花火に使われる可燃剤(燃えるもの)

燃焼には酸化剤と共に、燃えるもの、すなわち、可燃剤が必要です。

最も古くから使用されている可燃剤はイオウと木炭です。特に、木炭は種類により、燃え方が異なるため、花火職人がこだわる原料です。現在、麻、松、および、桐から作られる木炭が良く用いられます。

花火の世界では、「助燃剤」と呼ぶ可燃剤を使うことがあります。意味合いとしては燃える物というよりも、燃えやすくする物といえるでしょう。木粉(セロシン)、フェノール樹脂、塩ビ粉末などがあります。

面白いのは天然由来の助燃剤です。

シェラック(セラックと呼ばれることもある)はラックカイガラムシという1cmに満たない虫が分泌する樹脂状の有機物です。ラックカイガラムシは東南アジアや中国で養殖しており、塗料、食品、医薬品などにも使われています。キシリトールガムの表面もシェラックでコーティングされています。

レッドガムはオーストラリア南部によく見られる「ススキノキ」といわれるグラスツリーから採れる樹脂です。海外製の花火にはよく使われています。シェラックもレッドガムも「良く探したものだ」というべき天然物といえるでしょう。

グリーン・パイロラント社長 工学博士
松永猛裕



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