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溌剌にとどまりたくない鮮烈がーる

GIVENCHY#228をオーバーリップ気味に塗った
唇を噛み締める。
深夜の動物園に忍び込んだら眠っていたはずの
ダチョウと目が合い、お互い“お前じゃない
だろ”感で気まずくなった。
黒豹と沢尻エリカでやっと完成する空間に、
ダチョウとあたし。
全く絵にならなくて笑った。
だってお馬鹿さんなんだよ、それもかなりの。
砂に頭突っ込んだり、一羽が走ったら周りも一斉に意味なく走ったり。
メルヘンちっくなこども傘を振り回して寸足らずのズボン履いてるあたしといい勝負だね! なんて声かけてもキレて攻撃してこないでよね。大っ嫌い。

誰の生まれ変わりなんですか、あたし。
占いで聞いたら風呂場のスポンジですね、って
回答が返ってきた。
キッチンのスポンジの方が上という認識もない
けど、謎の敗北感。
どうせ用途でどうのこうの言われるなら、教授が珈琲を淹れる用のビーカーになりたかったわけ
です。恋のキューピッドでしょ、あんなもん。

交差点のど真ん中に誰が置いたのか風呂場の椅子があって、あたしは迷わず座った。
運命ってこういうことを言うの?
誰か写真とってネットで晒してよ。
あたし前世・風呂場のスポンジとして初めて有名になってあげるから。
モノクロにしたらそれなりに作品っぽくなるからサ。
まやかしに過ぎないんだよ、世の中。

夜風は別に気持ちよくもないしエモくもない。
うっすら汗かいてクサくなって明日へのわずかな絶望を突きつけられるだけだから。

ハマショーの『MONEY』がすきです。