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あなたのエモさはどこから?私はエルレから。 -ELLEGARDEN 復活-

ひょんなことから懐かしさが込み上げて、いてもたってもいられなくなってしまった。

ELLEGARDEN 復活。


そのニュースをTwitterで見かけた時は、すごくぼんやりした気持ちで
ふーん、そうなん?
くらいでいた。

あんなに邦ロックにずぶずぶに浸かった高校生活を送る最大のきっかけになったバンドなのに。

なんでそっぽ向いてたかって、どうしても心のどこかで
「発表した場に居なかったし」
という拗ねた気持ちがあったから。



でも、そんな小さい拗れを吹っ飛ばしてエモさにギャン泣きしたくなるような気持ちになっている。
本当にそれは些細なきっかけ。


日曜日の夜に年の近い男の子たちと行ったカラオケで
懐かしい邦ロックを歌う子が居たから

「この流れだったらいけるかも?復活のニュースあったし。」

その程度の軽い気持ちで自分用に選曲したELLEGARDEN [Space Sonic].

いざ曲が流れ始め、最初に画面いっぱいに広がった英語を見て、
「あ、そういえばこれ英語曲だったっけ」
そんなふわふわした気持ちで歌い始める。


驚いた。

私、歌詞全部覚えてる。


当たり前だ。
だってあんなに好きだったじゃん。
なに言ってんだよ。大人になったフリしてんじゃねぇよ。

私が邦ロックの存在を知ったのは、そしてずぶずぶにハマったのはELLEGARDENが始まりだ。

初めて見聞きしたのはSpaceSonicのMV。たしかCOUNT DOWN TV のランキングで、「今週のXX位」と延々流れるあれ。1曲あたり3秒くらいで流れていく音源の中に、彼らは居た。

全然わからないけどとにかくピンク背景の明るい画面とギターのメロディに魅せられて、がむしゃらにカッコ良い曲だと思った。
なぜだかその回のCOUNTDOWN TVはHDDに録画してあったから、編集してたった約3秒のそのMVを残したものを作って、数え切れないくらいエンドレスリピートでその3秒を聞いた。
次週も録画して、ランキングに登場したその短いものをやっぱり何度も繰り返した。
2005年、私は中学3年生だった。

それからELLEGARDENがバンド名で、曲名がSpace Sonicだと知り、過去のアルバムを探し求めた。
初めてROCKIN'ON JAPANも買った。
Space SonicのMVで「メンバーだけでなくスタッフも女装させてやったぜ!」そんなエピソードを読んで「最初のトキメキを返せ!」と思ったり、友達を相手に大好きだと熱弁した。

ELLEGARDENのSpace Sonicのその3秒に惚れてから、ROCKIN'ON JAPANを読み、知識に飢えていた私は本当に毎号1文字もこぼさずに読んで、エルレに留まらず通称「ロキノン系」と呼ばれる邦ロックやパンクの虜になった。

Space Sonicとの出会いから約1年、過去のエルレを追いかけるだけだった私には待ってましたの5th album, ELEVEN FIRE CRACKERS の発売。
私は服よりもCDにお金をつぎこむ高校1年生になっていた。

もちろん地元の駅ビルに入っていた電気屋さんでフラゲをした。買うついでに、店内で流れていたエルレのプロモーション画面の音量を2つくらい上げておいた。ちっぽけな高校生の意味のない応援。

アルバムジャケットを広げると、上の画像にあるような手が現れる。
*画像はバンドスコアのもの。 


このイラストはアルバムとそれを引っ提げたツアーの宣伝チラシにも使われていて、このチラシを5枚ほど持って帰った私は、なんとも奇怪なことに、この手形に配置された細かいドクロを一つも漏らさず切り取って、学校の指定カバンに貼り付けた。
そう、これは紙を切り取っただけだから縫えなくて、それはもう細かく両面テープを貼った。


学生バッグイメージ。これの後ろが実は...。

奇怪だ。


もっと可愛い愛情表現いくらでもあっただろうに。
なぜそんなことをしたのか。もう全くわからない。
それでもその細かい作業の執念は観る者に気合を感じさせるのか、普段関わらない美少女クラスメイトが私の貼り付けバッグを近くで眺めている場面に遭遇したことがある。その子は卒業後、美大に入学した。


そんな愛情表現をして過ごしていたある日、衝撃の知らせが。

友人がELLEGARDEN, ELEVEN FIRE CRACKERS TOUR ワンマンライブのチケットを当てた。

それはもう私にとっては大事件だ。
忘れもしない2007年1月7日のワンマン初日。
場外のロッカーに荷物を全て入れ、寒い寒いと震えながらTシャツ1枚にタオルを巻いて、新木場STUDIO COASTへ足を踏み入れる。
それが初めてのライブハウスだった。
スタジアムやホールのライブは観たことがあったけれど、ライブハウスは行ったことがなかった。
私のライブハウス処女はエルレに捧げた。

初めてみるタトゥーだらけの細美さんと、大きいギターを抱えるうぶさん。
黄色っぽい白灯に照らされる、黒に白の稲妻柄のギターベルト。
いろんな人の汗がついて、私も汗だくになって、目の前で振る舞われる音を一粒も落とさないように必死だった。


その日をきっかけに、ライブハウスビッチになった。
それこそROCKIN'ON JAPANに登場するような人のライブは「とりあえず1度観てみよう」の気持ちで参戦していたら、2008年は月に2度のペースでライブハウスに行くようになった。
音楽雑誌や音源やライブグッズやら、少しもお金を惜しまずつぎ込んでいたから、バイトもしていない高校生の貯金は底を尽きた。

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もっと他にも高校生らしい過ごし方はいくらでもあったと思う。
それでも、私は「持てる全ての時間とお金を特定の分野につぎ込む」という経験をこの時に経験できて本当に良かったと思っている。

どうしようもないくらい感動しいで、すぐ泣く私が、この時期に音楽にずぶずぶにハマっていたから、岡崎体育のファンクラブ騒動を見て、泣きながら記事を書くことができた。
それを書き上げられなかったら、 人生初のnote公式 #コンテンツ会議紹介してもらえることもなかった。

何が自分の糧になるかわからない。
身の回りの多くの人、今回でいうと学校のクラスメイトから「ちょっと気持ち悪い」と思われるくらいのめり込むことが、絶対にどこかで活きる。
そんな嬉しい手応えを初めて私にくれたのが、エルレだ。

戻ってきてくれて、本当にありがとう。


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