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ERAサイクル(リフレクション/内省フレームワークの紹介)

ERAサイクルは、スウォンジー大学の教授であった、メラニー・ジャスパー氏(Melanie Jasper)の著書、「Beginning Reflective Practice」にて紹介されたリフレクションフレームワークです。彼女は、ヘルスケアの分野における、リフレクションの実践を推進していました。

ERAサイクルとは?

ERAサイクルは、経験(Experience)、内省(Reflection)、実践(Action)の頭文字を取ったシンプルなリフレクションフレームワークとなります。ジャスパー氏は、内省は、3つのコンポーネントによって成り立つと述べ、それらを、「ある人に対して起こったこと(経験)」、「経験からの学びを有効なものにする内省プロセス」、「獲得された新しい視点によるアクション」としました。よって、ERAサイクルは、経験し事象に対し、その経験を内省ないしは振り返りを行うことによって、経験から学び、その学びを実践に活かすといった内省サイクルを言います。そして、このサイクルを繰り返すことにより、学びやナレッジを増やしていくことになります。ジャスパー氏は、内省の実施とは、実施したことから学びを得るための戦略であるとも言っています。

ERAサイクルの良い点は、シンプルなところであり、要約すると、経験後、内省・振り返りをし、それを次に活かしましょうとしているだけですので、難しいことを考えずに始められるのが良いところではないでしょうか。振り返りを行う時間がないといったようなケースの場合、このERAサイクルから、リフレクションを始めることで、内省の重要性を認識でき、そして、内省からの学びを実感できると思います。

なお、日本では、ほぼ同等なリフレクションフレームワークとして、YWT法があります。

ERAサイクルの簡単な実践例

ERAサイクルは、シンプルですので、理解が難しいことはないと思いますが、TOEICのテストをベースとした英語学習を例に取って考えたいと思います。

経験

まずは、「経験」ですのでTOEICの点数が低く特にリスニングが低かったとします。

  • TOEICのリスニングの点数が低かった。

内省

次に、「内省」として、なぜ、リスニングの点数が低かったのか、どんなことをするべきかを考えます。

  • テストで会話の速さについていけないため、理解ができず点数が低かった。リスニング教材を購入し、それを繰り返し聞くことで、会話の速さに慣れた方が良い。

実践

そして、内省の結果を受けて、「実践」をし、次の経験の結果を見ます。

  • 毎朝、購入したリスニングの教材を聞くことにし、次のテストに備える。

上記の結果、次回のTOEICにおいて、リスニングの点数が向上していれば、効果が出たことになります。たとえ効果が出たとしても、次回の点数を振り返って、内省をすることで、次の課題が明らかになり、それの改善策を考え、それを実践することで、TOEICのテストの点数を継続的に向上させることができるようになります。

このように、ERAサイクルは、シンプルで理解がしやすいため、誰にでも簡単に利用できます。逆に、思考のステップを細かく管理したい場合、ERAサイクルは、三つにしかサイクルが別れていないため、物足りなくなるかもしれません。


現在、GROWモデルといったコーチングおよび内省や経験学習のフレームワークを活用した、目標およびアクションマネージメントシステムを開発しております。製品に関するご意見を募集しておりますので、何かございましたら、以下よりお気軽にご意見お寄せください。


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