花火に使われる可燃剤(燃えるもの)
燃焼には酸化剤と共に、燃えるもの、すなわち、可燃剤が必要です。
最も古くから使用されている可燃剤はイオウと木炭です。特に、木炭は種類により、燃え方が異なるため、花火職人がこだわる原料です。現在、麻、松、および、桐から作られる木炭が良く用いられます。
花火の世界では、「助燃剤」と呼ぶ可燃剤を使うことがあります。意味合いとしては燃える物というよりも、燃えやすくする物といえるでしょう。木粉(セロシン)、フェノール樹脂、塩ビ粉末などがあります。
面白いのは天然由来の助燃剤です。
シェラック(セラックと呼ばれることもある)はラックカイガラムシという1cmに満たない虫が分泌する樹脂状の有機物です。ラックカイガラムシは東南アジアや中国で養殖しており、塗料、食品、医薬品などにも使われています。キシリトールガムの表面もシェラックでコーティングされています。
レッドガムはオーストラリア南部によく見られる「ススキノキ」といわれるグラスツリーから採れる樹脂です。海外製の花火にはよく使われています。シェラックもレッドガムも「良く探したものだ」というべき天然物といえるでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1690844678778-M3WPEBG0av.png?width=1200)
グリーン・パイロラント社長 工学博士
松永猛裕
グリーン・パイロラントでは、「花火の原理がわかる手持ち花火Ⅰ色火剤」を販売しています。
花火の色は、元素の炎色反応の色がなるべくそのまま観察できるように火薬を配合。花火が燃焼している色をスマホで撮影すると、スペクトルが観察できます!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?