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日本的なウェルビーイングを実現する、柔らかくしなやかなテクノロジー。

2月1日(土)、東京お台場にある日本科学未来館で、国内外から魅力的な講師をお迎えして「IoTとFabと福祉」の国際シンポジウムを開催します。

今日はパネリストとして登壇する渡邊淳司さんをご紹介。

掲載している写真や画像は、以下のURLから拝借しております。
渡邊淳司/NTT コミュニケーション科学基礎研究所
日本基礎心理学会「心の実験パッケージ」開発委員会

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[写真中央:渡邊淳司さん]

渡邊淳司さんは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所で上席特別研究員をされています。

「上席特別研究員」とは、NTTグループにとって長期的に重要と判断される研究分野において、革新研究/先導的な技術開発を牽引する使命を担っている、極めて優秀な研究者に与えられる称号だそうです。

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なんだかとってもすごそう! 
でもフツーの人にはわからない、すごく難しいことをされているのかな?

いえいえその心配にはおよびません。

渡邊さんの研究は、とっても柔らかくしなやかなもの。

たとえばよく知られている研究のひとつに「心臓ピクニック」があります。

ふだんあまり意識することのない自分の心臓の鼓動を、手のひらサイズの振動スピーカーに移植し、自分の手で触って感じられるようにしたもの。他の人と、お互いに自分の鼓動を交換しあってコミュニケーションを図ることもできます。

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渡邊さんの研究分野は「インタフェース」です。

「インタフェース」とは、人やモノやコト、異なる2つのものが接する境界面のこと。その接する面をとおして、情報のやりとりがおこなわれ、お互いに影響を及ぼしあう。そこでの情報のやりとりを支える技術や方法論を研究するのが、インタフェースの研究です。

人と機械のインタフェースでいうと、例えば、キーボードやタッチパネルなどがあるでしょう。(それにしてもタッチパネルの操作性は飛躍的に向上しましたね。機械オンチの筆者でも、日々スマホ画面にタッチする毎日です…。)

しかし、渡邊さんが取り組むのは、人と機械の境界ではなく、人が機械の向こうに感じる別の人との新しい関わり方、機械を介した人と人とのインタフェースということです。そして、より包括的な、多くの人が集まることでできる人と社会の関わりです。

心臓を手のひらの上の触感として感じるように、人が自分のことや相手のことを、実感や共感を持って感じあうための技術を開発し、人と人、人と社会の関係をよりよいものにしていこうというのが、渡邊さんの研究の核に確固としてあるように思います。

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[NTT研究所発 触感コンテンツ専門誌 ふるえ]

そう考えると、渡邊さんが福祉と関わりの深い「ウェルビーイング」に着目するようになったのも、ご自身の研究の流れからいって、必然だったのかもしれません。

渡邊さんは各分野の専門家と(情報科学、メディア、コミュニティ、法律、アート、宗教など)共同で「日本的ウェルビーイングを促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及」の研究プロジェクトに参加されています。このプロジェクトの行く末もとても気になります。

このプロジェクトの一環として監訳された『ウェルビーイングの設計論(原題:Positive Computing)』( 2017年、BNN新社)は、海外の人たちがウェルビーイングをどう捉え、どう実現しようとしているか具体的に知ることができます。

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『Positive Computing』の著者のひとり、ラファエル・カルボさんと今回基調講演をするセリーヌ・ムージュノさんはイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンで同僚の関係にあります。

セリーヌさんと渡邊さんのパネル討論では、イギリスと日本の「ウェルビーイング」の違いや、ウェルビーイングをどう実現するか、そのときテクノロジー(とりわけIoTやAIなど)は何ができるかなどなど、お二人の話を聴くことができるかと思います。

2月1日(土)の国際シンポジウムで、私たちのウェルビーイングを一緒に考えてみませんか?

[参考]
渡邊淳司/NTT コミュニケーション科学基礎研究所
日本基礎心理学会「心の実験パッケージ」開発委員会
心臓ピクニック
■ NTT研究所発 触感コンテンツ専門誌 ふるえ
WORKSIGHT:身体性に根差した「自分のウェルビーイング」を求めて
■ 日本的ウェルビーイングを促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及
■ ウェルビーイングな暮らしのためのワークショップマニュアル


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