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テレビCMの費用は?|誰でも使える計算式を紹介

テレビCMの費用っていくらぐらいかかるものなの?

▼結論
だいたいリーチ単価0.3円ぐらいだと思っておけばOK

この場合のリーチの定義は、
テレビCM放送中にテレビの前にいると推定される人1人(重複含む)です。

画面に映るテレビCMを注視しているかどうかはわかりません。
好きな芸能人のCMだからと食い入るように見ているかもしれませんし、
番組再開までスマホをチェックしているかもしれませんので注意。

そして、なぜ「推定」なのかというと、
視聴率の計測がサンプル調査だからです。
視聴率は全世帯のテレビでチェックされているわけではありませんので。
そんなにズレはない...はず!と信じるしかないです。

単価0.3円と聞けば、
デジタル広告だと1,000imp(300円)から広告を回せるわけですが、
テレビの場合はそうはいきません。(そこの解説はさすがに省きますね)

テレビCM枠の売買では、
15秒のCM動画を何回放送するかを事前に決めておく必要があります
デジタル的な用語でいうと予約型広告ということになるでしょうか。

ひとつ例を挙げてみましょう。

関東地方でテレビCMを50回流したいとします。
テレビの視聴率は平均で3%ぐらいなので、
人口約4,000万人の関東地方だと
放送1回あたりのリーチは約120万人(4000万×0.03)です。
それが50回なので、
(120万人×50回)×リーチ単価0.3円=約1,800万円
となります。

公式っぽく表すなら、

テレビCMの予算目安 = 放送エリアの人口 ×0.03 × 放送回数 × 0.3

です。

実際の売買はリーチ単価ではなく視聴率1%コストで行われるので、
多少のズレは生じますが、
おおよその予算感を出したい場合は上記の方法をおすすめします!

視聴率1%コストについて詳しく知りたい場合は、
別の記事で解説していますのでどうぞ。


さて、先ほどの例ではしれっと「関東地方」としましたが、
ここの部分で引っかかる方のために放送エリアについて少し解説します。

地方出身の方ならイメージがつきやすいと思うのですが、
テレビは地域によって管轄する運営会社(テレビ局)が分かれています。

▼関東(1都5県+山梨)
日テレ、TBS、フジテレビ、テレ朝、テレ東

▼関西(2府4県)
読売テレビ、MBS、関テレ、ABC、テレビ大阪

▼東海(3県)
中京テレビ、CBC、東海テレビ、メ~テレ、テレビ愛知

▼福岡
福岡放送、RKB毎日放送、テレビ西日本、九州朝日放送、テレQ

など、全国32エリアに分かれています。

つまり、この放送エリアをまたいでCM枠を買うことはできません
関東と関西で放送したいときは、
それぞれのエリアのテレビ局のCM枠を別々で購入する必要があります。
また、関東の中で“東京だけで放送”といった選択もできません。
これはデジタル広告と比較したときの大きなデメリットとも言えます。

ちなみに、先ほど示した予算感の計算(リーチ単価0.3円ベース)は、
エリアが変わっても問題ないです。

関西なら人口約2,000万人に置き換えて計算、
福岡なら人口約500万人で計算してください。

ん?ちょっと待って?

日曜劇場とか見てると「サントリーの提供で~」とかってなってるけど、
あれはどういうこと?VIVANは全国で放送されてたよね?
全国それぞれの放送局のVIVANの枠をサントリーが買ってるの??

そんな疑問が当然湧いてくると思うので一応補足します。

一部の番組、いわゆるゴールデンタイムの番組に多いですが、
全国ネットと呼ばれるものがあります。

全国一斉に同じ時間に放送される番組のことです。
VIVAN(日曜劇場)の場合、日曜21時は
TBSが全国のTBS系列の放送局の枠を持っている(買い上げている)のです。

全国ネットの番組でCMを流す場合には、基本的に
その番組(時間帯枠)のレギュラースポンサーになる必要があります。
業界用語でタイムCMと呼ばれるものです。
ネットタイム(全国)とローカルタイム(エリアごと)があります。

ドラマの内容が3カ月ごとに変わろうが、タイムスポンサーは、
半永久的に月額料金を支払わなければなりません。
その料金は一概には言えませんのでここでは言及しませんが、
ゴールデンタイムの全国ネットであれば、それなりだと想像してください。

日曜劇場のように歴史の深い枠もあるので新規参入のハードルは高めです。
(特定の大手広告代理店が買い上げている枠も多いです)


さて、話を戻しまして、
基本的にテレビCMは、1週間~1カ月ぐらいの期間で各放送エリアごとに
50回~150回程度の放送回数分の枠を買う
、というケースが多いです。
放送される時間帯や番組はランダム(放送局に一任)です。
専門用語でスポットCMと呼ばれるものです。

例えば、マクドナルドなどは全国に店舗がありますので、
月見バーガーのCMは、販売時期の9月に
全国32エリアの放送局の枠をそれぞれ購入しているということになります。

えええ!めちゃくちゃ大変な作業!

と思うかもしれませんが、実際は間に大手広告代理店が入っていますし、
長い歴史の中でスムーズに対応できる仕組みが出来上がっているので
月見バーガーのような事例は日常茶飯事だったりします。


▼まとめ
・テレビCM枠は放送エリアごとに購入する必要がある
・リーチ単価0.3円&視聴率3%で計算するとおおよその予算感がわかる
・1週間~1カ月の期間で50~150回程度の放送が目安(スポットCM)
・月額料金で番組枠をレギュラーで買う方法もある(タイムCM)

少しでも参考になれば幸いです!



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