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駐妻時代の傷

駐在中はこの記事たちみたいに、自分が蔑ろにされていると感じる扱いを受けることが多かった。

約束を簡単に破られる、他の奥様を優先してドタキャン、目の前で集団で無視、学歴や現地での仕事を小馬鹿にされることも。

中でも自分と一緒にいるところを見られたくないんだろうな…という行動をされた時はすごく傷ついた。

ある人は同じ会社の奥様だったんだけど、1年間ほぼ毎日一緒にいた。

ディズニーランドまで一緒に行った仲だった。

けれど彼女の仲間の駐妻さんにお会いしたら『どなた?え、同じ会社に奥様いたんだ!?知らなかったんだけど!!どうして紹介してくれなかったの』と大騒ぎになった。

ちなみについ最近来たばかりの新人奥様は、きちんと紹介済みだった。

ある駐妻さんを他のグループに仲介したら、目の前で他の奥様達に『わたし駐妻の知り合いいないんです!お友達になれて嬉しいです!LINEを教えてください』と言い放たれた。

ちなみにゴリアテの時は、連絡先を聞いたら『あ、いまスマホないんですよね。ID言うのであとで検索してください』と素っ気なく言われた。

彼女の夫は、ゴリアテの夫の部下だった。いま考えるとだから『付き合ってくれていた』んだよね。

テイカーさんや、自己愛さんに絡まれるのは自分も同じような人間だからだ!とメンタルぶっ壊れるくらい悩んだ。責めた。

確かに自分は今流行りの自己肯定感は低いし、自信なさげでオドオドしてしまう。

ターゲットにされやすいんだろうな。

それに他人が誰かの悪口を言っているのが耐えられない。例えばブログに書いたり、匿名の発信なら全然アリだと思う。

誰だって不平や不満はあって当たり前。

ただ本人にわかるように、または本人に関わりのある人の前で話すのは違うと思ってた。

だけど日本人村ではよくある事で、怖かった。自分も言われてるんだろうなと。

そして日本に帰ってきて、今度は夫があの頃の自分の立場に置かれているよう。

職場の空気が悪いと。

あまり夫は自分の話をしない。だけれど最近は良くも悪くもよく話をするようになっていた。

最初は気付かなかった。

だけれど聞いていると、会社では常に誰かが誰かと歪み合い悪口を言っている状態だと。

夫は私が言うのもあれなんだけど、きちんと自己主張できるタイプなのと、なんとなく周りからの評価的に(?)夫自身が何かを言われてるわけではないそう。

ただ自身がわりと誰とでも付き合えるタイプで『みんな仲良くしよう』マインドなので、居心地が悪いのだと。

私はただ夫の話を大変だな、気持ちわかるなぁ(´・ω・`)くらいに聞いていた。

楽観的でお気楽ゴンタ君な夫なら、自分でなんとかする。きっとそんな過信があった。

彼の感じている居心地の悪さを『そんなこともあるか』とあまり深刻に捉えていなかった。

最近、毎日同じような話をする夫が昨日ふいに言った。

『俺も言われてるんじゃないかな?と思うんだよね。』と。

それを聞いた瞬間に私はとてもドキッとした。

ネガティブの矢印が自分自身に向くと、どんどん苦しくなる。経験したからわかったことだった。

『メンブレしてるゴリだからこれだけは言えるんだけど、そのままいったらメンタルぶっ壊れるから、もう辞めちまいな!!』

最近はパニック発作でしんなりしていたゴリアテが、急に声を荒げたので夫は驚いてた。

『いやでもなんとなくそう思うだけで、普通に元気だよ』と慌てる夫。

『わかってるよ、今は普通に元気なのも。だけどその環境がもし何年も続いたらどう?人は簡単に環境に染まっていってしまうんだよ。それにずっとそんな不安を抱えて働いてたら、絶対にメンタル壊れちゃうから。』

『てか壊れる前でよかった。偉い!!よく気づいたね!!まだ元気なうちに予防するのが1番!!ゴリは夫君のメンタルが何より大切なんだから、今の生活くらいが保てれば良いじゃない。決断は任せるけど、夫君が楽しいなと思う方にして』

こんな会話のあと、いつにも増して夫は夕飯を美味い、美味いと食べてた。

駐妻時代、最終的に人が怖くなった。

四六時中、奥様や会社の人から『悪口を言われてるかも』や『ゴリアテはダメな奴だと比べられてるかも』と不安で仕方がなくなり、とうとう外に出るのが怖くなった。

限界だった。

当時の夫は自分のことで精一杯で、相談できなかった。今の夫のようにとにかく聞いて欲しくて、話をしようとしても『またその話?』と突き放される。

ある時は『ゴリに尊敬できるとこがないと、相手も慕おうと思わないよ』と言われ、心が一気にバラバラになったのを覚えてる。

だけれど夫には笑顔で生きてほしい。仕事は好きな人だから、楽しく働いてほしい。

あの頃、自分にもこんな風に声をかけてあげられていたらなと思う。

叱るくらい本気で『あんたは悪くない!さっさとそこから去れ!』と言ってくれる人が欲しかった。

本当に素敵な人は誰にだって優しい。人を差別しない。だから不快なことをされるのは、自分に非があるわけじゃない。

嫌なら嫌と断っていい。

日本人村に住む以上は環境をガラッと変えるのは難しいけれど、環境が合わないことだってある。自分を責めなくて大丈夫。

他人の言動や行動で自分が傷つけられるなんて、こんな馬鹿らしいこと本来はありえない。

自分を大切にできるのも、時に弱らせるのも主導権はいつも自分自身だから。

我々は24時間一緒にいるんだから、これからはどんな時も味方でいよう。


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