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【2020読書】No.401『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵』

本日もお読みいただきありがとうございます。
昨年は、305冊の本を読みました、五木田穣(ごきたゆたか)です。

過去5年間で1015冊の本を読み、その記録はFacebookの方にしてきましたが、今年から、更新の仕方を変えつつ、こちらに記録をアップしております。

読書1015冊

2020年11月3日。2020年308日目。

2020年401冊目の読書は、
『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵』
でした。

※なお、この投稿は、本の内容を要約する趣旨のものではございません。

あくまで個人的な感想をベースとしており、その心は、
本は自分で読んでこそ、自分の血となり肉となると考えるからです。

そこは、「知識」と「知恵」の違いであり、
「知識」を「見識」に高めるためには、
あくまで自分の知識と経験を高める必要があると考える
からです。

この記事が、何かのきっかけになれば幸いです。

読もうと思った理由

アドラー本を読みたくなり、続けてアドラー本を読んでみましたが、
本屋で『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の岸見一郎さんの本を見つけ、
合わせて読もうと購入しました。

読んだ感想

哲学者であり、心理学者である岸見先生の本領発揮といった本。
哲学的に、徹底的に「幸福」というものを考える。

哲学者として、心理学者としての知見、ご本人の実体験をベースに、
哲学的な思考を繰り返し、
どんどん具体的にされていくのがとても面白く、読み応えがある。

「幸福」が何かを知らなければ、どうすれば幸福になれるかもわからない。

「幸福」とは、空気のようなもので、
失われた時に初めてその幸福を経験する。

幸福は、「質的」なものであって、「量的」なものではない。
幸福は、「質的」なものであるから、個々人によって異なる。
故に、何が幸福かというのは、他者には理解できないことがある。

「成功」と「幸福」は、イコールではなく、
「成功」は一般的であり、「幸福」は個別的である。

同じことを経験したからといって、皆が同じになるわけではない。
同じことを経験しても、それをどう解釈するかは人によって違う。

経験と幸福や不幸に因果関係はない。
故に、幸福は偶然には左右されない。
外的なこと、偶然的なことに影響されるのは「幸運」である。

幸福や不幸であるための条件は、存在しない。
何が「ある」か「ない」かでは、幸福も不幸も決まらない。

幸福であると「思われる」のと、実際に幸福で「ある」のは違う。
前者は他者からの解釈で、後者は本人の解釈である。

幸福は目標ではなく、結果に過ぎない。
幸福は追求するものではない。
幸福に「なろう」とすると、幸福にはなれない。

幸福とは「なる」ものではなく、幸福で「ある」ものである。
doではなく、beである。
do happyとは言わない。be happyである。

アドラーは、「あらゆる悩みは対人関係の悩みだ」と言っている。
悩みがない状態を幸福と捉えるなら、
対人関係の中にこそ幸福があると考えられる。

何らかの共同体の中に、自分の居場所があると感じられることは、
人間の基本的な欲求の1つである。

誰かの役に立っていると感じられることは、
自分の存在価値を認めるために必要である。

例えば、赤ちゃんは存在だけで、周りを幸せな気持ちにさせる。
例えば、家族の命が危なくなった時、生きていてくれるだけで幸せな気持ちにさせる。

あなたという存在がそこにあるだけで、あなたには価値がある。
自分の価値とは、「行為」ではなく「存在」にある。

「持つ」ことと「ある」こと。
「所有する」ことと「状態である」こと。

一般に成功と言われる、お金や地位や名誉は、持つものなのでなくなる。
「幸福」とは「状態」であり、幸福を失うことはない。

成功と幸福はイコールではない。

対人関係の中でしか、人は生きる喜びや幸福を感じることはできない。
人と人の間で生きるのが、人間だから。
社会的な動物が、人間だから。

幸福になるのではなく、幸福であるためには、
自分には価値があると思い(自己肯定感)、対人関係を避けず、
対人関係に入っていき、関係性をよくしていく必要がある。

アドラーの「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」
という言葉がより染み渡ってくる。

まあ、そんなこんなで、
これぞアドラー心理学の真髄だと思えるような本でした。

何度も読み返したい1冊となりました。

こんな方にオススメです!

・アドラー心理学に興味がある方
・アドラー心理学の理解を深めたい方
・幸福とはなんぞやということに興味がある方
・幸福になりたいと思う方
・対人関係の悩みを解決したい方
・人生を前向きに歩みたい方
・ピンときた方

今までに読んだアドラー本。

これまでに読んだアドラー本をご紹介します。

  

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