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思考のフレームワークを持つことで、広く遠く見える眼鏡と、動き出す勇気を手に入れる【前編】

こんにちは。ゴール・システム・コンサルティング&リ・デザイン研究所のたじたです。今日は、私が大好きな戦略的思考プロセス研修(愛称:ジョナコース)に参加した時の思い出をお話したいと思います。

私がこのコースを受けたのは今からちょうど5年前の5~6月でした。その後、今の会社に転職して教える立場になってからも「たじたさんって本当にジョナコースが大好きなんですね」って受講者さんから言われるくらい、コース愛が滲み出ているらしいです笑。

今回は思う存分、ジョナコース愛を語らせていただきたく、お付き合いいただけたら嬉しいです!

どんな研修なの?

この研修は「TOC思考プロセス」という問題解決のための思考ツールのセットを、実際に自分が抱えている問題を題材にして学んでいくコースです。

たとえば、皆さんがお勤めされている組織で「実はずっと前から気になっているけど、解決できない根深い問題」ってありませんか?

TOC思考プロセスは、そのような、組織の本質的な問題の根本原因を発見し、解決していくための戦略・戦術まで考えていくコースです。ざっくりした説明は、こちらの画像の通りです。

TP全体像

さらに詳しく知りたい方は、以下のページにご案内を載せています。

受講する前、受講経験がある友人たちに「ジョナコースってどんな感じ?私、座学すぐ寝ちゃうけど大丈夫かな?」と聞いたら「ほとんど壁に向かって考えるコースだから多分寝ないよ」と教えてもらいました。

実際、壁に貼りだした模造紙に付箋を貼りながら、うんうん悩む時間がほとんどでしたので、私でも起きていられました。
※2020年より、ジョナコースもオンライン化しており、今ではリアル模造紙を使わなくなっています。

興味をもったきっかけ

この研修のもとになっている「TOC(制約理論)」との初めての出会いは、私が中小企業診断士という資格の受験生だった15年前にさかのぼります。予備校のテキストで『ザ・ゴール』という書籍の存在を知り、妙に面白くて『ザ・ゴール2』という続編も読みました。その『ザ・ゴール2』に登場したのがTOC思考プロセスでした。

TOC思考プロセスの中でも有名なのが「クラウド」という対立解消のためのフレームワークです。目先の対立の背後にある理由を深く掘り下げていくことで、WIN-WINの問題解決を実現するという手法の鮮やかさに、当時の私はハートを鷲掴みされてしまいました。

その後、無事に中小企業診断士に合格して地域経済団体で中小企業の経営支援をする仕事に就き、TOC思考プロセスをちょこちょこ使うようになりました。目の前で大ゲンカを始めた社長さんと社員さんを前に、ホワイトボードでクラウドを書いていくと、いつしか二人の怒りも収まって解決策に合意できたり…。TOC思考プロセスは、私のポケットの中の魔法の道具みたいになっていました。

けれども、TOC思考プロセスの部分使いはできるようになったものの、体系的にフルセットで使いこなすことは私にはできず、いつかジョナコースを受けてちゃんと身に着けたいなとずっと思っていました。ですので、ようやくジョナコースを受講できることになった時は、もうすでに初日からウキウキでした。

研修のはじまり

2016年5月、いよいよ研修が始まりました。この時の受講者は私を入れて6名。オリエンテーション、他己紹介で少し場の空気がなじんだ後は、概論講義、ケーススタディと進んでいきました。ケーススタディの中で印象に残ったのは「PMB(方針・評価基準・行動)」についての説明でした。会社など組織で働いているところを想像しながら読んで欲しいのですが、私たちが行動をする背後には、その組織の方針や評価基準が影響している、という話です。

たとえば、財務部門は在庫削減・製造部門は稼働率の上昇・営業部門は売上金額増加、こんな風に各部署それぞれに方針があり、それに基づく評価基準がある。そうすると、そこに所属するスタッフは、その評価基準に合致するように行動する。そして、部署それぞれが異なる評価基準を掲げ、それにしたがって一人ひとりが行動することが組織内にジレンマを生み出し、会社を全体最適から遠ざけてしまうのです。

みんなそれぞれ一生懸命に働いているのに、結果的に不合理なことになってしまうのか…、このエピソードは、ずっしり重く響きました。

描き出された問題構造に、気分が重くなった前半戦

さて、ケーススタディでTOC思考プロセスの全体像を習った後は、いよいよ本番。受講者それぞれが設定した、自分自身のテーマに沿ってTOC思考プロセスで考えて行きます。私のテーマは、当時ぎくしゃくしていた勤め先の問題解決でした。なんとか解決の糸口を掴みたいと思い詰めていた時期だったので、自然と真剣度合いが上がっていました。

TOC思考プロセスでは「何を変えるか?」「何に変えるか?」「どのように変えるか?」の順番に考え、問題解決をはかります。ジョナコースの前半戦は「何を変えるか?」を明らかにするところまでです。

最初にテーマとゴールを設定した後は、たくさんある問題点を書き出し、根本原因を明らかにして、問題構造をツリーとして組み上げて行きます。って、文章にするとほんの2行ですが、このプロセスがかなり重たいのです。

問題の言語化ひとつとっても、その表現は曖昧になっていないか?自分だけではなくて他人にとっても理解できるように書けているか?ディープなチェックリストがあって、問題を書き出すだけでも一苦労です。このようなプロセスを通じて、いわゆるクリティカルシンキング的な国語力をゴリゴリと鍛えあげられます。

さらに言うと、9時半~17時の研修時間に加えて、毎日毎日クラウドマラソンという宿題が、コース最終日までずっと続いて行きます。研修は8日間ですが、インターバル期間がありますので、約1カ月の間、毎日毎日この宿題に苦しまされ、いや、鍛えられていきます。

研修3日目の後半からは、いよいよ前半のハイライト、自分が設定したテーマを対象に、ロジックを組み上げて因果関係のツリーにし、問題の全体構造を明らかにしていきます。壁に模造紙を貼り、付箋を貼って、読み上げて論理チェックをしては書き直し、また読み上げる…。文字通り「壁に向き合う」時間が続きました。

ようやくツリーが完成しそうになってくると、達成感の一方で、どんよりと重たい気分になってきました。私が腹を立てていた最近の出来事の背後には、根深い組織の問題構造があることが見えてきたからです。それはとても不思議な感覚でした。模造紙一杯に書き上げた問題構造ツリーを見渡して「こういうことだったのか…」と納得する一方で、「こんな根深い話、解決できるわけじゃないじゃん…」という絶望感も湧き上がってきて、つい神田をふらふらと散歩に行ったのも、今は良い思い出です。

こんな風に、全然さわやかではない気分で、ジョナコース前半戦4日間は終わったのでした。そして、3週間のインターバル期間を挟んで、後半戦に続きます。(この記事も、後編に続きます笑)

※当時はリアル開催で遠隔地から参加する方も多かったので、前半後半それぞれ4日での集中開催をしていました。2020年よりオンラインに移行したことを受けて、今は日程を2日×4回に分散して開催しています。

※4月19日追記:後編も公開しました!

直近のジョナコースについての詳しい内容はこちらをご覧ください。

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