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確度の高いスケジュールを立てる方法-前編-

おはようございます😀
今日はプロジェクトのスケジュールを立てるのに苦労している人向けに役立つ内容を書いていきます。
ゲーム業界でも大規模開発になっていった2000年ぐらいからプロジェクトマネージャーが導入されたりしましたが、私も含めてスケジュール作成と管理に苦労されている方は少なくないと思います😅
そんな苦労されている方に役立つかなと思うことを紹介します。

▼スケジュールはどうして遅れるのか?

綿密に計画を練ったとしても、プロジェクトがスケジュール通りにいかないことはままあります。
たとえプロジェクトの完了が遅れていなくても、そこへ至る個々のタスクやマイルストーンが遅延するということはあります。
すべてが計画通りにいったというプロジェクトは私は見たことも経験したこともありません。
ただ、最初から最後まで責任者を務めていて、職務、職責、職権の三面等価が担保されていた場合において、とてつもない完成遅延を引き起こしたことは一度もありません。
スケジュール遅延が発生する理由は様々ですが、おおよそ下記のいずれかまたは複数要因で説明ができます。

・スケジュールのバッファが取られていなかった
・チーム構成、実力を見誤っていた
・予期せぬ変更が入った
・想定外の事象が発生した
・学生症候群への対応を怠った
・プロジェクトルールを徹底できなかった
・設計が甘かった
・完成イメージが曖昧だった

▼そもそもスケジュールには振れ幅があります

スケジュールはあくまで開始前に立てているものであり、予測に基づいた計画に過ぎません。
いつ起きるかわからない天変地異の影響や突然の病気、事故による発生までを予見したスケジュールなど神でない限りたてようがないのです。
ということは要はスケジュールというものは「実現確率の高い期日・時間」を表しているものに過ぎないということです。
早まることもあれば遅れることもあるということです。

これまでの類似の同規模プロジェクトで次のような期間実績で完了させたことがあった場合で考えてみましょう。

Aプロジェクト・・・17カ月
Bプロジェクト・・・15カ月
Cプロジェクト・・・20カ月
Dプロジェクト・・・14カ月
Eプロジェクト・・・18カ月

そして今回Fプロジェクトを担当する際にどれぐらいの期間を見込みますか?過去5回の平均を考え、16.8カ月とする方が一般的には多いように思います。多くの人はそれまでの実績の平均で見積もる傾向が強いです。
しかし、実際には下振れたり、上振れたりしますね。
早く終わる分には結構な話ですが、遅延となると話は別です。
なるべくこの振れ幅特に遅延幅を小さくなるような確度の高い見積をしたいと思うPMは多いと思います。

▼統計学を使って考えてみる
高校時代に数Cを選択していた人や、大学で統計を学んだ人には馴染があると思います。
そうです正規分布図です。

標準正規分布図

正規分布図はX軸にスケジュールなどの何かしらの値、Y軸に確率を設定します。
この正規分布が何を意味しているのか簡単に言うと、平均の値というのが最も発生確率が高く、平均から離れると発生確率が低くなるということです。これをスケジュールに置き換えると、下記のようになります。

スケジュールと確率分布図

大事なことは平均の時間・期日に納まる確率というのはそもそも50%しかないということです。
逆にそれ以外の可能性も50%あるということです。
なので、経験に基づいて平均時間をそのままスケジュールに使うと50%の確率でスケジュール遅延が発生するということになります。
こうした事態を防ぐためには、平均値と予想される最遅・最長の時間や期日との間ぐらいをスケジュールとして計上する方が良いです。
こうした振れ幅を加味してスケジュールを立てる方法として、三転見積りという手法があります。

三点見積りとは、プロジェクトの作業時間や、その作業の金額を楽観値、最可能値、悲観値の三点から見積もる手法です。
これは冷戦期にロッキード社がアメリカ海軍の潜水艦発射型弾道ミサイル「ポラリス」を開発するプロジェクトにて、PERT法とともに三点見積りを導入したことで有名になりました。
実際にどのように使用するのか説明していきます。
三点見積りでは、楽観値、最可能値、悲観値を使って時間を推計していきます。
これらの3つの値の意味は下記の通りです。

〇楽観値(予想される最速・最短の値)
物事を円滑に運ばせる条件がすべて整い。、実際にすべてのタスクが円滑に進んだ時の値

〇最可能値(最頻値/いつもの値)
従来の経験に照らし合わせて、タスクの完了に必要であると実際に予想される値

〇悲観値(予想される最遅・最長の値)
悪条件が重なり、円滑にタスクが進まなかった場合の値

三点見積りでは、これら3つの値をさらに以下のような計算式に当てはめます。

・平均・・・・・・・(悲観値+4×最可能値+楽観値)÷6
・分散・・・・・・・[(悲観値-楽観値)÷6]の2乗
・標準偏差・・・分散値の平方根

前編はここまでになります。
実際に三点見積りの計算方法などについては明日、後編として投稿しますので、よろしくお願いします😀


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