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眉村ちあきとDJ後藤まりこ!!!!!2019.07.09 レポ。予測不能で振り回された夜

後藤まりこー!!!

2曲目で脱いじゃって、その曲が終わる前に中学からのファン(友だち?)にガムテープ貼られる。
5曲めくらいでやっぱりテープは取っちゃって、ステージにゲロ吐いて、
「ぬるぬるしてる」って騒いで、脱いだまんまフロアにダイブして、最後に「恥ずかしい」って大きめTシャツ被る。

終わるころには泣けてきちゃったよ。

「眉村ちあきとDJ後藤まりこ!!!!!」
2019.07.09(Tue)
at SHELTER(下北沢)
行ってきました。

開演前

ミドリと9mm Parabllum Bulletの対バンで後藤まりこのパワーにやられたのは何年前のことだっただろう。
これ以上ミドリを観たらほかのどのライブも行けなくなっちゃう!って不安になるくらいの圧倒的なパワーにぶちのめされた。
ぐちゃぐちゃに思えて、めっちゃ歌うまい。バンドとしての完成度が高い。

そんなミドリが解散して、悲しいけど安心もした。
魅力が強すぎて危なかったから。

後藤まりこはソロになって、活動休止して、それでもDJとして戻ってきて芸事をやり続けた。
いまどんな状態なんだろう、全くわからないまま買ったチケット
「眉村ちあきとDJ後藤まりこ!!!!!」。

おじさんばっかり、ぎちぎちに詰まったフロア。
開演5分前からおしゃべりを始めるDJ後藤まりこと眉村ちあき。
眉村にキスをせがんで、「吐くから嫌」と退けられたり、「3日以内にセックスしたやついるかーー!??殺す!!!!」と叫んだり。
開演前からエンジン全開のDJ後藤まりこ。

どこまでがあのままなんだろう
どこからが変化なんだろう

どきどきしながら立つわたしをよそに、開演時間と同時に爆音が流れ始めた。


DJ後藤まりこ編

開演と同時に、年齢層にそぐわない激しいモッシュ。ダイブするのは客ではなく演者のDJ後藤まりこ。
あっという間にフロア後方のPA柵に裸足で立ち上がる。

観客を見下ろせる不安定なその場所で、2曲目が始まるやいなや脱ぐ。
スポーツブラ姿かと思いきや、ブラをたくし上げて胸元のタトゥーも乳首も見せる。

驚いてる間に、ズボンも、パンツも脱ぐ。
膝上のシアーブラックタイツがうまく脱げなくて、足元にいた女の子が脱がせてあげる。

いきなり外に出されたま〇こを隠せない、薄い陰毛。
頭上に突如現れたDJ後藤まりこの裸体は、成人してるとは思えないくらい、なんだか成長途中の少女みたいだった。

上手く歌おうなんて努力しない。
あの場では音楽性なんか吐瀉物みたいなもんで、彼女が理性をとばすこと、それだけが優先事項だった。
フロアの客は、彼女が理性を手放すための言い訳程度にしか存在しない。

5曲目あたりで隠すために貼られた黒いガムテープをステージ上で剥がす。
「生まれたままの姿や」
聞き飽きた表現で自嘲する。

アコースティックギターを抱えて、舞台に脚はおいたまま、背中を客に預けて
「みんな大好き XXXX」
と色んな言葉をあてて歌う。
どこからが当日のオリジナルなのかな。

全裸にアコギを抱えて歌い終わったら、
「僕はライブハウスを90年代に戻したい」
「ライブハウスは危険なところや。みんな自分の身は自分で守ってな」
言うやいなや、既に白いガムテープで補強された跡のあるアコギをあたりにぶつけまくって壊す。

飛び散るアコギだったものの破片。

これは、なんだ?

前のめりだったおじさんたちが、飛び散るアコギの破片を避けて、一斉に後ろに下がる。
一通り壊したら、アコギを観客に投げる。
ダイブ同様、さらっとフロア後方のPAエリアに運ばれる壊れたアコギ。
何もなかったかのように、アコギには全く触れないDJ後藤まりこ。

このあたりで、わたしは日常の感覚は溶けてどこかに流れ去った。


それから新曲を含めた2曲くらいを変わらず全裸でかます。
このあたりで、見慣れた裸体にエロでもなく、過激でもなく、赤ちゃんのような愛くるしさをおぼえた。なんだそりゃ。

急にステージ上で
「恥ずかしくなってきた」
と言い、服をとりに舞台袖へ飛びこむDJ後藤まりこ。

客はおきざり。

服を着てから舞台に戻るのかと思いきや、大きめのTシャツを手に持って、変わらず全裸で再登場。そんな衣装チェンジ見たことないわ。
Tシャツを被りながら仲良しの友達の話をするDJ後藤まりこ。
服を着たら、最後の曲が始まる。

パンツ類は履かないなら、結局片足を上げたりダイブしたらま〇こが丸見えのDJ後藤まりこ。
文字通り全てを曝け出して、彼女はいったい何が欲しかったんだろう。
爆音の中、叫びながらダイブして運ばれていく彼女を見ながら、気持ちがぐちゃぐちゃになってきた。

ダイブ中、勢いあまった彼女の頭がわたしの目の前で、床に落ちそうになる。慌てて手を伸ばして支え起こした、彼女の小さな頭の感触が忘れられない。

いったいなにが彼女をこうさせたんだろう。
思考がまとまらなくて三粒程度の涙がこぼれた頃、最後の曲が終わって彼女は去っていった。


転換中

DJ後藤まりこの出番が終わって、眉村ちあきが準備を始める。

フロアでわたしの後ろにいたおじさん2人組が
「楽しかった、の一言じゃ終われないね」
と話しているのが聞こえた。
そうだよね、とわたしも思う。

彼女の観た人の心を深く爪でえぐる力は、相変わらず健在みたい。

一度舞台袖に引っ込んだ眉村ちあきが戻ってきて
「あと5分調整の時間あるってー」
と客席に呼びかける。

待ち時間教えてくれるなんて親切だなぁと呑気に立っていたら、吉田豪も登場しておしゃべりが始まる。
待ち時間に喋ってくれるとこんなに嬉しいんだなあ、なんて小さく感動していたのも束の間、
「いきなり脱いじゃってびっくりしたよねー!」
と騒ぐ眉村ちあきに呼ばれたかのように、のっそりと、舞台で暴れまわっていたのが嘘のように静かに現れたDJ後藤まりこ。

「なんで脱いだんですか?」の問いかけに
「怖かったからや。負けたくなかったからや」
と這いつくばりながら答える。

「緊張した?」と煽る吉田豪に
「緊張した」と、蚊の鳴くような声で答える後藤まりこ。

うそやん、あなた10年以上やってて、下北沢シェルターなんて小さい箱で緊張する要素がどこにあったの???
緊張してたから本番前から酒飲んで、客にツイートされてたの???

もう、全然わからない。

マイク1本を眉村ちあきと後藤まりこの2人に交互に向ける吉田豪。
それでもままならない会話に詰まったのか、「イエガーちょうだい!後でお金払うから!」とフロア奥のドリンクカウンターに叫ぶまりこ。

しばらくして、観客の手づたいで運ばれてきたイエガー。
イエガーって何?の眉村ちあき。
運ばれてきたイエガーを一口分、勢いよく呑んで
「強い酒だから無理して飲まなくてもいいよ」
と急にお姉さんぶる後藤まりこ。

戸惑いながらも少し舐めて顔をしかめた後、一気飲みして盛り上げる眉村ちあき。
吉田豪が飲まされないよう舞台から逃げ出したところで、眉村ちあきパートがスタートした。


眉村ちあき編

「今は大丈夫だけど、イエガーは10分くらいしたら急にくるんだってー!きゃー!」
と騒ぎながら始めた眉村ちあき。
打ちこみの音を流しながらエレキギター1本で弾き語る。なんて逃げ場のない編成!
にこにこしてるのに、やってることがめちゃめちゃ骨太でどきどきした。

初めて観た眉村ちあきのライブは、これまでのわたしの眉村ちあき遍歴
眉村ちあきがいいぞという噂→ゴッドタン→sportifyのランダム再生→ライブ
の中でダントツで輝いてた。

1曲目から出来上がっているコールアンドレスポンス。
にこにこしながらフロアに降りてハゲいじりの曲を歌う。

「ハゲしかいじらないのはもうやめた!髪の毛のある人だってお月様になれる!」

幼稚園児のような愛くるしさを見せたかと思いきや、おじさん達を手のひらで転がす悪女の顔も見せる眉村ちあき。
将来はマユムラーを集めた公園を作りたいんだって。最高かよ。

MCで話していた
「子どもと遊んだら、その子が『お母さんがファンのアイドルと遊んだ』って幼稚園?に提出したら『お母さんの友達ね』って訂正されて、『アイドルだ!!!』と譲れなくて子どもが泣いちゃった話」
がツボだった。

そのエピソードを
「私は一生忘れない!」
と叫んでいて、そういうところが彼女の良さなんだなぁと。

後藤まりこを「怪物だ」と評して、その彼女にほめられたと歌う今日限定バージョンが披露されるシーンも。

「後藤まりこが『新曲できた』ってツイートしてたのをみて、今朝から新曲作ってきた!負けられないからー!今日の19時に出来上がったの!聴いて!」
と、夏の音を2つ組み込んだ新曲を披露。
新曲披露の宣言直後、新曲のデモらしき眉村ちあき本人の鼻歌のような歌がちょっと流れて
「よし、思い出した」
だって。
良い意味で緊張感のない、彼女らしさが詰まったハートフルなライブでした。


こんなライブ見せられちゃったら、もうマユムラー待ったなしなのでは。
※マユムラー:眉村ちあきファンの呼称

同ジャンルに括られても、全く異なる2人の本気のぶつかりあい。
これぞ対バン!
こんなにバトル感のある2マンライブは初めてだったかもしれない。

眉村ちあき、DJ後藤まりこの両方に虜になっちゃう夜でした。
あげみざわーーー!!!!


おわりに

中身が見えなさすぎて博打気分で買った
「眉村ちあきとDJ後藤まりこ!!!!!」チケット。
こんなにどきどきはらはらするなんて、夢にも思わなかった。
行って良かった。心からそう思う。
こういう予測不能の当たりがあるから、ライブハウスから卒業できない。

あとね、わたしはやっぱり、DJ後藤まりこに、期待したい。
脱いでもいい、暴れてもいい。
何をしてもいいから、その中で歌える力はしっかり見せつけるパフォーマンスを観たいんだ。
今晩のライブは、不器用な少女のままここまできたことは伝わったけど、素敵な歌は聴けなかった。好きだと再認識したからこそ、それが悔しい。
いま、彼女の側にいる人には、彼女のことをずーっと抱きしめて、ずーっと愛してあげてほしい。誰かに届けることばっかりに夢中な彼女だから。


この投稿はライブ直後から気持ちが止められなかった私が、見たものを整理してもう一度振り返りたくてずらずらずらーーーーっと書きまくったツイートを、読みやすいように1ページにまとめたものです。

一日経って読み直しても、最高にエクスタシーを感じられた夜だった。あぁ。

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