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『今度こそ、ぽっこりお腹をへこませよう! 40歳からの中年太りを解消!』第一章・無料全文公開

書籍『今度こそ、ぽっこりお腹をへこませよう! 40歳からの中年太りを解消!』より、第一章「なぜ40歳を過ぎると太りやすいのか?」の無料全文公開!
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1.40代から体が衰える3つの原因

〈原因1〉酸化

例えば自転車のチェーンなど、鉄を長い期間、外気にさらしていると、酸素と反応して錆びますよね。これが酸化です。人の体も40代を過ぎると、このような錆びが起こります。

サビの原因は「活性酸素」です。人は食べ物から取り込んだ糖質や脂質に、外気から取り込んだ酸素を燃焼させてエネルギーを作り出します。

このときに活性酸素が発生します。この活性酸素が、細胞を構成する脂質などを酸化させます。活性酸素は、エネルギーを作るときに発生するので、生きている限りは避けられないものです。

人の体には、活性酸素を毒性の低い物質に変える「酵素」もあります。食事からしっかりと栄養を摂取し、体内の酵素を補っておけば、酸化を防げます。
酵素以外にも、活性酸素を消去する物質はあります。抗酸化物質と呼ばれるベータカロチン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、フラボノイドなどです。これらの食材や酵素については、第4章の「40~50代が摂るべき栄養」で紹介します。

逆に、活性酸素を生み出してしまう悪習慣もあります。40代を過ぎてから老化を感じている方は、次の5つに気をつけながら生活習慣を整えましょう。

1.喫煙

タバコの煙を吸い込むと、白血球が多量の活性酸素を作り出します。

2.飲酒

肝臓でアルコールを分解するときに活性酸素が発生します。

3.激しい運動

筋トレやランニングでエネルギーを大量に使うと、発生する活性酸素も多くなります。

4.食べすぎ

消化・吸収に大きなエネルギーを使うと、活性酸素の発生量が増えます。

5.ストレス

ストレスが続くと体の機能が低下し、活性酸素が発生しやすくなります。


〈原因2〉糖化

「糖」は体にとって大切なエネルギーですが、炭水化物(糖質)を摂りすぎると糖化という悪い作用が働いてしまいます。

体を作る主な成分はタンパク質です。細胞も大部分がタンパク質ですし、酵素や脳の情報伝達物質もタンパク質です。その大事な成分が、糖(ブドウ糖)によって変化することを「糖化」といいます。

糖化が進むとタンパク質の働きが悪くなり、体の機能が低下し、エネルギーの消費も滞りがちになります。つまり、糖化によって余分な脂肪が溜まりやすくなり、太りやすい体になります。


■糖化のデメリット

糖化のデメリットは、単に太りやすくなるだけでありません。体内のどの部分で糖化が起こるかによって、現れる症状も変わります。

例えば、脳の神経細胞で糖化が起こると、うつ状態になりやすくなります。血管で糖化が起こると血行不良や冷え性になったり、場合によっては動脈硬化に繋がります。さらに皮膚のコラーゲンが糖化すると、肌の弾力がなくなり、老けた印象になってしまいます。


■食生活がカギを握る

実はこの糖化は、日常生活のちょっとした心掛けで防げます。そのカギとなるのが食生活です。

糖化を防ぐためには、糖質の多い食べ物を取りすぎないように注意したり、食事をするときは時間をかけてゆっくり食べましょう。

働き盛りのビジネスマンは、ラーメンやカレーなどの炭水化物を単品で注文したり、子育て中の主婦の方は家事や育児の時間に追われて早食いになりがちです。

単品料理ではなく定食を注文して品数を増やしたり、短い食事時間の中でも噛む回数を増やすなど工夫をしてみましょう。


〈原因3〉ホルモン変化

ストレス社会といわれる現代では、誰もが何かしらのストレスを感じていると思います。
人間関係のストレス、コロナウイルスや気象災害などによる環境的ストレス、将来の不安などによる社会的ストレスなど、さまざまなストレスがあります。

40代を過ぎると責任のある仕事を任されたり、子育てや家事などにもエネルギーを使います。

もちろん、やりがいのある仕事や可愛い子どもの成長を見られる楽しみもありますが、今まで経験のないことを行なうのは、少なからずストレスやプレッシャーを感じます。


■ストレスホルモンが分泌

人はそのようなストレスを感じたときに、副腎皮質という器官からコルチゾール(ストレスホルモン)を分泌します。これは過度なストレスから心と体を守ろうとする働きです。

このストレスホルモン自体は悪者ではありませんが、ストレスホルモンが過剰に分泌されると、他の部分でさまざまな悪影響を及ぼします。

例えば、若さを保って免疫力を維持するホルモン(DHEA)をはじめ、男性ホルモン(テストステロン)、幸せホルモン(セロトニン)、睡眠ホルモン(メラトニン)などの分泌を減少させます。


■テストステロンが減少

現代人はストレスによって、男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下しやすいといわれています。
テストステロンは筋肉量や筋力の維持に必要なホルモンなので、テストステロンが減少すると筋肉が減り、太りやすい体になります。

ストレスを解消するには、運動がおすすめです。屋外をウォーキングして日の光を浴びることでセロトニンが分泌されたり、筋トレによってテストステロンの分泌を促せます。

2.痩せにくく、太りやすい体になる

中年太りの原因は、基礎代謝の低下です。基礎代謝というのは、心臓を動かす・呼吸をする・体温を保つなど、生命の維持に必要なエネルギーで、寝ていても絶えず使い続けているエネルギーです。

この基礎代謝は1日の総消費エネルギーのうち「7割以上」を占めています。そのため、基礎代謝量が多ければ痩せやすく、少なければ太りやすい体といえます。

基礎代謝が低下する理由の1つが筋肉量の減少です。自主的に筋力トレーニングなどをしなければ、筋肉量は加齢とともに減少していきます。

筋肉の減り方は部位によって異なり、下半身の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス・大殿筋など)から減っていきます。

体の中で特に大きい筋肉である大腿四頭筋(太ももの筋肉)は、20代と比較して40代では10%減少、60代では30%減少するといわれています。

そのため、スクワットなどの筋トレを行なって筋肉の減少を防ぎ、基礎代謝を維持することが、中年太り解消の近道となります。

〈加齢とともに「基礎代謝値」が減少〉

基礎代謝量は「体重×基礎代謝値」で計算できます。基礎代謝値とは、体重1㎏あたりの消費エネルギー量で、加齢とともに減少します。

20代の基礎代謝値は「24.0」、30~40代は「22.3」、50~60代は「21.5」、70代以上は「21.5」となります。
※厚生労働省「第六次改定 日本人の栄養所要量」より

この基礎代謝値に体重を掛け算すると、自分の基礎代謝量がわかります。体重・年齢別で計算しましたので、あなたの体重・年齢と照らし合わせてみてください。

このように、同じ体重でも年齢によって基礎代謝量は異なります。多くの人が、体重は計っていても、基礎代謝量までは測っていません。

「私は20代の頃から体重が変わっていないから大丈夫」と油断していると、いつの間にか太りやすい体に変わってしまうので注意が必要です。

今度こそ、ぽっこりお腹をへこませよう! 40歳からの中年太りを解消!_imag1

3.仕事ストレスで体重が増える理由

40代になると会社内でも役職がついたり、重要なプロジェクトを任されるようになります。20~30代の頃にはなかった責任重大な仕事を、プレッシャーを感じながら行なっている人もいます。実はそのプレッシャーや仕事ストレスが、肥満の要因の1つとして挙げられます。

〈ストレス太りは実在する〉

ストレス太りは実在します。その理由はコルチゾールです。コルチゾールはストレスホルモンと呼ばれ、「闘争(逃走)反応」を引き起こします。これは恐怖を感じたときの生体反応です。

例えば、旧石器時代に生きていた人達は、マンモスと遭遇したときに「戦うか、それとも逃げるか」を瞬時に判断します。人は身の危険を感じたときに、次の行動の準備をします。そのときに必要となるホルモンがコルチゾールです。

もしも私達の先祖が生命の危機に遭遇したとき、「戦う」「逃げる」という判断が正しくできていなければ、生き残ることができず、私達が今こうして生を授かることはなかったでしょう。

「ストレスホルモン」という言葉を聞くと、悪いイメージを持つ方もいると思いますが、人が生きていく上で重要なホルモンなのです。


■ストレスで「肥満ホルモン」も分泌

コルチゾールは生命の維持に必要ですが、大量に分泌されるのは好ましくありません。なぜなら、コルチゾールが分泌されると、肥満ホルモンとも呼ばれるインスリンが分泌されるからです。

1998年に行われた研究によると、健康な人に多量のコルチゾールを投与したところ、インスリン値が通常よりも36%上昇しました。また、スコットランドの研究では、体重の重い人ほどコルチゾールの分泌量が多いことがわかっています。他にもいくつもの研究で、コルチゾールの分泌量が増えると、インスリンが大量に分泌されることが確かめられました。


■「慢性的なストレス」が肥満の原因

先にも述べたように、一時的に身の危険を感じたときは、戦うか、逃げるかの判断をするためにストレスホルモンの役割は重要です。

しかし、仕事のストレスは一過性ではなく、慢性的なストレスであるケースが多いです。慢性的なストレスの場合、コルチゾールが長期的に分泌され続け、インスリンの大量分泌を引き起こして肥満に繋がってしまいます。

つまり、ストレスホルモンは適度に分泌される分には身を守り、過剰に分泌されると肥満に繋がるというわけです。


■ストレスを解消するポイント

ストレスを解消するポイントは「セロトニン」です。これは幸せホルモンとも呼ばれ、睡眠や精神安定にかかわる物質です。セロトニンは脳内で作られますが、その材料としてトリプトファン(必須アミノ酸)が必要となります。これは体内では作られないので、食事から摂りましょう。

《トリプトファンが多い食べ物》

 ・大豆製品(豆腐、納豆、味噌、しょうゆ)
 ・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
 ・米などの穀類
 ・赤身肉(牛肉、豚肉)
 ・魚(カツオ、マグロ)
 ・ごま
 ・バナナ
 ・ピーナッツ

これらは炭水化物(ごはん、パン、麺類など)と一緒に摂ると吸収率が上がります。さらに、ビタミンB6(レバー、魚、サツマイモなど)や鉄分(レバー、貝類、海藻類、ほうれん草など)を一緒に摂ると、セロトニンの合成がさらに効率的になります。

トリプトファンの1日あたりの摂取量は、体重×2~4mgといわれますが、あまり神経質になる必要はありません。

1日の食事に100~200mg程度は含まれているので、ジャンクフードや欠食など極端に偏った食事をしていなければ、必要量は摂取できています。

セロトニンはトリプトファン(必須アミノ酸)によって作られるとお伝えしましたが、食事以外からでもセロトニンの分泌は促せます。

1.リズム運動
リズム運動はウォーキング・ジョギング・自転車など、一定のリズムで行なう運動です。縄跳び・軽めのスクワット・踏み台昇降などもリズム運動に含まれます。

2.咀嚼

咀嚼もリズム運動になるので、食事をするときはよく噛んで食べましょう。ガムを噛むのもセロトニンを分泌させるのに有効です。

3.日光浴

太陽の光を浴びてもセロトニンが分泌されます。目安として、1日あたり20~30分は外に出て太陽の光を浴びましょう。蛍光灯の光ではなく、太陽の光を浴びるのがポイントです。

4.呼吸

ゆっくりとした呼吸も自律神経を整えるのでおすすめです。朝起きたときに深呼吸をしたり、日中にヨガ、寝る前にストレッチなど、呼吸法を意識しながら行なうエクササイズを取り入れてみてください。

5.音楽を聴く

「1/fゆらぎ」の音を聞くと、脳内がアルファ波の状態になり、リラクゼーション効果が得られます。焚き火の音、波の音、川のせせらぎ、小鳥のさえずりなどが1/fゆらぎの音です。


中年太りの原因がストレスである場合は、いきなり食事制限やトレーニングを行なうのではなく、まずはストレス解消を優先的に行なってみてください。


〈100円で買えるストレス解消アイテム〉

ストレスを手軽に軽減できる方法として、100円で買える身近なアイテムがあります。ここでは身近にあるストレス軽減アイテムを4つ紹介します。


1.チューインガム

噛む行為は、副交感神経の働きを良くします。スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるシーンをよく見かけますが、自律神経を安定させたり、心を落ち着かせる効果があります。実際にガムを噛むと脳の血流が10~40%も増加したという研究結果もあります。

また、先に述べたように咀嚼もリズム運動になるので、ガムを噛むのもストレス軽減に有効です。仕事ストレスにお悩みの方は、通勤中やお昼休みにガムを噛んでみてください。


2.オリーブオイル

油は体に悪いというイメージを持たれがちですが、オリーブオイルは腸の炎症を抑えて、善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を整えるのにおすすめです。

実はセロトニン(幸せホルモン)の95%は腸壁で作られています。腸と脳は密接に関係しているので、腸内環境を整えることでストレス解消やメンタルケアができます。

オリーブオイルは100円ショップで使い切りサイズが売られています。料理が苦手な方でも、朝にスプーン1杯のオリーブオイルを摂るだけで、ストレス解消効果が期待できます。


3.バナナ

午前中にバナナを食べるとトリプトファンを摂取でき、日中にセロトニン、夜になると睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンになります。

トリプトファンがメラトニンになるまで約14~16時間がかかります。そのため、夜ぐっすり眠りたい場合は、午前中にバナナを食べましょう。バナナは1本あたり100円以下で買えるので、かなりコストパフォーマンスの良い食品です。


4.ミネラルウォーター

水を飲むと胃腸の神経が適度に刺激されて、副交感神経の働きが高まります。ストレスを軽減するのはもちろんのこと、緊張を和らげる効果もあります。大事なプレゼンの前など、緊張しやすい場面で水を一口飲んでみてください。

冷たい水だと刺激が強すぎるので、常温の水を飲むようにしましょう。また温かい飲み物も副交感神経を整えられるので、お茶やハーブティーなどもおすすめです。

 4.睡眠不足と肥満の関係性

責任のある仕事を任されるようになる40代は、誰よりも早く出勤し、日付が変わる頃まで残業することも珍しくありません。プライベートでも子どもが生まれて、夜泣きなどで起こされてしまう日もあるでしょう。

もちろん自身の努力だけでは解決できない部分もありますが、睡眠不足と肥満は関係しているため、中年太りを解消したい方は良質な睡眠を心掛けましょう。

〈早起きが健康というのは昔の話〉

「早寝早起き」という言葉に対して、健康的なイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。しかし、朝型タイプと夜型タイプの大半は、遺伝子の問題であるということが、多くの研究でわかっています。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した2017年の研究では、体内時計をコントロールする時計遺伝子が351個あることがわかりました。この研究を率いたマイケル・ウィードン氏は、次のようにコメントしています。

「もっている時計遺伝子の数によって、朝型の度合いが決まります。研究からわかったことは、351個ある時計遺伝子のうち最も多くもっている上位5%の人は、最も少ない下位5%の人と比べて、平均で25分早く眠りにつくということです」

つまり、351個の遺伝子のうち、朝型と夜型のどちらが多いかによって、朝が強い人と夜に強い人に分かれるのです。そのため、朝型の人が夜遅くまで残業したり、夜型の人が朝早く起きて朝活をしても、仕事の効率は上がりません。「早起きができる人は立派」「朝が苦手な人はだらしない」というような話には、科学的根拠がないのです。

しかし、私達は小学生の頃から朝8時に登校するなど、朝型の人に合わせた生活を送ってきました。寝坊して遅刻すると先生に叱られ、夜遅くまで起きていると親から叱られます。幼い頃からそのような環境で育ってきた私達は、早寝早起きができる人が立派だと、潜在的に思うようになっています。


〈年齢によっても体内時計が違う〉

概日リズム(24時間周期で変動する生理現象)は年齢によって異なり、加齢とともに起床時間が早くなります。つまり、若い人ほど夜遅くまで活動できて、年配の人ほど早寝早起きの体内リズムになっていきます。

しかし、そのような体の仕組みを知らない年配の上司は「私なんか毎朝4時に起きているんだぞ」と早起き自慢をして、部下にも朝早くから仕事をするように求めます。

会社の方針を決める上層部と、現場で働く従業員の年齢差が大きいことも、快適に働けない原因として挙げられます。

会社の方針を変えるのは難しいかもしれませんが、あなたが自分でシフトを決められる職場であったり、会社に意見を言える立場であれば、より生産性の高い働き方を考えてみましょう。


〈睡眠不足だと食欲が増す〉

睡眠不足に悩むビジネスマンは、2種類のホルモンを覚えておきましょう。食欲を抑えるレプチンと、食欲が増してしまうグレリンです。

レプチンは脳に「満腹」のサインを送って食欲を抑えてくれます。グレリンは脳に「空腹」のサインを送って食欲が増します。

スタンフォード大学の研究によると、5時間睡眠の人は8時間睡眠の人に比べて、レプチンが16%少なく、グレリンが15%多いと報告されています。睡眠不足によって、レプチンが減り、グレリンが増えるということが研究で証明されました。

睡眠が足りていないと体が危機的状況だと感じて、エネルギーを蓄えようとします。あなたは夜更かしをしたときに、深夜にラーメンを食べたくなった経験はないでしょうか。睡眠不足になると、グレリンが分泌され、高カロリーのものが食べたくなるのです。

逆に、しっかりと睡眠が取れていれば、食欲を抑えるレプチンが分泌されるので、余計な食事を減らせます。睡眠とダイエットはあまり関係がないように思えますが、実は大きく関係しているのです。

中年太りを解消するためにも、6時間以上の睡眠を心掛けましょう。6時間以上の睡眠が取れれば、レプチン(食欲抑制ホルモン)を増やし、グレリン(食欲増進ホルモン)を減らせます。


〈睡眠時間と肥満の関係性〉

コロンビア大学(アメリカ)の研究では、睡眠時間が7時間の人に比べ、5時間では52%、4時間だと73%も肥満率が高くなることが明らかになりました。

日本でも同じような研究結果があります。日本人男性約2万人の健康診断データを分析したところ、睡眠時間が5時間以上の人に比べて、5時間未満の人は肥満になりやすいという結果でした。

ある実験では、30代後半〜40代前半の健康な10人が集められて、睡眠と脂肪燃焼についての実験が行なわれました。飲酒の多い人、タバコを吸う人、睡眠サイクルの乱れた人、カフェインを常用している人、身体検査で目立った異常の確認された人は実験から外されたそうです。

その実験では、睡眠時間が8.5時間のグループと、5.5時間のグループに分けて行なわれます。睡眠時間以外はすべて同じ条件で、2週間の体の変化を検証しています。

睡眠8.5時間のグループは平均でマイナス1.4㎏も脂肪を落とせたのに対して、5.5時間のグループはマイナス0.6㎏しか脂肪を落とせなかったとの結果になっています。


〈眠気覚ましのコーヒーは逆効果〉

眠気覚ましとしてコーヒーを飲む人もいます。私もよくカフェを利用しますが、コーヒーを飲みながらパソコン作業をしているビジネスマンを見かけます。

仕事の合間にコーヒーを飲む場合は、午後2時までに飲むようにしましょう。その理由は、睡眠の質を左右するカフェインが関係しています。

カフェインの半減期(体内に残っている量が半分になる時間)は5~8時間です。睡眠の質を下げないために、就寝時間から逆算して飲みましょう。

ある研究では、寝る6時間前にコーヒーを飲んだ人の睡眠の質を調べました。その研究で行われた内容は「脳波による測定」と「睡眠日記を書いてもらう」の2つです。

まず脳波を測定すると、コーヒーを飲んだ人全員が、睡眠における悪影響が測定されました。ぐっすり眠れている時間が通常よりも1時間短縮されています。この結果に関しては、一般的にも認識されているように、コーヒーと睡眠の質は関係しているのがわかります。

興味深いのは睡眠日記に書かれていた内容です。睡眠日記には「いつもと同じように眠れた」と書かれています。睡眠の質に悪影響が出たにも関わらず、「睡眠の質が下がった」と書いた人は1人もいなかったそうです。

つまり、睡眠の質が下がっていることに本人が気づいていない状態なのです。ただし、コーヒーにはメリットもあります。カフェインの作用で胃液の分泌を促し、胃液の調子を整えてくれます。血液の流れをスムーズにして、筋肉や心臓の働きを良くしてくれるので、心臓病や脳卒中になる確率を下げる可能性があるともいわれています。肝臓にも働きかけて、利尿を促して体内の代謝も活発になります。

睡眠の質を高めるためには、コーヒーは控えたい飲み物になりますが、このようなメリットもあるので、コーヒーを好んで飲んでいる人は無理にやめる必要はありません。食後の1杯だけにするなど、身体の状態と向き合いながら飲むようにしましょう。

 5.太りやすい人の1日の体内リズム

あなたは「サーカディアンリズム」という言葉をご存知でしょうか。これは24時間の体内リズムのことです。人の体には24時間を3つの時間帯に分けて、食事や排泄などに最適な時間帯があります。

早朝4時からお昼の12時までは「排泄」の時間帯です。朝食を摂る場合は、果物などから酵素を摂ることをおすすめします。過去に朝バナナダイエットが流行りましたが、朝の時間帯に果物や発酵食品を摂ると腸内の働きも良くなるので、ダイエット効果も高まります。

お昼の12時から夜20時までは「食事」に最適な時間です。この時間帯に食事を摂って、体に栄養を与えましょう。まごわやさしい食材(まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも)など、さまざまな食材をバランス良く食べます。

夜20時から早朝4時は、日中に食べたものを消化して吸収する時間帯です。この時間に食べると胃腸が休めなくなるので、ダイエット中は夜20時以降の食事は控えましょう。

太りやすい人は、この体内リズムが乱れてしまっている場合があります。残業続きで帰宅が遅くなると、寝る時間や夕飯の時間が後ろ倒しになります。

第4章でも紹介しますが、40代男性の3人に1人が「夜食症候群」の可能性があります。夜の暴飲暴食を避けるために、日中にしっかりと食事を摂るようにしましょう。

 著者プロフィール

武内 教宜

トレーナー歴15年。指導実績15,000件以上。スポーツ専門学校を卒業後、スポーツクラブに入社。ボクササイズ・水泳・筋力トレーニング・ストレッチなどのレッスンを担当。グループエクササイズを行なう中で、もっとクライアント一人ひとりに寄り添った指導をしたいと思うようになり、パーソナルトレーナーに転身。「40歳を過ぎてから体の衰えを感じる」「手足は細いのにお腹だけ出ている」「スーツのベルトがきつくなった」「健康診断でメタボと言われた」など、40代男性が抱える悩みを運動と食事管理で解決。現在はジムのインストラクターしながら、体作りをサポートするYouTubeチャンネル『ジムインストラクター武内教宜』を開設。視聴者からのダイエット相談に生配信でお答えしたり、全国オンラインジム「ROOM」も運営している。

著者インタビューもあわせてお楽しみください!

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第一章はここまで!
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