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5分間のナレーション

今日は、あるオンラインイベントで5分ほどの動画のナレーションをした。
目が見えない・見えにくい、視覚障害の方々がおられるオンラインイベントで、動画の説明をするというものである。

視覚障害の方々をサポートするガイドヘルパーという資格がある。車椅子の私は物理的に人をサポートできる立場ではないので、ガイドヘルパーをすることは叶わないが、以前に彼ら彼女らの仕事ぶりを動画で観たことがある。
足元はもちろんのこと、頭上や左右前方後方の危険物に注意し、周りの状況を言葉で伝える。色や形や文字情報など、情報の取捨選択をしながら言葉によって相手に伝えるという仕事は、単語がなかなか出てこなくなった中高年にはいささか大変な仕事であろうと想像する。

それはそれとして、今回の動画に映る風景は、それほど大きく変化することのない、「全編を通して○○が映っています」というような比較的単調なものである。5分間、同じような状況を説明したところで、相手の脳裏には何も浮かばないだろう。また、形は手に取ったことがあればわかるはずだが、色の情報を多用したところで、色というものがあるということしか伝わらない可能性もある。
視覚障害の方々にその5分間をどう楽しんでいただくか、動画の内容に関連する事柄の蘊蓄をwiki先生に教わりながら、飽きずに聞いていただけるよう原稿を組み立てた。

些末なアクシデントはあったものの、読み間違えもせず、タイムキーピングもほぼ正確にできた。数日前から何度か練習をしていたのだ。原稿の長さが十分であるか、読むスピード、緩急、話の展開、すべて計算し、読んでみて修正する作業を何度か繰り返した。
おかげさまでご好評いただき、無事にナレーションは終了した。
楽しんでいただけたか本当のところはわからないが、私自身がとても楽しめたし、たくさんの学びがあった。


私は、物理的に人の役に立つようなことはできない。
しかし、私の言ったことや、書いたことや、描いたもの、そういった創作物が誰かの暮らしにちょっとした潤いや温かさを届けられたら、それは私が誰かからいただいた優しさやのエネルギーの恩送りになると思う。
そんな大げさな話でなくとも、今日のナレーションが、イベントに参加して良かったなと思えるようなものになれば、私の今日の行いは成功である。

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