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はじめまして

 はじめまして。自己紹介は何を書いたらいいのか分からず、とても困る。何かしら、何かはじめるとき、ぶち当たるこの壁。何か書かなくてはと焦るし、誰かと比較して落ち込むし、わたしは何にもやっていない(いなかった)ことに気づく。それでも、書かなきゃいけないときは穿り出して、体裁良く書く。それを書いているときは、あんまりいい気持ちはしない。それは、わたしは「わたし」がわからないから。本当だけど、相手のもとへ行くとき本当じゃないかもしれないから。考えてみたら、いろんな「わたし」いるなと思ってみたり、実は文字にして書けるほどのことをしていないなとしみじみ実感したりする。体裁良く書いた後、「書いたったゼ!」感がでる。しかし、そんな女神様気分はすぐに終わる。頭にそこに書いた「書いたったゼ!」言葉がぐるぐるまわって、輝かしい「『書いたったゼ!』自分」が誕生し、その人との比較がはじまる。わたしは、そんな何事をも成していない(成すことはないだろう)独身29歳の女だ。

 最近、読書ができなくなった。時間がないからではない。時間がないときだって、通勤の行き帰り電車やバスの中で読んでいたし、お昼休憩であっても続きの内容が気になってしょうがないときは貪り食うように読んでいた。が、そんな隙間時間を探せば前よりもあるだろう今の暮らしの中で読書ができなくなった。おそらく、頭の中で言葉とか感情とかがこれまでの経験によって蓄積されてきたものを食べて成長していて、吐き出さなくては食べられない状態になっている。無理矢理に吐き出す必要もないので、読書できない。いや、しないのか。読書できないなら、書けば良い。食べ飽きたなら、下手でも何でも作って、「どうぞ、召し上がれ」と言って、食べてもらおう。食べられる、食べられそうなものを食べてください。

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