【読書】西加奈子著『くもをさがす』
以前から西さんの小説が好きです。また、数年前にある芸人さんのラジオに出演されており、キャラクターも面白いなと思っていました。
今回は、初のノンフィクション作品ということで興味を持ち、手に取りました。
あらすじ
感想
①ピンチの時こそ、カジュアルかつ対等に接してもらえると楽
深刻そうに色々と気を遣われるより、本著で登場するカナダ人看護師の方々のように、ラフな感じで接してもらえた方が楽かもしれません。
自分自身が、その様子を見て「どうってことない」「自分が思うほど深刻ではない?」と思えやすそうだからです。
カジュアルなだけでは、ただ馴れ馴れしいだけになってしまうと思う。相手をリスペクトして、対等に接することがセットなのかなと感じました。
以下は、止めてほしいと言われた漢方について、飲み続けたいという意向を看護師さんに伝えたシーン。
②運動は大事
筋トレやジョギングの話がよく出てきました。柔術までされていたとは驚きでした・・・
「術後の回復のため」と、医師から運動を勧められているシーンもあったかと思います。
やっぱり「動く」ことや、基礎的な「体力」って、何事においても基盤なのでしょうね。
バンクーバーの人たちは、身体が強い人が多いとのこと。専門医にすぐアクセスできなかったり、救急で何時間も待たされるケースがあると経験から理解しているからだそうです。
食にルーズな人は多い一方で、エクササイズに力を入れていて、身体をメンテナンスすることを大事にしていると書かれていました。
西さん自身の、「身体が健康であれば、自然と精神も上向く」という言葉。説得力がすごい。
③書き方のテイストが好き
闘病の様子が描かれていたこともあり、やはり文章のトーンって大事だなと感じました。
1つ目。「振り返って、客観的に書かれている」ことで読みやすかったです。
西さん自身、闘病中に起きたことや思ったことを日記に「書くこと」が支えになっていたそうです。そして、後で日記を追うようにして、自分の気持ちを客観的に打ち込んだのが本著とのこと。
2つ目。たまに出てくる、少し "おちゃらけた" やり取りが好きでした。そもそも、外国人の方のセリフを関西弁で書いているのって、斬新ですよね。
一番好きだった、何気ないシーンがコチラ・・・