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【要点・感想】キラーストレス 心と体をどう守るか / NHKスペシャル取材班

ストレス、と一口に言っても、色々なものが存在します。
言葉自体はネガティブなイメージを纏っていますが、昇給、昇進等、良い出来事もストレスに含まれてしまうのが意外なところです。
ストレスはいわば、日常生活における「変化」と言い換えることができるかも知れません。
本書は、そのような種々のストレスが蓄積し死に繋がってしまうこともある、という警告を読者に向けて送ってくれます。

キーとなるのは、
①マインドフルネス
②コーピング

このあたりのようです。

①は、簡単に言うと「瞑想」なのですが、根本的な意味は"mindful at the moment", 即ち「今この瞬間に意識を向ける」という意味なので、厳密には瞑想でなくても構いません。
例えば食事をしている時、「この野菜新鮮でうめぇ!」と味わったり、入浴している時、「今日の温度調節神ってるわー」とバスタイムを満喫する等、今自分が覚えている感覚に意識を向けさえすれば、それもマインドフルネスの一種です。
瞑想という形態が、その意識づけに最も適した手段であるというだけです。
ストレス反応を司る扁桃体は、認識を司る前頭葉から指示を受けて神経系をコントロールするのですが、その前頭葉の注意を意識的に自分の感覚に向けることによって、扁桃体を休息させる、というメカニズムです。
また、マインドフルネスの対義語として、「マインドワンダリング」という言葉が存在するようなのですが、これは、色々な考え事・心配事をしてしまう状態を指します。これが非常にやっかいで、かなり大きなストレスの原因になってしまうようです。

次に②のコーピングについて。
cope=対処するといのが根源的な意味ですが、この本では、ストレスに対する自分なりの武器、すなわち対処法をきちんと持っておく、という風に触れられています。
そういった武器を100個単位でリストアップしておくことが推奨されています。ちょっと難しそうな量ですが、「〇〇駅前にある焼き鳥屋で砂ズリを食べる」等、かなり具体的に落とし込むと良いみたいなので、そうすればそこまで難しいことでもなさそうです。
また、ストレスにも、「我慢するストレス」と「頑張りすぎるストレス」のようなものが存在し、理想的なストレス解消を行うには、これらを区別することも必要のようです。
「我慢するストレス」を解消するには、運動やカラオケ等の動的なストレス解消法、「頑張りすぎるストレス」の解消には、映画や読書等の静的なストレス解消法、という対応関係を意識するのが通説で、これを誤ってしまうと、「疲労感なき疲労」というものが蓄積していって、これも体調に悪影響を与えかねない、とのことです。

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