クリエイティビティ(創造性)の生産性
イノベーションを起こすためには、今までなかった視点や方法等、創造性を最大限に活かしたクリエイティブなブレークスルーが必要です。もし、生産的なクリエイティビティが実現できるのであれば、より多くのイノベーションを起こすことができます。そんなことは可能なのでしょうか?
高いプロダクティビティ(生産性)とは?
そもそも、生産性は、どのように測るのでしょうか?基本的には、インプットとアウトプットの差になると思います。インプットは、リソースのことであり、リソースには、人的なリソースや、機械的なリソース、そして、時間、また、資金投入額であったりします。アウトプットは期待される成果物になり、それは、売り上げであることもあり、製品であったりすると思います。そして、生産性向上とは、より少ないインプットで同じアウトプットを出すか、同じインプットでより多くのアウトプットを出すかのいずれか、ないしは、両方になります。
生産性の向上で、有名な例としては、ヘンリーフォードによる車の大量生産があります。この大量生産ですが、こちらの記事によると、モデルTを発表した当初の1908年では、1台の生産コストが950ドルであり、10,000台程度しか生産できませんでした。しかし、その後、1924年には、1台あたりの生産コストが、300ドルまで下がり、さらに、200万台の生産が可能になりました。1台にかかるコストというインプットが減り、アウトプットが200万台に増え、生産性が向上したと言えます。
クリエイティビティ(創造性)とは?
それでは、クリエイティビティとは何でしょうか?基本的には新しいアイデアや解決策のことになると思います。Apple社の創業者であるスティーブ・ジョブズは、クリエイティビティについて、以下のように述べています。
つまり、創造性とは、あるタイミングで、何かが見えることになります。では、どんなタイミングで創造性は発揮されるのでしょうか?これは、自身がどんなタイミングで新しいアイデア等を思いつくかを考えれば分かります。人によっては、歩いているときであったり、シャワーを浴びているときだったりすると思います。アイザック・ニュートンの「万有引力の法則」は、りんごが木から落ちることを見て、ヒントが浮かんだことは有名です。しかし、アイザック・ニュートンは、りんごが落ちることを期待して外を歩いていた訳ではないと思います。引力について考えながら歩いている際に、たまたま、りんごが落ちる瞬間を見て、重力とりんごが落ちる事象が繋がったのだと思います。残念ながら、クリエイティビティにおいて、アイデアに出会うタイミングというのは、自分ではコントロールしづらいと言えます。
クリエイティビティ(創造性)における生産性とは?
プロダクティビティ(生産性)と異なり、クリエイティビティ(創造性)は、インプットとアウトプットに相関性がありません。よって、インプットを増やしたからといって、アウトプットが増えるとは一概には言えません。
もちろん、スティーブ・ジョブズが言ったように、クリエイティビティは、アイデアや物事を繋げることによって生まれるため、アイデアや物事のインプットが沢山あった方が繋がる可能性が高くなります。しかしながら、どのくらいのインプットが必要かについては、なんとも言えないところです。よって、創造力を高めるためには、アウトプットが増えることを期待して、とにかく情報や経験等のインプットを行うということしか、インプットとアウトプットの議論では言えません。
新しいアイデアが思いつく瞬間というのは、人それぞれで異なりますが、それぞれ経験則として、どんなタイミングで思いつくことが多いというのがあると思います。たとえば、歩いている間や、シャワーを浴びている間等です。そのような状況をより多く作り出すことによって、新しいアイデアが思いつく瞬間が発生する可能性を増やすこともできると思います。
一般的な生産性は、インプットを少なくするないしは、アウトプットが大きくなるように改善することで、向上できますが、クリエイティビティにおいては、インプットとアウトプットによって議論ができません。よって、とにかくインプットを増やし、アイデアが思いつくような環境にいる時間を増やすことが、クリエイティビティの向上において大切になります。
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