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いまさらだけど「破天荒フェニックス」を読んだ。とっても面白かったし、ビジネス視座とメガネを手に入れました。

しゅんしゅしゅんです。

僕はもともとメガネが好き。顔が薄目だからメガネかけると顔ができあがるんです。メガネをとると半分みたいな顔になります。レーシックしたいなってうっすらと常に思っているけど、レーシックしても伊達メガネをかけるでしょう。

少なくとも年1で主メガネをかえるし、服とおんなじで、気分によってメガネを変えるのがおしゃれだと思っている節があります。だから主メガネ以外にもレギュラーメガネが常に2本あったりします。

6年前に営業職から企画職に異動になったときに、少し舞い上がって頭が良く見えそうなメガネを買いました。映画「ハゲタカ」に出てくる外資系ファンドの主人公がかけていたモデルで10万円もするメガネ。シンプルかつクールでかっこいいのだが、外資系金融感が強すぎて、まあ僕の私服に合うわけもなくオブジェと化している。でも後悔なんてありません。若気の至りだし、コレクションとしてありだ。

まあつまり、わりとメガネが好きだということが言いたい。

そんなベースがメガネ好きではあるものの、メガネを買ってしまった。本をきっかけにメガネを買ってしまった。

いまさら感がありますが、「破天荒フェニックス」を読んだのです。「破天荒フェニックス」とは、メガネチェーン「オンデーズ」の社長である田中修治さんが著者の、事実をベースにした企業再生をテーマとしたビジネス小説。数々の困難を乗り越える波乱万丈でスリル満点の作品です。

2018年に売れに売れて話題になっていた本ですが、なんとなく読んでなかったんですよね。当時Twitterではこの本を読んでオンデーズでメガネを買った的な感想がほんとに数多く流れていたのは覚えています。

そしてその感想に対して、そんなバカなと思ってたけど、こういうことだったのですね。

企業のヒストリーや社員の熱い気持ちをストーリーで認識するとそれだけが理由で、商品って選んでしまうんですね。物が溢れている時代で機能では差がつかないから情緒的なストーリーが大切だなんて感じのことが、腹に落ちました。

オンデーズの店舗にわざわざ訪問したわけではないですが、読んだあとに訪れたショッピングモールにたまたまオンデーズが入ってまして。「あ、運命」と思って、オンデーズさん頑張ったもんねって応援の気持ちで、寄付のような心持ちでメガネを買いました。丸みを帯びたクラシカルなかっちょいいメガネを手に入れましたとさ。

…という感じで、売れただけのことはあります。心動かされるビジネス小説で純粋に面白いです。読んでない方はオススメです。

ちなみに、ビジネス小説って僕とっても好きなんですよね。心理描写とか風景描写とかそんなところは普通の小説に劣るところはあると思うのですが、ビジネスパーソンからすると、あるあるとか共感ポイントが多いし、自分の置かれている環境に思いを馳せやすいから面白いんでしょうね。

真山仁さんと池井戸潤さん以外はまだ好きな作家を見つけられていないのでこれだ!ってビジネス小説があれば教えてほしいです。

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一応最後に、この本から得られたビジネス的な効能と学びを。


■自分が抱えているトラブルとかストレスがちっぽけに思えて元気でる

乗り越えても乗り越えても「また!?」と思うほど、危機が訪れます。危機が止むことがない。ふりかかってくる危機もあれば、チャレンジした結果として訪れる危機もある。それでも前に進んでいくんですよね。

なんかそれを見ていると、トラブルなんてもんは当たり前に発生することで、自分の置かれている苦しい状況なぞなんてことないやって思える。海をみた時と一緒ですね。

■失敗して自虐的になっているなら、少し払拭できる

物語冒頭に社運をかけた新店が閑古鳥で社長の背筋が凍るシーンがあるんですよね。社長的にはそれが相当しんどかったのか、その後も勝負をかける度にその失敗を思いだし冷や汗をかいて逃げ出したくなっているんです。他にも銀行にまるで相手にされなくて激昂したり。エンジェル投資家を前に怒られるかもしれない自分の判断を伝えることを切り出せずにモジモジしていたり。

仕事していると自分の弱さを思い知って恥ずかしくなったりしませんか?失敗して自虐的になったりしませんか?こんなすごい社長でもそうなるんだって思うと少し救われます(笑)

■仕込み続ける図太さにはっとさせられる

一難去ってまた一難なんですが、一難中にしれっと次の挑戦を社長がCFOの役員に打ち明けるシーンが頻発します。この貪欲な攻めの姿勢がよい。トラブル中とか繁忙期中とかでかい案件実行中って、ついそれで満足してしまって次の打ち手を仕込まなかったりするんだけど、意識が低いですね。

■スキルよりコミット

当時のオンデーズって中小企業だしスペシャルな人達が集まっていたわけではないと思う。でも社員が一丸となって、たとえ綱渡りの苦しい状態でも投げ出さずに突き進んで、すごいスピードで偉業をなしとげていく。

別にスペシャルじゃなくても本気でコミットしたらすごいことは起こる。能力とか才能なんてもんは紙一重で、必死で動けるかどうかが勝負の分かれ目だと思う。追い込まれた人、夢を見ている人、鬱屈から解放された人…文化祭前夜な組織は強い。

■資金繰りのリアルが知れる

オンデーズは再生中だったから尚更だが、中小零細企業のしんどい資金繰りってこういうことなんだろうなってリアルが知れる。銀行交渉のリアル、本当に現金がない時に何を捨てて何を守るかのリアル。成長のために投資したいのに、目の前の案件を受注したいのに、キャッシュがない…ってジレンマのリアル。特に大企業で働ていると予算達成!予算消火!経費削減!はあるけど、キャッシュまでは目は向かない。経営のリアルを知れる良書。


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