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どこでもドアとタイムマシン

どうも。佐藤です。

ブログを書いては挫折しを繰り返しているのですが、ついに30才になったので、久しぶりに書いてみようと思います。

30才というと、なんだか20才とちがってすこし大人になった気がする。ちゃんとしなきゃと思う、でも、ちゃんとってなんだ? まだなにもわからないけど、なんとなく大きな一区切りと再スタートの時な気がして、原点回帰ということでだいすきなドラえもんとともに、人生を振り返ってみようと思います。笑 案の定、長くなるので、ひまつぶしくらいにドウゾ。

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私の周りには幼少期のバイブルはディズニー派、ドラえもん派、コナン派など様々おり、どれも好きだが、やはり推しメンはドラえもんです。ドララ。

アニメのドラえもんのみならず、学習シリーズも愛読し、私の人間性の大部分はドラえもんとともに作られたと言っても過言ではない。エジプト編とかだいすきだった。

そんな中でも、私がTSUTAYAから借りてきたVHSテープをビデオデッキに入れた途端に親が「ああ、またそれか……」と軽く絶望するくらいには見たのがこちら。

この作品は1992年にコロコロコミック(読んでたな〜懐かしい)で連載された長編を1993年に映画化したものです。藤子不二雄先生はこんな前に、こんな作品を作っているなんて天才としか思えない。(以下、ネタバレあります)

この映画、最初のファンタジーとしてのわくわく感の演出もすごいんですよ。夜中の居間のシーンでテレビがザーザー砂嵐になっている。のび太のお父さんが寝ぼけてブリキン島の旅行を注文してしまうところから物語が始まるんですが、特別なリゾートとして描かれるブリキン島での描写は、登場人物が全てブリキのおもちゃで、心にざわざわしたすこしの不安感がずっとあるのだけど、それでいて人間の都合通りにたのしい旅行ができるユートピア的な設定が引き込まれる。

そこから物語は進み、のび太はブリキン島の主、サピオの故郷がロボット文明が発達しすぎていてロボットに支配されていることを知る。そこからサピオの故郷、チャモチャ星を救い出す冒険が始まる。

この時、チャモチャ星はロボットであるナポギストラー博士の独裁状態なのだけど、ナポギストラー博士と人間はぎりぎり共存している。少なくとも、人類を壊滅させるなどの行動は博士は取ってない。

でも、サピオのお父さん、ブリーキン侯爵は「ロボットに支配されるのは危険だ! 現にロボットに労働が代替されて人間は歩くこともままならなくなっている! ロボットを全て破壊すべきだ!」的なことを言うのですね。

結局のところナポギストラー博士は破壊され、ロボットも全滅します。なにも文明がなくなったラストシーンでブリーキン侯爵はこういうのです。

「お終いではありません。始まりですよ。もともと人類は洞窟に住み、石器を使いながら文明を築いてきたのです。やりなおしましょう。機械に頼らず、人間が人間らしく生きていける社会を作りましょう」

この映画が素晴らしいのは、自分の成長や時代ごとに、与える示唆が異なることです。昔から小説でも名作は何度でも読み返したくなるものです。

これ、小学生だった私はすごく感動したんですけど、今の時代を考えたらブリーキン侯爵こそ急進的で超怖い思想ですよね。超自然回帰主義的な。

ロボットは悪。人間性を取り戻そう!

みたいなことですもんね。サピオたちはチャモチャ星でこのあと再起します。いったんはハッピーエンドです。でも、やっぱり2020年、30才の私は、サピオにブリーキン侯爵とはちがう大人になってほしいと思うのです。だって、彼はのび太とドラえもんに会っているのだから。

チャモチャ星は強くロボットに依存し、挙句ロボットを排除するという強行手段にでましたが、地球にはドラえもんがいるのです。こういうラストシーンに唯一ドラえもんがロボットとして立ち合っていることが、藤子不二雄先生の深いところです。先生はこういう未来の選択肢がある、どちらにするのかは君たち次第。お互いの活かし方もね、と言っている気がします。真相なんてわからないけど。

1800年代にラッダイト運動があったけど、現代でもネオ・ラッダイト運動が起きるのでは? と言われている。(いや、起きてるのか?)

やはりこの30才という節目にまたこの映画のことを思い出したのは、ここから学ぶことがとてもあると思ったから。

新型コロナウイルス(COVID-19)と向き合わないといけない今だからこそ、です。

世界は相対的にしか存在できないのだけど、決して極端な二項対立だけで捉えることはよくないと思います。

ロボットと人

人工と自然

重要なのは、バランス。

ドラえもんは四次元ポケットを持っているのだけど、ドラえもんの四次元ポケットは無限にモノがはいるってやつ。SFなんかでは時間軸を含めたものが四次元という扱いが多い。ウェルズのタイムマシンとか。物理とか本当の学問の世界ではきっと違うのだろうけど、いったん私的に四次元はタイムマシン的な時間軸だという前提で話を進めます。

これからバランスを大切にしていく世界のなかでカギになるのは「どこでもドア」と「タイムマシン」なんじゃないかと密かに考えている。

ドラさんによる振り返りを経て、すこし自分の話。いいよね、誕生日だし。

幼稚園生の頃からドラさんと冒険していたこと、茨城県に住んでたからJAXAが近かったこともあって、小さい時は宇宙飛行士になりかたった。でも、高校生くらいには海外で働きたくなって、今では「ローカル」でやっていきたいと考えている。

これってこんな感じで、だんだんフィールドが小さくなっているということなんだろうか?

自分ではそうは思っていなくて、こういうことなんじゃないかと思っている。

確かに宇宙とローカルは面的に見れば小さくなっているかもしれない。でも、それは「空間」って軸を入れた場合で、実は軸が変われば広がるのでは? と思う。空間のところのはてなに例えば「ひとのつながり」を入れるとか。

ローカルっておもしろくて、若者もじいちゃんばあちゃんもいる。ローカルの中でいろんなレイヤーのひとがいて、レイヤーで時代もちがって、まさにタイムマシン的な。

じゃあ、やっぱ昔ながらの地域のつながり! 自然と暮らす! これだとブリーキン侯爵と同じになってしまう。私はこれからの時代は

地域 × ネットワーク

なのではないかと思っている。×の部分をつなぐのは、教育や文化、食、私だったらツールとしてのまちづくりかなあと。

そして、ブリーキン侯爵にならず、サピオがナポギストラー博士と握手するためには、地域を見つめる時に、技術と向き合うこと。

コロナはあったが、ここまでグローバル化された社会が完全にクローズしていくとは思えない。そういう背景もある中で、文化ってなんだろう? 国ってなんだろう? とよく考える。でも、自分のまちづくりという視点や家という視点からみたら、その土地の自然環境、生活様式によって立つ建築や風俗、歴史みたいなものは残り続けると思うし、アーカイブという形でも残り続けてほしい。アーカイブとアウトプットのひとつのツールが教育かもしれなくて、まちづくりは本来とても教育と相性がいいのだと思う。

たとえば、日本海の県と太平洋の県の建築士が交換留学するとか。世界でやってもおもしろいし、日本でやってもおもしろい。

だから、30代でやりたいことは、ここが自分の立つ場所! ってホームにちゃんと地に足つけて、ほかの地域とネットワークしていくこと。そして、ホームでは自分のルーツのひとつである農業にも立ち戻ること。

自分はなんでまちづくりをしているのだろうと考えると、つまるところミクロに言えば「ひと」に興味があって、マクロに言えば「世界の成り立ち」みたいなものに興味がある。

ひとはどこで形成されるのだろうか? 育った環境? 家族? 教育? 環境がまちや家といったハードウェアだとすれば、教育やひとのつながりはソフトウェア。今までやってきたまちづくりをハブに、次の10年はソフトウェア側にいきたい。起業家だった祖父が人生は10年単位で考えるといいよって言ってたし。20代はハードウェア。30代はソフトウェア。40代でようやく自分のやりたいことができる勉強が整い、アウトプット出来はじめて、50代でいい仕事ができるようになりたい。

極端な二項対立はよくないのだけど、相対的にあるから輪郭が浮かび上がるものもあると思っている。東京があるからこそ、地方の価値がある。ちなみに私は、東京も大好きだ。

教育っていうのも、頭だけじゃいけないはずで、そもそも思考は言語に規定されているし、だからこそ私は五感とか身体の延長みたいなこともめちゃくちゃ気になる。

言語・思考 × 五感・体験

知的欲求 × 三大欲求

都市 × 地方

知的サービス × 一次産業

こう書くと大きな話に見えるけど、こういうことを自分の生活に落としてひとつずつ実現させていきたいなあ。

自分のホームといろんな地域をつなげるどこでもドアと、地域の人の中に眠っている知識を体験・勉強できるタイムマシンをつくりたい。

まずは、まちづくり、そしてライフワークとしての農業から。20代はとにかく目の前の仕事を選ばずにひたすらがんばる! って感じでだった。30代は自分のプロフェッショナルをつくれるように努力をしようと思います。

振り返ると20代は、私自身のひとのつながりが大きく広がった時期で、ひとに出会い、支えられた時間でした。

30代はそのつながりに感謝しつつ、仕事で恩返しできるようにしたいです。

ドラえもんとともに、ながーい日記と抱負になってしまったけど、読んでいただきありがとうございます。

これからもよろしくお願いします!

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