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独身者と余暇

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#読書感想文

東京にあてた恋文

東京にあてた恋文

最近、『追憶の東京~異国の時を旅する』(早川書房)という本を手にした。

著者のアンナ・シャーマンは2000年代のはじめ、10年あまりを東京で暮らした経験をもつアメリカの作家。

この『追憶の東京~異国の時を旅する』は、そんな著者による異色の日本滞在記である。

かつて江戸の市中には、町民に時刻を知らせるための鐘、いわゆる「時の鐘」が点在していた。

その響きに魅入られた著者は、すでに存在しないも

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わたしは地下鉄です

わたしは地下鉄です

物心ついたときから、家のある街にはいつも地下鉄が走っていた。

引っ越しも何回かしているし、べつに地下鉄にこだわって住む場所を選んだおぼえもない。

なのに、気づけばずっと生活のかたわらには地下鉄がある。



地下鉄を利用しているひとはきっとみなそうだと思うのだが、僕もまた隣町の風景をよく知らない。そもそも見えないのだ。どうしようもない。

ある日思い立って途中下車でもしないかぎり、隣町は永遠

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【読書感想文】イ・ドウ『私書箱110号の郵便物』

【読書感想文】イ・ドウ『私書箱110号の郵便物』

どうも人間というのは忘れっぽい生きものらしい。朝晩ちょっと肌寒くなっただけで、もう今年の夏のいつまでもだらだら暑かった日々のことを忘れそうになる。

ここ日本には四季というものがありまして、なんて言っていたのもいまはむかし。ここ最近は一年の半分近くを夏が占め、そこに春と秋とが申し訳程度にこびりついているといった印象だ。

じっさいこの夏をふりかえると、やたら猛暑とゲリラ豪雨ばかりが思い出される。長

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