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博士がゆく 第44話「大学院に誘われました②」

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前回のつづきから)

「やっぱりお前か!」

ペン立てのかげから顔を出したのは細胞くん。今日も変わらず、眼鏡をかけた、こぶし大の青いぷよぷよという表現がぴったりの風貌をしている。

「またリストレストにされたらたまらないからね。このペン立てなら、この前みたいに人が急に入ってきても、人形を飾っているだけじゃないか」

「でもお前は、いたりいなかったりするじゃないか。神出鬼没の人形ってどう考えてもおかしくないか?」

「周りからみたら、ひろし君がたいそう大切にしている人形に見えるかもしれないね」

そう言いながら、ペン立ての自分用のスペースに細胞くんは腰かけた。よほど吟味したのだろう。たしかに細胞くんのサイズにぴったりだ。

「学会はどうだったんだい、ひろし君?」

「あぁ。何から話したらいいんだろうな」

学会で声をかけてきた”彼女”の話をするか?

それとも先生に大学院に誘われた話?

とりあえず当たり障りのないところからいこう。

「発表は台本通りこなせた。質疑応答も特にこれといった難しい質問もなかった」

「すごいじゃないか!練習の成果が発揮できてよかったね」

「そうだな。いろいろとアドバイスをくれてありがとう。それから、発表の後に先生に大学院も進路に入れてみたらどうかって言われたんだ」

「それはこの大学の大学院ってことかい?」

「この大学とは言っていなかった気がするな…」

博士(ひろし)は記憶をたどるも、その後に食べたチャーハンの味しか思い出せなかった。あれは旨かった。

「たしかにひろし君は毎日楽しそうに実験していたものね。誘いたくなる気持ちもわかるよ。ひろし君の気持ちはどうなんだい?」

「分からない。この研究室には大学院生がいないから、どんなことをするのか想像がつかないんだよな。でもたしかに、こんなに熱中してなにかに打ち込んだのは初めてかもしれない。でも、ブラック研究室とかよく話題になるからすこし怖いよな。でも、理系だし修士くらいは出てもいいのかとも思う。でもそれに見合った給料がもらえるかどうかもわからない。でも…」

「ストップストップ~!」

話しはじめると、ここ数日間でネットで調べた情報をみて思ったことがあふれ出てしまった。情報過多の時代の被害者に細胞くんはこう続けた。

「まずは、ひろし君が大学院に行く目的を明らかにしなくちゃダメだよ!」

「目的?」

「うん。研究が楽しいのならもちろんそれでもかまわない。卒業して少しでも高い給料が欲しいというのでももちろんオッケーだ。自分の能力を試したいという動機の人もきっといる。大事なのは自分なりの、大学院に行く目的を見つけることなんだ」

「なんとなく進学したらダメな理由があるのか?」

「もちろん。それはね…」

(つづく)

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