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【経営とビジネスのための勉強法】紙の本とkindleの本との良さを比較してみました

皆さまは、紙の本とkindleなどの電子書籍の本と、どちらの読書スタイルをとっていますか?

コンサルタントとして、お客様に本のおすすめをすることが多く、また本を題材としてコミニケーションをとることが多いため、読書スタイルのおすすめとして電子書籍にするか紙の本にするかという事についてまとまった時間で検討してみたいと思います。

私は2年ちょっと前までは、紙の本を買っていました。出張に行く時も、常にすべて読むわけでもないのにスーツケースに5冊以上の本を入れてガラガラと持ち歩いていました。
2年位前から、Kindleに目覚めてどこにでも持っていける利便性から、今まで買ってきた紙の本についてもためになる重要なものはKindleで買い替えました。ハイライト機能もあるので、ハイライトした箇所についてEvernoteとリンクさせて重要箇所だけをたまに見返すことによってより記憶に定着させる効果なども期待して工夫をしています。

そのような現状の読書スタイルではありますが、改めて電子書籍と紙の本のそれぞれの良さについて考えてみたいと思います。


電子書籍の良さ

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電子書籍の良さをリストアップしてみたいと思います。

① いつでもどこでも読むことができる。

②  Kindleなどの端末だけでなくスマホやiPadなどでも読むことができる。

③ データなので、ハイライトやコピーなどがしやすい。

④ 検索可能なのでいつでも引き出せる情報となる


以下、それぞれについて見てみましょう。

①いつでもどこでも読むことができる。+ ②のいつでもどこでも、いろいろな媒体でも読むことができる

ということが、電子書籍の最大のメリットであると思います。kindleだと、kindleのタブレットの他にもiPhone、iPadなどでも読書することができるので、それこそいつでもどこでも、気軽に大量の本が持ち運べるという利点があります。

まさに移動時間や隙間時間に圧倒的な革命が起きたと言えるくらいに私たちは隙間時間をスマホで埋められます。本当に1分でも5分でも時間があればスマホなどで読書をすることができるという事は非常に便利になったものです。
このいつでもどこでも、スマホ等でも読むことができるという機能だけでも電子書籍に切り替えるとても大きな理由になります。


③ データなので、ハイライトやコピーなどがしやすい。

電子書籍はデータとしての情報なので、コピー&ペーストが非常にしやすい。何かに引用する場合や、自分自身のメモとして活用する場合に非常に便利です。
また、ハイライト機能でハイライトしたものについては、その部分だけがデータとして蓄積されるため本を全て読み返すよりもハイライト機能だけをざっと眺めるという振り返りの仕方もできます。

このハイライト機能を活用したメモ方法については、改めて別の機会でご紹介できればと思います。


④ 検索可能なのでいつでも引き出せる情報となる

人間の記憶力を補う媒体として、検索可能な情報としていつでも取得できるという安心感があります。ただ、情報としていつでも検索できる状況にしておくという事は、インターネットの時代においては割とどんな情報でもウィキペディアレベルの情報であれば取得することが可能なようになってきました。だから今後活用できる知識や考え方とは、自分の頭の中に落ちているものであるということが大切だと思います。
そのためには、しっかりと理解をして頭の中に叩き込んでおかなければその場で活用できる情報や知恵にはなりえないということです。
その点を注意しなければ、単に情報のストックを持っておくだけという状況にもなりかねません。



紙の本の良さ

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一方で、紙の本の良さは以下のような感じでしょうか。

① 人と共有することがでる

② 手触り感・直接感がある

③ 本自体が熟成してくる

④ 意図しないところに気付きがある(知のセレンディピティ)

⑤ 本を読んでいる時に、その姿を見た人に本を読んでいると認識してもらえる

⑥ 本棚が人生の足跡になる



以下それぞれについて解説していきたいと思います。

① 人と共有することがでる

について、本は人と共有し、ともにその本について意見交換をする(読書会のように)することによって、飛躍的にその理解のレベルを深めることができると思います。
また、何よりも同じ本を読んで共通認識を持った人が会社やグループの中にいるという事は、同じ出来事に当たったときに同じ共通理解のもとでコミニケーションが取れるという強みにつながります。
電子書籍でも、同じ本をそれぞれ購入することによって共有する事はできますが、紙の本を読み回すことによって共有するというやり方も有効だと考えます。もともとの日本の文化はそういったところにあったのかもしれません。ただ、この紙の本を読み回すという事についてもこのコロナ禍の中でやりづらくなっているのかもしれません。あくまで時間的な問題だとは思いますが。テレワーク時代には、この共有できるというメリットがなかなか実行しづらい状況でしょう。

一風変った思い出として、昔の部下に本を共有したときにロクに読みもしないでコーヒーをこぼして返却されたときの苦々しい思い出など、それも本の内容と合わさって自分自身に語りかけてくるのです。(タイトル写真の7つの習慣が、それです)このような物理的な本に絡むストーリーも、紙の本ならではの魅力です。


② 手触り感・直接感がある

については、ある程度個人差はあると思いますが頭に入って来やすいという部分については感覚的なものかもしれませんが、やはりその実感があります。
本を読む目的として、しっかりと自分の頭の中に知識と考えを入れ込むというスタイルであれば紙の本の方が効率が良いというのが私の実感です。

また、直接手で書き込むという行為は、自分の脳を非常に活性化させます。皆さんも何かパソコンに打ち込むよりも同じものを多少時間がかかったとしても手書きで書き込んだ方が記憶に定着するという経験をしたことがあるかもしれません。
これは、私の感覚的な部分もあるかもしれませんが単純に考えて打ち込んだ文字よりも情報量が多いのだと思います。同じ文字を書き込んだとしても、手書きの文字の場合はその色や筆圧や空気感など、デジタルデータにはない様々な情報を提供してくれているのだと思うのです。だからこそ記憶に定着しやすいということです。言ってみれば知識のネバネバ粘性の部分(以下の記事をご参考ください)がデジタルデータよりも高いと言えるのだと私の中では理解しています。
一方で、いつでも引き出せる知識として検索可能な状況にしておくという意味においてはKindleなどの電子書籍のほうが確実です。


③ 本自体が熟成してくる

とはどういうことかというと、紙の本ならではの上記の7つの習慣のようなコーヒーをこぼされて返却されたというようなストーリーが合わさると、更に頭に定着します。
その効果は紙で買ってからすぐに実現されるものではなく、熟成していく、ということなのだと思います。

自分自身の知識や考え方も時の経過とともに熟成していきますが、同じように紙の本についても時の経過とともに熟成していくように思います。
Kindleの本などで得た知識についても自分の知識や考え方に定着していればそれ自体が熟成してくることは間違いありません。ただ、自分のものになっていない電子書籍の内容はいつまで時が経過しても単なる電子情報でしかありません。
紙の本も似たようなものなのではと思いつつも、やはり紙の本になると購入をしたときの場所や空気感、その当時における自分自身の生活環境や仕事などや、ちょっとした汚れやブックカバーがついていないことなど、その紙の本自体に時の経過とともに熟成感が出てくるように思います。


④ 意図しないところに気付きがある(知のセレンディピティ) 

についてですが、紙の本は電子データとして見えないところにしまっておくこともできないので必然的に本棚に置いておくことになります。何気なく本棚を見渡していると、その時思いもよらなかったような本が主張してきたりすることがあります。

また、本をペラペラとめくっていると目当てのページより前にページが折れ曲がっていたり、よごれが付いていたり、関連する過去を振り返り新たな気づきに至ることもあります。

まさに、過去の自分との出会い、過去の本との出会いの効果であると思います。

以下の記事もご参考までに。(本に限らず、リアルの世界のセレンディピティ・出会いについて記載した記事です)


⑤ 本を読んでいる時に、その姿を見た人に本を読んでいると認識してもらえる 

についてですが、これは経営とビジネスのための勉強法という本質からはちょっと離れた内容になってしまいます。。要は、家族への見せ方 です。

私は、テレワークが進むこの環境下において紙の本が復権してくるのではないかと思っています。
テレワーク族の皆さまは経験があるかもしれませんが、紙の本でなければ子供たちにとって本を読んでいると認識されません。

私は家族からスマホばかり見て、どうせYouTubeでも見ているんだろうと思われています。ただでさえ、家での居場所が少ない私はテレワーク環境の中で、家の中でYouTubeを見ながら過ごしていると思われるわけでそのことによる家庭全体のストレスの高まりは想像に難くないでしょう。

このような状況では本を読む習慣を子供に付けてもらうこともままなりません。

子供たちは、親が言うことは聞かないけれども親がやってることをよく見ていると思います。そういう意味でも、私が実際には新聞や本を読んでいるとしてもスマホばかり見ているのはあまり家庭的には良いことでは無いでしょう。将来的に、スマホを見る事が今よりも真面目に映るようなことがあれば良いのですが。。


⑥ 本棚が人生の足跡になる

改めて、自分の本棚を見返してみると色々とブックオフなどにお世話になって今はもう存在しない本たちもありますが、様々な理由で残っている本たちが語りかけてきます。

この本は、あの人生のどん底の時に買った本だなぁ、この本を買ったときには妙に強気な自分がいたな、など本を見ながら当時の自分を思い出すものです。

ずらっと並んだ本を見ると、今までの自分の人生の足跡や、人生で大切にしてきたことや感情の起伏などが思い出されることでしょう。
これは、例えばKindleの本のリストを見ていたところで起きない感覚でしょう。リアルな紙の本としての積み重ねは本棚という形で自分自身に語りかけてくるのです。これも積み重なってみなければわからないのですが、振り返ってみると一つ一つの本を様々な人生の状況で、様々な感情で、それぞれ購入した時には気づかないほどの価値を持ちます。


まとめ

私の個人的な結論としては、Kindleを主としつつ本当に良い本は紙でも買っておくということになるのではないかと思います。
私はコンサルタントという職業上本にたくさん触れる必要があり、そういった中での選択ということになるため普通の本の選び方とは違うかもしれません。

ただこのように電子書籍と紙の本を並行で買う場合には、紙の本か電子書籍のいずれか一方だけを線をひいたりメモをしたりということをお勧めします。

私自身の実感ですが、Kindleや紙の本に線をひいたりメモを取ったりすると、どうしても先だらけになったりメモだらけになってしまうという傾向があります。これは私の個人的な傾向でもありますが、同じような悩みを抱えている人はとても多いと思います。

また、線を引くとそれ以外の箇所が読み返したときに頭に入って来づらいということもあるのです。本というものはその時点での自分の興味のある事しか入ってこない傾向にあります。そのためある一定の時期の興味に基づいてハイライトをしてしまうと、それ以外の箇所が頭に入って来づらくなるということに気づきました。

そのため、例えばKindleなどの電子書籍においてたくさんのハイライトやメモを取り、紙の本においては基本的にはまっさらの状態で置いておくという事でも良いのかもしれません。


今回このように、あらためて電子書籍と紙の本の比較をしてみましたが、現在は電子書籍に突っ走っている私に、紙の本の魅力を再認識させる結果となりました。

あらためて、紙の本を買ってよい本を熟成させ、人生の足跡となる本棚を引き継いでいきたいと思いました。とはいえ、本棚を引き継ぐという習慣自体今ではあまりなくなってしまった文化かもしれません。かくいう私も父の本を読むことはほとんどありません。ただ、紙の本も含めてモノにはめんどくさい面も多々ありますが、そこに刻まれる味というものもあり、デジタルで切って捨てることはできないと思い至った次第です。

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