記憶があやふやなので感想を書きます。

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Morning routine

 薄暗い湖に朝日が差して水面がきらきらと輝きはじめた頃。湖の岸に建てられた木組みの小屋からひとりの少女、ヨウコが現れた。ベッドに入った時と同じ寝間着姿のままで、…

み
9か月前
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切羽が詰まる

とある締め切りを前にして、いつも通りではあるが進捗がよろしくなく、切羽詰まっている。計画性というものを小学校に置いてきてしまったのだろうか? みんなはそれを持っ…

み
1年前

『走馬灯のセトリは考えておいて』/柴田勝家 の感想

『走馬灯のセトリは考えておいて』/柴田勝家  の感想。 (試してみたけど、ハヤカワ・オンラインの作品ページはいい感じに埋め込めないんですかね……) Introduction…

み
1年前
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『君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?』/森博嗣 の感想

『君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?』/森博嗣 の感想である。 Introduction本作は、ミステリ小説家の森博嗣によるSF連作、WWシリーズの7作目である。 前…

み
1年前
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Morning routine

Morning routine

 薄暗い湖に朝日が差して水面がきらきらと輝きはじめた頃。湖の岸に建てられた木組みの小屋からひとりの少女、ヨウコが現れた。ベッドに入った時と同じ寝間着姿のままで、ショートヘアのきれいな白髪はあちこちが跳ねている。ひとつ大きなあくびをした。まだ半分ほど夢のなかにいるようだった。

 そんな寝ぼけた頭とはうってかわって、ヨウコの身体はきびきびと動き、朝の習慣をこなしていった。小屋の裏にあるガンロッカーか

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切羽が詰まる

とある締め切りを前にして、いつも通りではあるが進捗がよろしくなく、切羽詰まっている。計画性というものを小学校に置いてきてしまったのだろうか? みんなはそれを持っているらしいが、ぼくだけ受け取っていないようである。不登校児だったせいかもしれない。

いやしかし、今回は比較的順調に進んでいたはずだったのだ。数か月前から締め切りの存在を意識して、コツコツ作業してきたつもりだった。しかし直前で考えていたス

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『走馬灯のセトリは考えておいて』/柴田勝家 の感想

『走馬灯のセトリは考えておいて』/柴田勝家 の感想

『走馬灯のセトリは考えておいて』/柴田勝家 

の感想。

(試してみたけど、ハヤカワ・オンラインの作品ページはいい感じに埋め込めないんですかね……)

Introduction本作は、SF小説家・柴田勝家による短編集である。
6作品が収録されているが、表題作である『走馬灯のセトリは考えておいて』(以下『走馬灯』)が特によかったので、その感想を。

著者、柴田勝家について

変なペンネームだけれど

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『君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?』/森博嗣 の感想

『君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?』/森博嗣 の感想

『君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?』/森博嗣

の感想である。

Introduction本作は、ミステリ小説家の森博嗣によるSF連作、WWシリーズの7作目である。
前身となるWシリーズも含めると17作目となり、だいぶ大規模になってきた(真賀田四季をハブとする森博嗣ワールドの一部でもあるので今さらな気もするが)。

本シリーズの舞台は現代から二百年ほど先の未来

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