【漫画】本当は優しい子猫さん28「勝手に開けたバッグ」【スコティッシュフォールド|マンチカンキャラクター】
おい。お前何してる!
わわっ!シマ。そこにいたの?
「そこにいたの?」じゃねーよ。お前何俺のバッグ勝手に開けてんだ?
ごめん。
謝ってももう遅い。俺、ちゃんと今の見てたぞ。人のバッグ勝手に開けるとか、お前の脳みそどうなってんんだ?たとえ友達同士とはいえ、常識がなさ過ぎる!
本当ごめん。もう二度としないから。
嘘だな。そういう奴に限って、何度も同じ過ちを繰り返す。
そんな。過ちだなんて。別に僕は、シマのスパイなんかじゃないし。
じゃあ、一度冷静になって考えてみようか。そもそも、なんで俺のバッグを無断で漁ろうとしたのか?それは、お前が何かやましいことがあって、それを秘密にしておきたかったからに他ならない。
例えば、そうだな。俺のバッグから、お菓子をつまみ食いするとか。
まさか。そんな酷いことしないよ!
ま、不幸中の幸いってやつか。お前の悪事もとうとうこうやって、俺に見つかっちまったわけだ。ゆっくり、話を聞かせてもらおうか。お前いつから、こんな泥棒まがいのことしてた?ん?
してない、してない!これが初めてだよ。
常習犯に限って「今回が初めてです!」って言い訳を必ずするのさ。ベテラン刑事の俺ならすぐにわかる。
本当に本当だよ。と言うか、そもそもそんな悪いことしようとしてないし。
じゃあ、言ってもらおうか。なんで俺のバッグを勝手に漁ろうとしたのか。
それは。
シマ、これから仕事に行くから、その前に降りた畳み傘をバッグに入れてあげようと思って。ほら、シマいつも雨の日に傘持って行くの忘れちゃうでしょ?だから。
でも、確かにちょっと強引だったみたいだね。シマに言ってから、直接渡してあげれば良かった。ごめん。勝手にシマのバッグ開けたりして。
お前は、やっぱり優しいなぁ。
へ?
すまん。まさか、お前が俺のためにわざわざ傘を用意してくれようとしてたなんて。お前の事情も知らずに、一方的に怒ったりして。俺が悪かった。許してくれ。
シマ・・・!
ありがと。
そういえば、そろそろ会社行く時間じゃない?そんなゆっくりしてて大丈夫なの?
いっけね。完全に忘れてた!早く行かねーと遅刻しちまう。じゃ、行って来まーす!
シマ。傘、傘を忘れてるよ〜!
おしまい。