ハッサクに重曹
今が旬のハッサク．
すっぱさ・ほろ苦さが特徴的なミカンだが，
じつは重曹をかけるだけで酸味が減り，食べやすくなる．
1. ハッサクのオンバーン
昨日はオンバットのコミュニティ・デイ．
オンバーンの代名詞とも言えるわざ「ばくおんぱ」が登場した．
オンバットは，音波 + bat（コウモリ），
オンバーンは，音波 + wyvern（ワイバーン：イギリスの竜），
に由来していると考えられる．
分類もそのまま，おんぱポケモンである．
オンバーンと言えば，X・Y の四天王：ドラセナの切り札ポケモンだが，
私はむしろ SV の四天王・教師：ハッサクのポケモンとしての印象が強い．
これはなぜか？
もちろん，ハッサクは学校最強大会の周回から抜ける目印だから，単純接触効果で印象が強くなったというのも一因だ．
しかし最大の原因は，オンバーンが先鋒（先頭）だからだと思う．
考えてみればドラセナにしても，大将のオンバーンより，先鋒のドラミドロのイメージが強い．
ダイゴならエアームドの「ﾎﾊﾋｲー」が，シロナなら「おんみょ〜ん」が脳内再生される．
最初が肝心という傾向は，忙しい現代において顕著だ．
最近のヒット曲は，出会って０秒でサビが当たり前になった．
論文も現代的重点先行主義で，結びが冒頭の著者抄録へと完全に移行した．
ブログや動画も，みんな冒頭だけ見てさっと帰ってしまう．
情報社会に生きる我々は，とにかく時間に追われている．
皮肉なことに，技術の進歩で仕事が楽になるどころか，単位時間あたりのノルマは増える一方だ．
そんな現代だからこそ，時間を忘れて好きなことに没頭するのは，健康に生きるためにとても大事だ．
私の場合，考え事・調べ物がそれにあたる．
野口整体でいう，上下型１種体癖だ．
体癖については，少しずつ記事で解説していきたい．
（上下型は，このようにすぐ興味が移って話が脱線する）
今日は，オンバーンから四天王・教師のハッサクを連想し，果物のハッサクについて気になったので，調べ物ついでに本記事を書いている．
2. ハッサクに重曹
アカデミーの美術室で机上に置かれたオレンジ．
：『オレンジ』，（2009）．
わざわざハッサク氏のすぐ隣にあり，グレープアカデミーでもブドウではなくミカンなので，もしかするとハッサクなのかもしれない．
ハッサク（八朔）は，冬が旬の柑橘類だ．
江戸時代末期の 1860 年ごろ，広島県因島の浄土寺の住職：小江恵徳上人の生家の畑で，近所の人が捨てた柑橘の種からできたのが原木とされる．
これも徳を積んだ上人のなせる業かと思わせるようなエピソードだ．
うちの庭にもハッサクが生えているが，ちかごろ実にならない．
今年は，なんとかOKサイン大の未熟な実が２つできたけれど，他はみんな落ちてしまった．
別のみかんの木も２本枯れてしまって，植物は難しいなあと思う．
さて，今では全国に広まったハッサクだが，果皮も袋も厚く，味はすっぱさとほろ苦さがあるため，好んで食べる人は多くないかもしれない．
昔のミカンは，今のように甘〜いものではなく，ハッサクのように酸味が強いものが多かったらしい．
それをおいしく頂く先人の知恵が，重曹だ．
柑橘類をはじめとした多くの果物のすっぱさが，クエン酸に起因する．
クエン酸に重曹を混ぜると，次式：
$${3\mathrm{NaHCO_3}+\mathrm{C_6H_8O_7}\\\ \rarr\mathrm{Na_3C_6H_5O_7}+\mathrm{3CO_2}+\mathrm{3H_2O}}$$
の中和反応により，塩：クエン酸三ナトリウムと二酸化炭素，水が生成する．
このナトリウム塩は，よい塩味と香味を示し，食品添加物として用いられる．
ただし，これは自然界の食品にもともと含まれている天然物であり，人間が摂取しても問題はないと考えられる．
また，二酸化炭素と水との生成は，炭酸水を意味する．
すなわち，ハッサクに重曹をかけると，ハッサクの炭酸ジュースができる．
ミカン全般やキウイ，イチゴ，梅干しなどについても同様だ．
親やおばあちゃんの世代にきいてみれば，こうしてミカンの酸味を和らげて食べていた方がいらっしゃるだろう．
すっぱい果物が苦手な人は，騙されたと思って重曹をかけてみてほしい．
ひとつ注意しておくと，口の中で中和反応が起きたら，よく振った炭酸ジュースのように口からあふれてしまう．
少しずつ口に含むか，皿の上でしゅわしゅわ反応させてから食べよう！
ハッサクに重曹
すっぱいハッサクに重曹をかけると食べやすくなるように，
少しの工夫で望ましくない状態が改善すること．
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