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絶滅危惧種についてもっと知ろう

突然ですが哲学の父ソクラテスの弟子プラトンが著書 国家で
「最も必要なものだけの国家」と「贅沢国家」について
言及している章があります。
その一部に、国家のコミュニティ(内政)には本来必要とされるべき
家、食、服、靴以外にも不要な贅沢品を増やす事で
「道徳」「非道徳」をコミュニティの根幹に見出す事が出来るだろう。
そんな対話をする場面があります。

この章はまさに今を生きる私達の社会そのものを表していて、
人は物質主義に傾くほどに様々なトラブルを抱えやすく、さらにその問題は個人や家族の枠を超えて、地域、国、世界全体の環境問題にまで及んでいると言っても過言ではありません。
物やサービスが必要以上に増えた時、
自分に与えられた物へのありがたさや感謝を忘れ、もっともっとと、高みを目指してしまうのは人の性なのでしょうか?

一方で、人間の欲望の為にどんな物が失われ壊され続けているか
そんな事を少しでも気にかけた事はあるでしょうか?
WWF(世界自然保護基金)のホームページを見る限りでは、
100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しており、世界のサンゴの半分が失われ、毎分サッカー場27面分の森林面積が失われている”

この状況を私達はどう捉えるべきでしょうか?
身近に自然がない環境で暮らしていると、この事実がとても遠い所で静かに起こっているように思えるかもしれません。
けれでも実際は大規模な土地転換が行われる事で動植物は住処を追われ
森林の木々は材木や紙生産に、そして東南アジアでは、エビの養殖がマングローブの森林伐採と沿岸の土地利用による変化の30%の原因となっています。

一つの動植物がまたこの世界から消えていく。
それをたかが生き物と捉えるか否かは、
個人の知識とモラルにかかっています。

ここでWWF(世界自然保護基金)が掲げている生物多様性損失の5つの要因を
お伝えします。

1CHANGING USE OF SEA AND LAND
–海と陸の利用変化
私達がどのように食料を育て、海底からエネルギー資源などを収穫し、
町や都市を建設するかはすべて、
自然環境とそこに住む生物多様性に影響を与えます。

2DIRECT EXPLOITATION OF ORGANISMS
–生物の触接搾取
狩猟や密猟などによる動植物の乱獲も、生物多様性を失う1 つの理由です。
乱獲が進めば主なタンパク源を魚に依存している世界中の30億人以上の人々に災いをもたらします。

3CLIMATE CHANGE–気候変動
気候変動は自然環境へ劇的な変化を与えます。
気候に対応できない種は絶滅し、気温、気象、海面の変化により
生息地を移動しなければならない種もあります。

4POLLUTION–環境汚染
汚染のホットスポットはヨーロッパで最も顕著であり、
陸上の両生類、哺乳類、鳥類に脅威を与えています。

5INVASIVE NON-NATIVE SPECIES
–戦略的な外来種
在来種の生息地域を脅かす外来種の侵入は、
自然の生態系の構成を変える大きな原因になります。


自然環境は変えようと思って変えられるほど簡単な問題ではありません。
大切な事はむしろ一人一人の労りであり生物を思いやる気持ちにあります。
環境問題を含めた生物多様性の変化は、
“行ったこともないような遠い国で起きている話し”ではないんです。

食卓に並ぶお肉やエビフライを美味しいねと
残さずに頂くのはとてもいい躾です。
ですがその材料がどのように生産され、スーパーの売り場まで来ているのか
そして消費者である私達自身がどのような思いでその商品を購入しているのか?食材のライフサイクル全体を少しでも知り、人間の暮らしだけが優遇されるアンフェアな世界に、少しでも疑問を持つ事が出来れば
明日から私達は別の人生を歩んでいけるのではと思っています。


グレイス

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