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確度の高いスケジュールを立てる方法-後編-

おはようございます😀
このシリーズも完結編になります。
スケジュール作成する際にお役に立てれば幸いです!
前編と中編も貼っておきますので、前編から読み進めて頂ければと思います。

▼三点見積りのメリットとデメリット

【メリット】
 ・参加者の多いプロジェクトでも納得度の高い見積が可能となる
 ・いつもの値(最可能値)だけを使った見積より、状況を加味し振れ幅を
  考慮した見積が可能となる
 ・信頼範囲を計算することができるので確度根拠を示せる

三点見積りを有名にしたポラリスプロジェクトでは、参加企業が3,000を超えていたと言われています。
このような大規模なプロジェクトでも納得度の高い見積りができ、その信頼範囲も計算できるのが三点見積りの大きなメリットです。

【デメリット】
三点見積りのデメリットとしては、参加者の多くないプロジェクトでは最可能値だけを使用した見積りの方が正確であることがあります。
あくまで三点見積りは参加者が多いプロジェクトに使用する時に効果を発揮するもので、参加者が少ないプロジェクトでは、わざわざ計算をするだけの労力の無駄になりかねないこともあります。
私が使っている方法としては、結局見積もるのは人間なので、主観や感情も入りますが結局は担当当事者の力量もあるので、各担当者に工数見積もりを出してもらうのですが、順調に最速で終わる場合の工数と、苦労して最遅で終わる場合の工数を出してもらい、その中央値を使うという方法を取っています。

もちろん、そこにさらに係数をかけたりそもそもその最速と最遅の値の現実性を鑑みて、修正したりしていますが、そこまで手間はかけずに、担当当事者も文句を言えない見積の出し方をしていますw
押し付けられた数字ではないですし、最速と最遅を加味した工数なので。

それと係数としては、20%までのバッファをつけることにしています。
というのも一カ月は大抵の企業の一人月の中身とは20人日なのですが、カレンダーを見たらわかりますが20日ある月の方が少ないのです。
祝日もありますし、働いているのは人間なので体調を崩すこともありますからそもそも20人日で一人月を計算してしまうとバッファがないどころかはなから不足している工数見積もりになるからです。

ここから先は結局はプロジェクト管理の話次第で、計画、見積が確度が高くてもプロジェクト運営を上手くできないと早晩、簡単に計画は瓦解していきます。
そこはこれまでのnote記事を見て頂けると、お役に立つものもあるかと思います。
すべて私の実体験に基づいたしくじりからくるナレッジですが^^;

▼学生症候群対策

上司やPMが作業が進められる状態であれば、作業を進めるようにけしかけていく必要があります。
人は元来、怠惰な生き物です。
放っておくと難問や面倒なことは後回しにしたり、先送りしがちです。
「あとこんなにも余裕があるからまだやらなくてもよいだろう」と考えたりします。
また、期間内に終わっていれば良いのでギリギリいっぱい使って良いと考えて、予期せぬことに対応する時間がなくなったりすることに繋がります。
作業ができる時には計画より早く済むのは良いことだから、どんどん進めていくように仕向けていくことが大切です。
そのためにもそれぞれの担当者の進捗状況をモニターできるようにする仕組みと、ウォッチしていないとできませんのでPMやManagerが怠惰では務まりませんのであしからずw

▼予期せぬ作業の中身

スケジュール遅延の代表的な理由の一つが「予期せぬ作業が入った」「割り込み作業があった」というものです。
これらにはだいたい4つの理由があります。

 ・要望の追加
 ・仕様の変更
 ・仕様の把握漏れによる修正対応
 ・他プロジェクトの影響によるアサインや作業比率の減少

▼予期せぬ作業を防止する方法

その対策は下記の通りです。
 ・要望の追加 → 見積時の確度を上げる。
          純然たる追加要望であれば、見積必要な工数を追
          加し、スケジュールを見直す

 ・仕様の変更 → 初期仕様確定時のエビデンスを残し、変更=追加要
          望であるということを明確にできるようにしておく
          具体的には議事録を取っておく、大事な決定事項は
          メールで送っておく仕様書を作成し、クライアント
          や上司から明確な同意を得ておく

 ・仕様漏れ  → 開発作業前に仕様作成者との間で仕様についてのす
          り合わせを必ず行う
          早い段階で実装物を見せて抜け漏れや認識違いがな
          い確認する

 ・他プロジェクトの影響 → 自己のプロジェクトだけではなく、他プ
               ロジェクトの状況も把握する
               また、PM間で相互にプロジェクト状況に
               ついて週一で共有する場を設ける   

これらができていれば、大幅な遅延、致命的な遅れという事態になることはまずありません。
追加要望や仕様変更によるリスクとしては、そのことにより再見積もりが必要で、この見積作業にも当然に時間が、工数がかかるということです。
ちょこちょことしたことだとしても、変更が加わるたびに全体を見直すことになるので、そもそもそういうことを抑制する必要があります。
もしくは、必要なコスト(人・物・金=時間)を出してもらう必要があります。
それらが出せないのであれば到底飲める話ではありません。
残念ながら魔法も使えませんし、私たちが寝ている間に仕事をしてくれる小人もいませんので!


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