。花火が燃焼している色をスマホで撮影すると、スペクトルが観察できます!


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