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福音
2021年8月4日 23:12
ふたりの学者 昔、アフカルの古代都市に二人の学者がいて、憎しみ合い、互いに相手の学識について言い争っていた。一人は神々の存在を否定し、もう一人は肯定していた。 ある日、二人は町の広場で出逢い、互いの弟子たちに囲まれて議論を始め、神々が存在するか否かを論じあった。長い論争の果て、ふたりは別れた。 その晩、神々を信じない方の学者は神殿に赴き、祭壇の前にひれ伏し、己の片意地であったことの赦しを神
2021年8月2日 22:12
ザハロの父親。ポーランド人だ。十五歳のとき、一人の士官の横っ面を張り飛ばす。逃亡。カーニヴァルのある日、パリにたどり着く。持っていた僅かな金でコンフェッティを買い、それを売る。三十年後に莫大な財を成し、家庭を持つ。全くの文盲だったが、彼の息子が、たまに本を読み聞かせる。息子は彼に『ソクラテスの弁明』を読む。「もうほかの本は読まんでいい。そいつがすべてを言いつくしている」と父が言う。以来、彼は
2021年8月2日 21:11
Cuando despertó, el dinosaurio todavía estaba allí.(彼が目を覚ましたとき、恐竜はまだそこにいた。)(アウグスト・モンテローソ『恐竜』より全文抜粋)
2021年8月2日 02:26
50.亡くなった友達との思い出は、快である。(エピクロス『断片』第二集より)
2021年8月1日 22:02
迷路の中で生まれた者は、出口を探すことがない。出口があることなど想像すらできないからである。大昔から出口が探され、現在でもまだ探されているという事実は、われわれ全員の中に、かつては外界というものがあったのだ、というぼんやりした、埋もれた記憶が生き続けていることを意味している。(エルヴィン・シャルガフ『世界史に対する嫌悪』より抜粋)